クロスウォーズアドベンチャー
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第42話:優しさのデジメンタル
放課後、ヒカリと共に先にパソコン室に来た京はブツブツと昨日の伊織のことでヒカリに愚痴を言っていた。
「本っ当に伊織の態度は何なわけ?賢君が近寄ればあからさまに嫌な態度取るし、昨日だって賢君と目を合わせようとしないでさっさと帰っちゃうし」
愚痴を言いながらヒカリが焼いてきた焼き菓子を頬張る京だが、出来れば味わって食べて欲しいなとヒカリは思った。
「やっぱり伊織君からすればまだまだデジモンカイザーだった頃の印象が抜けてないんですよ。」
「ただ頑固過ぎるだけよ。そりゃあ私だってカイザーだった頃の彼がやったことは許せるものじゃないと思う。でも未来のデジタルワールドを救ったり、私達を助けてくれたり、復興作業を率先して手伝ってくれてるのにあいつときたらもう……!!私はあんな子に育てた覚えはないわよ!!」
「京さんは伊織君のお母さんじゃないでしょ……?」
京の発言にヒカリが苦笑しながらツッコむ。
「とにかく……せめてもう少し仲良くしてくれないかな?このままじゃ、戦いにも影響出ちゃうんじゃない?」
「それはそうですけど……」
「放っとけ」
「あ、大輔君。タケル君も」
大輔とタケルがパソコン室に入ると、ブイモンとパタモンが2人に駆け寄り、2人はそれぞれのパートナーを抱き上げた。
「無理に納得させようとしても頑固頭の奴は難しいんだよ。あいつのペースで受け入れさせるしかねえよ。あ、クッキー貰っていいかな?」
「大輔君には別のがあるの、はい」
「ありがとう」
もう1つの小袋からクッキーを1枚手に取ってぱくり、うん…美味い。
「いいな、大輔君。ヒカリちゃんの愛…」
タケルが言い切る前に大輔はタケルの尻を全力で捻り抓ってやった。
「……っ!!……っ!!!」
あまりの痛みに声すら出ないタケル。最早両者の力関係は完全に逆転していた。
「タケル、学習しようよ…」
尻の抓られた部分を押さえて悶えてるタケルをパタモンは呆れたように見つめていた。
少しして伊織がパソコン室にやってきた。
「すみません、遅れました…」
「やっと来たか。京、頼むぜ」
「はいはい、デジタルゲート・オープン!!選ばれし子供達出動!!」
何時もの決め台詞を発して一同はデジタルワールドに向かった…のだが。
【痛っ!?】
何故かゲートのテレビの画面が岩壁の方を向いており、そこから勢い良く出てきた大輔達は当然額をぶつけてしまう。
「痛って~…」
「な、何でこんなとこにゲートがあんのよ~…」
「み、みんな…大丈夫…?」
「だ、大丈夫じゃない…」
まだ尻のダメージは癒えておらず、額だけでなく顔面を打ったタケルは他のメンバーで最もダメージがでかい。
「なあ、タケル…お前最近運がないな」
「そうだね、大輔君からお尻を抓られたり蹴られたり…」
「それはタケル君が悪い」
ヒカリからズバリと言われたタケルはゆっくりと立ち上がった。
「あ…」
「あ、賢君じゃない。」
「どうも京さん。昨日はありがとうございます…って、どうしたんですか額?」
「少しドジっただけだから気にしないで!!」
賢は額にダメージ…特に顔面を打ったタケルを見遣り、ゲートのテレビを発見するとテレビの画面が向いている方向を見て…。
「(あそこで打ったのか…)」
「痛そうだね賢ちゃん。」
全てを察して苦笑する賢と思わず呟くワームモンであった。
「とにかく今日はこのエリアの復興作業を手伝おう。見たところダークタワーは無いようだからな」
【了解!!】
全員が頷いた時であった。D-3XとD-3に反応が出たのは。
【?】
全員がD-3XとD-3のディスプレイを見つめると、それはデジメンタルの反応であった。
「デジメンタル!?まだデジメンタルはあるの!?」
「そりゃあ…賢の優しさのデジメンタルじゃねえか?ほら、優しさの紋章あるしよ」
