| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百八話 不運のチームその七

「二軍監督も生え抜きじゃないとなれないけれど」
「さっき二軍監督って言ったけれど」
「結構重要な人よね」
「うん、裏方だけれど」
 二軍の責任者だからそうなる。
「育成とかを担当してるからね」
「チームにとって重要な役よね」
「それも相当に」
「それは巨人でも同じだけれど」
 勿論他のチームでもだ。
「どういう訳かね」
「二軍監督からは監督になれないの」
「巨人はそうなの」
「一軍のコーチからなるんだ」
 巨人の監督はだ。
「その場合が多いんだ」
「何で二軍監督からしないのかしら」
「そこ不思議よね」
「他のチームは違うよ」
 当然阪神にしてもだ。
「二軍監督から監督になるってね」
「多いのね」
「実際に」
「うん、そうなんだけれど」
 そうして監督として確かな采配と育成を見せた人も多い、それだけ二軍監督で学ぶことが多いのだろう。
「巨人では二軍監督から監督になった人いないみたいだよ」
「不思議ね」
「どうしてそうなのかしら」
「伝統なんだけれど」
 日本で一番古いプロ野球チームであるこのチームのだ。
「変な伝統だよね」
「凄くね」
「しかも排外的だし」
「そうなんだよね、だから今はね」
 あのチームの状況を見ての言葉だ。
「そのせいかね」
「最下位なのね」
「それもずっと」
「しかも百十敗したってテレビで言ってたけれど」
「ダントツの最下位よね」
「もう十年連続でね」
 景気のいいことにだ、巨人が負けるとアンチの人達が元気になって仕事にも学業にも励んで日本が明るくなり景気もよくなる。実際にそうなっている。
「最下位だよ」
「それも毎年百敗以上して」
「勝率は二割五分切ってるのよね」
 十年連続でだ。
「チーム打率も防御率も十二球団最低で」
「三振とエラーがダントツで多くて」
「盗塁もホームランも一番少なくて」
「チーム得点は低い、失点は凄く多い」
「そんなのになったのね」
「監督の成り手がいなくなって」
 生え抜きの人でずっと一軍にいた人じゃないとなれないしだ、しかもそこにフロントが言うことを聞きそうな人じゃないと監督にしないという状況も加わってだ。
「それでなんだ」
「あのチームはなの」
「監督の成り手すらいなくなって」
「弱くなったのね」
「それも極端に」
「今の監督はね」
 この人はというと。
「九連覇の時のエースだったんだけれど」
「あのシャモジみたいな顔した?」
「あの人?」
「無理に監督になってもらったんだ」
 他にやってくれる人がいなくてだ。
「もういてくれるだけでいいって感じで」
「何か落ちぶれてるわね」
「それもかなりね」
「十年連続最下位で監督になってくれる人すら少ない」
「そんな風になったのね」
「そうなんだ、まあそうなったのも」
 僕が思うにだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