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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十九話 柿の美味しさその九

「だからだ」
「そのお米が獲れることは」
「非常に大きい」
 他の収穫物と比べてだ。
「とてもな」
「はい、お米はです」
 円香さんも言ってきた。
「神道でも」
「重要だな」
「そうしたものです」
「そうだな、本当に日本という国はな」
「農業、特にですね」
「お米からな」
「生まれた国ですね」
 円香さんもこう言った。
「そう言っていいですね」
「特に白いお米がな」
「大事ですね」
「そういえば」
 ここで僕は言った、お米の話になったところでだ。
「僕達は白いお米を食べているけれど」
「精白されたな」
「うん、元々の色も白くて」
「それがお米だな」
「そう考えているよね」
「そうだな、しかしだ」
「うん、昔は赤いお米や黒いお米もあったんだよね」
 このことについて言及した。
「そうだったんだよね」
「奈良時代にはあった」
「そうそう、あの頃はね」
「そして食べていた」
「奈良市や明日香村でそのお米食べられますよ」
 円香さんは奈良県のことから僕に話してくれた。
「再現されていまして」
「それでだね」
「そうしたお米もです」
「奈良県じゃ食べられるね」
「当時の食生活も再現していまして」
 これ自体をだ。
「蘇等も食べられます」
「昔の乳製品だね」
「チーズです」
「そうそう、蘇ってチーズなんだよね」
「ご存知でしたか」
「聞いてるし親父が一回買ってきてね」
 奈良県で仕事をした時にだ、親父が言うには奈良公園の鹿位悪質な生きものはそうそういないらしい。
「一緒に食べたけれど」
「チーズですね」
「そうだよね」
「色は違いますが」
 こげ茶色だ、そこはチーズとは違う。
 けれどだ、食べてみるとなのだ。
「チーズですね」
「味も何もかもがね」
「それで、ですね」
「美味しくて」
 それでだ。
「ワインにも合いそうだね」
「そうですね、ただ」
「ワインはその時代にはなかったんだよね」
「伝説では飲んでいた人がいたそうですが」
「鬼がね」
 鬼は人の血を飲んでいたというけれどこれは実は漂着した大陸のそれも白人の人が葡萄から造って飲んでいた赤ワインではないかとも言われているのだ。
「そうだとも言われているね」
「そうですね、ですが」
「確かに飲まれるのは後だから」
 安土桃山時代に舶来もので飲んでいたとは聞いている。
「だからね」
「ワインについては」
「その頃はなかった筈だよ」
「そうですね」
「葡萄はあったけれどね」
 鬼は葡萄も好きだという、けれど葡萄は邪を祓うともされている。 
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