「そっか、優しさの紋章があるなら優しさのデジメンタルがあっても不思議じゃないよね」
「じゃあ、優しさのデジメンタルかもしれない何かを探すか。あって困る物じゃないしな」
大輔の言葉に全員頷いてデジメンタル探しを開始した。それを少し離れた場所で見つめるアルケニモンとマミーモン。
「なあ、アルケニモン。何でこんなとこに来たんだ?」
「……あんたは本当に馬鹿ね。あの忌々しいガキんちょ共が、またダークタワーを倒してデジタルワールドを元通りにしようとしてるのよ。それを見て何とも思わないの?」
「俺は別に何にも?」
寧ろマミーモンからすれば溺愛しているアルケニモンと共にいられればそれでいいので、子供達がデジタルワールドを復興させていようが何でも良いのだ。
「この馬鹿!!」
「痛って~…!!」
アルケニモンの拳骨がマミーモンに炸裂し、マミーモンを悶絶させた。
そして反応に向かって進んでいく大輔達。
そこにはかつて勇気のデジメンタルを発見した場所を思い出させる洞窟であった。
「あそこだな…何か、勇気のデジメンタルを見つけた時のことを思い出すな。」
「あの時はまさかこうなるとは思わなかったけどね」
大輔とヒカリは洞窟の中を見渡しながら呟く。
洞窟の奥には勇気のデジメンタル同様、優しさの紋章が刻まれた優しさのデジメンタルが安置されていた。
「優しさの…デジメンタル…」
「やっぱりここは優しさの紋章の持ち主である賢君よね!!」
「確かにな。ほら、賢」
「僕から?」
「大丈夫だよ、お前なら。優しさの紋章を輝かせることが出来たならきっと優しさのデジメンタルを持ち上げられるさ」
「…分かった」
賢は屈んで優しさのデジメンタルを掴むと簡単に持ち上がった。
優しさのデジメンタルが賢の物だという証だ。
「やったな、賢」
「今更デジメンタル1つ手に入ったところでどうなるんです?」
「ダークタワーが機能している所かあまりエネルギーを消費したくない時に使えるしな。まあ、どんな敵が来てもやられるつもりはないけどな」
「それはどうかしらねえ!!」
聞き覚えがある声が聞こえたため、洞窟から出るとそこには何と。
【マミーモンとマミーモンのおまけのアルケニモ何とか!!】
その発言にアルケニモンがずっこけた。
「ちょーっと待ちなさい!!何で私がこいつのおまけなのよ!!こいつより私の方が登場早いんだから!!それから私はアルケニモンよ!!後一文字くらい頑張んなさいよ!!」
「だってお前、マミーモンに比べると影が薄いというかインパクトが薄いというか…」
「んな!?」
「お前ら、アルケニモンを悪く言うのは許さないぞ!大体アルケニモンが俺のおまけって…俺の…おまけ?……はっ!!?」
マミーモンの脳内。
アルケニモンはマミーモンのおまけ→マミーモンとアルケニモンはセット扱い→つまり恋人同士!?
「………おいお前ら、よせよ…照れるじゃないか…」
「何意味分かんないこと言って照れてんのよあんたは!?」
都合のいい脳内補完をしたマミーモンにアルケニモンの鉄拳が炸裂した。
「げふう!!?ああ…こ、これが愛の鞭…」
アルケニモンの鉄拳を喰らったマミーモンは仰向けに倒れて気絶した。
「さあ、出ておいで!!」
アルケニモンが指を鳴らすと、複数のスナイモンが飛んできた。
「へっ、今更こんなの…」
「あんた達はともかく、他の3体はどうかしらね!!」
「え!?」
スナイモンが複数掛かりでタケル達に攻撃を仕掛けるのを見て咄嗟に賢は伊織と京を引っ張る。
大輔、タケル、ヒカリの3人と賢、京、伊織の3人に離されてしまう。
「まずい、奴らの狙いは…」
「デジクロスってのは合体するデジモンが近くにいて出来るんだろ?つまりこれだけ離されたらあんたらは全力で戦えない!!」
デジクロスで最も強大な力を発揮出来る組み合わせから離された大輔達。
「よし、勝ったね!出ておいでヴァーミリモン!!」
次に現れたのはモノクロモンの色違いの上位世代であるヴァーミリモンが咆哮しながらこちらに迫って来る。
