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うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜

作者:もっちゃ
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幼少編
  うちはオビト逆行物語『分岐の前に』

 
前書き
副題【オビトが自分の道を考える話】

ご注意願います。
この作品は二次創作品となっており、本誌への多大なるネタバレを含みます。
更に辻褄や都合を合わせる為に作られた出しゃばるオリジナルキャラクターや、本誌に合わせた恋愛、過剰なるグロテスク等の表現をしております。

以上の事を踏まえた上での閲覧をお勧め致します。


第十話です!!ついに十話ですね!やりました!もうゴールしてもいいよね…?というくだりをしてついにここまで来ました。リメイクするにも大変だったんだよ!
弥彦「兎に角、認めてないんだからな!」
オビト「んな事言われてもなぁ。」 

 
シスイと仲良くなってから数日が経った。
4班のみんなにも自慢という名の報告もできコンビネーションもチームワークも徐々に良くなってきている。
そんな順調な中、俺は今大ピンチになっている訳で。
「…どうしたらお前らは納得してくれるんだ。」
溜息をつき、目の前の3人の男女を見る。
その3人…弥彦、小南、長門は相変わらず首を横に降るばかりで、俺の意見を聞こうとしない。
…困った、と率直な感想を言えぬ程に困り果てている。
この状況の説明をするには数時間前の話をしなければいけない。

今日はたまたま任務がない日で、3人にも都合が合う日だった。この機を逃すわけにはいかないと俺達は集まり、今後の展開の確認と共にどうしていくかの話し合いをすることにしたため、長門達の隠れ家に向かい話し合いを進める。
今まで考えるのを避けてはいたが、俺の今後についての話がまだだった為、今回はそれを話し合うことになっていた。
そして事前に考えてきた1番良いヤツ…というか、最早俺からすれば決定事項な意見を提案してみたのだが、それがどうも気に食わなかったどころか猛反発を受けてしまっている状態だ。
「なんで納得してくれないんだ。」
「…逆に聞くが、納得すると思うか?」
弥彦を筆頭に他2人もこんな状態が続いていて正直話にならない。
俺の案は木の葉に残らずにマダラの元へ向かい、そこで色々暗躍したフリをして被害を最小にすること、それと黒ゼツの監視。
被害が減るし黒ゼツの監視もできる、一石二鳥…いや、一石多鳥だと俺は思ったのだが。
「オビトは裏側に行って立ち回るという意見は確かに1番妙案だし被害が1番低くなるかもしれない。そしたら俺達も公に動けるし暁を駆使して戦争の被害を最小限に防ぐことも出来る。」
長門が項垂れながら呟くのをいい事にじゃあ、と口を開く。
「良い点ばかりだろうが、なら何故納得しないんだ。」
「「お前が何度も死にかけるルートなんだよそれは!!」」
弥彦と長門が揃ってテーブルを叩き立ち上がる。弥彦の隣に座ったままの小南は無言のまま凄い圧を出しながら頷いている。1種のいじめだろうか。
「ルートって、お前らなぁ…。」
まるでゲームをしているかのような物言いだ。まぁ、2度目だし力も普通にあるししゃーないけどな。半チート状態で日々成長している。もしかしたら大戦時には影の奴らをまとめて相手にできる程の力を蓄えられるかもしれないのだが。
「大丈夫だろ、多分。柱間細胞も万華鏡写輪眼もそのまま残ってんだぞ。死にかけるなんて、」
ない。と言いかけ、ふと九尾が脳裏に蘇る。そういやあいつの時俺まじで死にかけるじゃんか。あぁ、ヘタしたら死ぬかもな。ミナト先生強いし、同じようになるとは限らない。
「…黙り込んだということは、何か思うところがあったんだな?」
「いや、別に「あったんだな?」」
「…はい。」
何だ、弥彦の奴。今日は数倍歳上に感じる。というか、そういうのを口実に物凄い圧を感じる。生きてる年数は勝ってるはずなんだが。俺は頭までも幼いのだろうか。アホか。
「兎に角、俺達は認めんぞ。大事な弟が危険な目に遭う所にわざわざ食い込ませる奴があるか?」
「…あの、俺は弟ポジションだったか?」
仲間だったろ。しかも初めは警戒しまくってたろ?協力的だと思っていたのは俺だけか?いや、まぁ弟でもいいんだが。こんな兄と姉は絶対嫌だ。
「…話がまとまらんな。とりあえず保留という事で、いいな?」
兎に角、このままでは埒が明かないと思った俺は弥彦たちを見てそう問いかける。弥彦たちは終始不満そうな顔をしながらも、頷いた。
「俺達からしたらこれは決定事項なのだがな。」
「多数決でも圧勝よ。」
「多数決なんて取ったら一発で終わるわ…。」
ドヤ顔で多数決と言ってくる小南に冷や汗をかきながら、再び頭を悩ませるのだ。

さて、そんな内容を思い出しつつ木の葉に帰ったのはいいが、本格的にこれからの事を考えなければいけない。なんせあの日、中忍試験が近い。それはつまり、運命の時が近づいているという事だ。胸が苦しくなるが、それどころじゃない。
…どうしても俺が行かなくては行けないのだ。
そうでなければ、誰が行くのだろうか。マダラは俺が降ってこなければ今は無いとはいえ、いずれ必ず代わりを用意するだろう。"うちはマダラ"の代わりを、必ず。
そして代わりにされるのはうちはの連中。しかも才能がある奴。そうすればある程度絞られる。うちはシスイ、うちはイタチ、そしてうちはサスケ…その他にも何人か、決めているのかもしれない。
こいつらを巻き込むわけには行かないのだ。今まで散々巻き込み、愛情に漬け込み、それを利用してきたのだから。それに、アイツらに辛い思いなんてさせたくない。
「…どうしたものか。」
「何が?」
突然背後から聞こえた声にハッとすれば、そこには不思議そうな表情を向けたシスイが立っていた。おばさんの容態があまり良くないようで、もうしばらく預かることになっているのだ。
「兄さん、悩み事?」
「ん…まぁ、そんなとこ、か?」
あえて濁して言う。シスイはこの年でも頭がいい。何かボロを出すと直ぐに問いただされる。最近こいつを預かってからは、1人でゆっくりと考える時間が減った。1人だとこんな事ばかり考えるから、ある意味都合がいいのかもしれないが。
「…兄さん、僕に言えない事でも、他の人には言ってね?そしたら少しは悩み事も無くなるよ?」
「…おう、そうだな。」
いつもの様に笑うが、その裏には寂しそうな雰囲気を覗かせていた。それでも人を思いやれる、優しい、いい子だと思う。
思えばあのクーデターも、こいつがいたからサスケと、イタチが救われたんだもんな。みんなで仲良くなる方法を。そう考えて動き回って、死んでいってしまったこいつに、情など感じなくなった自分でも何かしてやりたいと思う事は不自然じゃないはずだ。
「お前がそう言ってくれるだけで元気が出たぜ!ありがとな、シスイ!」
「…ほんと?ほんとに?」
心配そうな顔をしながらも、どこか嬉しそうな声色のこいつに、もちろん!といい抱き締めてやると、えへへ。と嬉しそうに笑った。
子供の体温というものは炎とはまた違った、どの熱とも違った、暖かい感覚を感じる。すごく暖かいはずなのだが、やけに脆さを感じて、抱き締める腕に力がこもる。
…今回は絶対に幸せにしてやるからな。
その為にも自分が出来ることを。そう思った俺の決意はもう決まっていた。 
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