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坑道の怪物

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第四章

「ここに戻ってだ」
「そうしてそのうえで」
「その飴を舐めながらだ」
「お水の中に入って」
「魔物達を退けるだ」
「そうするでやんすね」
「そだ、なら急ぐだ」
 こう話してだ、そしてだった。
 二人は一旦術で瞬時に金山から出てだ、そこから移動の術を使ってそれで都まで行って太宰に事情を話して。
 彼に南洋にやはり移動の術を使う者に行く様にすぐに手配してもらってだった、その飴を多く持って来てもらった。
 そこでだ、太宰は二人に行った。
「ではこれからです」
「金山の人達を助けて来るだ」
「そうしてくるでやんすよ」
 二人は太宰にすぐに応えてだった、そのうえで。
 すぐにまた移動の術を使って佐渡に戻ってだった、金山の中にまた入って飴を口の中に含んで水の中に入った。
 すると確かに普通に呼吸が出来てだ、会話も出来ていてだ。宮沢は水の中を見回しつつ有島に言った。
「流石に見えるものはだ」
「普通に水の中にいる状況でやんすな」
「そだな、とはいってもだ」
「どうしたでやんすか」
「結構音は聞こえるだ」
「そういえばあっしもでやんすな」
 有島もだった、水の中にいても。
「目はあまり効かないでやんすが」
「聞こえるだ、おら達はそうした種族だな」
「オーガの耳はいいでやんすが」
 有島は自分の話をした。
「しかし蛇は本来は」
「他の生物みたいな耳がないだな」
「そうでやんすな」
「しかし聞こえるだ」
 そうだというのだ。
「ピットが発達したみたいだな」
「それで、やんすな」
「その耳が随分よくてだ」
 それでというのだ。
「水の中でもだ」
「音が聞こえるでやんすな」
「そして気配がだ」
 それがというのだ。
「はっきりと感じるだ」
「囲まれているでやんすよ」
 見れば魚や鰐の形の魔物達が多く周りにいる、結構な数だ。
「地底湖から出て来た連中でやんすな」
「そだな、でかいのはまだ見えないだが」
「今は地底湖にいるでやんすか」
「そかもな、しかし」
「ここはでやんすな」
「そだ、ここは」
 宮沢は身構えた、そうしてだった。 
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