戦国異伝供書
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第二十六話 検地と刀狩りその七
「飛騨者達も使う」
「そうしてですな」
「何としてもな」
「あの二人を探し出しますか」
「その為に十勇士を使うのじゃ」
「さすれば、十勇士はそれがしの家臣ですが」
それでもとだ、幸村は信長に述べた。
「殿の家臣でもありますので」
「だからじゃな」
「ですから」
それでというのだ。
「殿が命じられればです」
「その様に動くか」
「はい、あの者達も」
そうなるというのだ。
「ですから」
「そうか、お主に言うこともないか」
「左様です」
幸村自ら信長に話した。
「このことは」
「そうなのじゃな」
「はい、しかしあの二人は」
幸村も崇伝と天海について述べた。
「それがしも聞いていますが」
「お主はあの者達をどう見る」
「妖人共です」
これが幸村が見る二人だった。
「あの者達は」
「お主もそう思うか」
「もっと言えば妖僧です」
それがあの二人だというのだ。
「僧侶でありますが」
「それでもじゃな」
「得体の知れぬ不気味な」
「そうした者達じゃな」
「はい、妖しく得体の知れぬ」
「不気味な者達じゃな」
「そう思いまする、公方様を惑わしていましたが」
足利義昭、彼をというのだ。
「それはです」
「非常にじゃな」
「結果として天下を惑わしています」
そうなったというのだ。
「ですから」
「それでじゃな」
「用心すべきかと」
彼等にはというのだ。
「捕えようとも」
「妖かしの術を使うか」
「そうも思いますので」
「あの者達はじゃな」
「気をつけるべきです」
例え捕えようともというのだ。
「何があろうとも」
「そうした者がどうもわしの前に出て来るがな」
「勘十郎様を惑わしていた津々木という者といい」
「そうじゃ、何かとじゃ」
「殿を邪魔をしようとしていますな」
「何故かな、あの者達は何か」
「どうもです」
ここで幸村は信長に真剣な顔になり述べた。
「あの者達は聞くところ闇の色ですな」
「闇の旗に衣か」
「そうしたものがありますが」
「闇じゃな」
「はい、それがしそれを感じます」
崇伝や天海達にはというのだ。
「どうにも」
「ふむ、闇か」
「はい、そしてです」
幸村は信長にさらに話した。
「本朝の裏にあるのではないでしょうか」
「本朝のか」
「そうも思いますが」
「まさかと思うが。いや」
信長はここで本庁の歴史を思った、するとだった。
「異朝もそうであろうが」
「本朝にはですな」
「裏があるな」
「得体の知れぬ何かが」
「そうじゃな、そういえばじゃ」
ここで信長は幸村に問うた。
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