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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六話 イギリス風メイドその十五

「そんな作品があるって」
「日本はその意味でも凄いわよ」
「そうなるよね、というか」
 僕はさらに言った。
「そうしたことも教えていって欲しいね」
「学校の授業でね」
「うちの学校では言ってるけれどね」
「他の学校はどうかしら」
「公立とかは」
「公立は期待出来ないかもね」
 特に関西の公立学校はだ。
「日教組があれこそ言うし」
「学校の先生の組合ね」
「公務員なのに組合なのね」
 日本では本当は公務員は組合を持てないのに何故か存在している、そして平和や民主主義や人権や差別を言いつつそれとは完璧に真逆な北朝鮮が大好きで教師の暴力やセクハラや汚職には極めて甘い組織だ。
「あそこがあるから」
「だからなのね」
「うん、難しいだろうね」
 公立学校ではだ。
「そうしたことを教えられる様になるには」
「折角の大作なのに」
「勿体ないわね」
「本当にね、何か」
 どうにもとだ、僕はまた言った。
「そんな意義も伝えていかないとね」
「駄目ね」
「日本の他の学校でも」
「そうすべきだよ」
 僕は二人に眉を顰めさせて答えた、そうして紅茶とティーセットの残りを食べた。そのうえで二人に言った。
「じゃあね」
「ええ、飲み終わったし食べたし」
 モンセラさんが応えてくれた。
「じゃあね」
「部活に行こうね」
「それぞれのね」
「また来てね」
 テレサさんはメイド部員、つまりこの部屋で活動している人としてそのうえで僕に対して言ってきた。
「そしてこうした時はね」
「メイドさんならね」
「行ってらっしゃいませご主人様」
 テレサさんはにこりと笑ってぺこりと頭を垂れて言ってきた。
「それじゃあまたね」
「うん、寮でね」
「お話しましょう」
「そうしようね、美味しかったよ」
 紅茶もティーセットもだ。
「お陰でいい気分で部活に行けるよ」
「それは何よりよ」
「それじゃあね」
「今からよね」
「そう、今からね」
 まさにというのだ。
「部活に行って来るよ」
「じゃあね」
「私も行って来るわ」
 テレサさんだけでなくモンセラさんも言ってだ、そしてだった。
 僕達は今は別れた、そうしてそれぞれの部活に赴き汗を流した。流した汗の質も量も最早夏のものではなかった。


第二百六話   完


                   2018・10・1 
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