八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百四話 タキタロウの味その六
「日本の妖怪もそうだしね」
「まあ妖怪はね」
「どの国でもそうよね」
「タイでもね」
「それでインドネシアでも」
「吸血鬼は血を吸って」
とはいっても血の吸い方はそれぞれだ、中には舌の先に管があってそれを人に突き刺して吸う種類もいる。
「妖怪は人を驚かせる」
「それぞれの習性ね」
「まさにそうなのね」
「見たいって思っている人は驚かないよ」
そもそもだ。
「それでね」
「見たい人にはなのね」
「その前には出ないのね」
「そうなんだろうね、それでいきなりなんだ」
妖怪に出会うとは思っていない人の前に出てだ。
「驚かせて喜ぶんだ」
「趣味が悪いわね」
「けれど妖怪らしいわね」
「逆に人を脅かせない妖怪って」
「何かしらね」
「まあそういう妖怪もいるけれどね」
ぬらりひょんは忙しい時に勝手に人の家に上がってお茶を飲んでくつろいで何時の間にか出て行く。これでは驚くこともない。ちなみにこの妖怪も八条学園にいて時々茶道部の茶室で飲んでいるらしい。
「けれど大抵の妖怪はね」
「驚かせてくるわね」
「そうよね」
「うん、もう習性としてね」
そのうえでだ。
「そうしてくるんだ、未確認動物と違ってね」
「未確認動物は驚かせてこないわね」
「別にね」
「人間を気にせずに出て来て」
「それでびっくりさせるのよね」
「驚かせたくて驚かせない」
「それが妖怪ね」
二人もそれぞれ言った。
「そこはね」
「妖怪とは違うわね」
「未確認動物はまた別だよ」
妖怪と違うとだ、僕は二人に話した。
「まだ実在が確認されていない動物だから」
「それで未確認で」
「実際に存在している可能性があるってことね」
「パンダだってね」
ここではジャイアントパンダだ、中国の四川省の方にいるあの白黒の毛の色で熊の様な外見の生きものだ。
「最初は未確認動物だったしね」
「じゃあネッシーもなのね」
「実在がはっきりする可能性もあるのね」
「そうだよ、他の未確認動物もね」
最近話している色々な未確認動物達がだ。
「そうなるよ、そして実在が確認されたら」
「あっ、未確認動物じゃなくなるわね」
「実在が確認されたらね」
二人もこのことに気付いた、実在がはっきりしていないからこそ未確認動物であることは言葉にも出ている。
「その時点で未確認でなくなって」
「普通の生きものになる」
「そうなるのね」
「そうだよ、だから謎はね」
それはだ。
「未確認動物についてはね」
「解ける謎で」
「解かれたら謎でなくなるってことね」
「そこは妖怪とは違うわね」
「同じミステリーでも」
「妖怪や幽霊は科学で証明出来るか」
未確認動物は生物学だ、生物学は常に新たな発見がありその度に未確認が未確認でなくなっていくのだ。
「それはどうかな」
「難しい?」
「そうしたことは」
二人も考える顔で僕に答えた。
「それはね」
「どうしても」
「科学で何でも証明出来るか」
僕はこのことから考えて二人に話した。
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