「きゅう…」
「あんた何時まで寝てんのよ!さっさと起きな!!」
「アルケニモ~ン…!!」
気絶しているマミーモンを叩き起こすがアルケニモンとイチャつく夢を見ていたマミーモンは目を覚ますのと同時にアルケニモンに迫る…が。
「何考えてんのよ!!」
「痛って~!!」
再びマミーモンに拳骨1発を落として今度こそ覚醒したマミーモン。
「「「デジメンタルアップ!!」」」
「ブイモンアーマー進化、地上最大の希望!サジタリモン!!」
「テイルモンアーマー進化、微笑みの光!ネフェルティモン!!」
「パタモンアーマー進化、天駆ける希望!ペガスモン!!」
「僕達も!!」
「うん!!」
「ワームモン進化、スティングモン!!スティングモン超進化、ジュエルビーモン!!」
「「デジメンタルアップ!!」」
「ホークモンアーマー進化、弾ける純真!シュリモン!!」
「アルマジモンアーマー進化、鋼の英知!ディグモン!!」
ワームモン以外はアーマー進化で対抗し、ヴァーミリモン、アルケニモン、マミーモン、そしてスナイモン数体を相手にしなければならなくなった。
数は此方が上だが、質は向こうが上だ。
ダークタワーデジモンは通常のデジモンよりも戦闘能力が高い。
ヴァーミリモンとスナイモン数体はサジタリモン達、マミーモンとアルケニモンと残りのスナイモン数体はジュエルビーモン達に。
「スパイダースレッド!!」
「ひゃあははははっ!!」
「ぐっ!?」
アルケニモンの糸とマミーモンの射撃がジュエルビーモンに繰り出される。
避ければシュリモン達に当たると判断したジュエルビーモンはそれを斬り払う。
「草薙!!」
「ゴールドラッシュ!!」
シュリモンとディグモンは自分達で何とか手に負えるスナイモン達の相手をする。
しかしスナイモンはダークタワーデジモンでなくても個体によっては完全体すら圧倒するようなデジモンである。
いくら経験を積んで強くなってもまだ1対1では苦戦する相手だ。
「タケル、ヒカリちゃん!!どっちでもいい!!デジクロスだ!!」
「大輔君!!」
サジタリモンと最も距離が近いタケルとペガスモンが近付く。
「サジタリモン!ペガスモン!デジクロス!!」
「サジタリモンKM(ケンタウルスモード)!!」
サジタリモンの下半身がペガスモンの物になったためによりケンタウルスに近くなったサジタリモンが駆ける。
「喰らえ!!メテオギャロップ!!」
ヴァーミリモンの顔面に飛び蹴りを喰らわせ、地面に叩き付けた。
しかし、スナイモン達はネフェルティモンに狙いをつけ、執拗に攻撃する。
「ペガスモンとデジクロスした今のサジタリモンなら…ヒカリちゃん、行くぞ!!」
「うん!!」
「「サンクチュアリバインド!!」」
サジタリモンKMとネフェルティモンが連携技の拘束技でスナイモン達を拘束すると矢を構えたが。
「ヴァーミリモン!!」
アルケニモンが叫ぶとヴァーミリモンはサジタリモンKMとネフェルティモンを狙う。
それに気付いた2体は技を中断してしまった。
「おらおらおらあ!!」
マミーモンはジュエルビーモンから距離を取って攻撃する。
近接戦闘を得意とするジュエルビーモンを相手に接近戦を挑むような馬鹿な真似はしない。
「どうすれば…」
サジタリモンKM達が追い詰められていくのを見た伊織が呟く。
「…こうなったら一か八かよ。シュリモンとディグモンを賢君にデジクロスしてもらうのよ!!」
「ええ!?」
京の提案に目を見開く伊織。
それはつまり賢の力を借りなければならない。
自分達のD-3にデジクロスの機能がないからだ。
「今のまま戦うよりマシよ。伊織、このままじゃ私達負けちゃうかもしれないのよ!?」
「でも、僕はあの人に借りは…!!」
「いい加減にしなさいよ伊織!!みんなとあんたの意地のどっちが大事なの…」
「京さん!!逃げて下さい!!」
「逃げるだぎゃ伊織ぃ!!」
シュリモンとディグモンの叫びが響き渡る。
何時の間にかスナイモンが腕の鎌を振り落とそうとしていた。
「うわああああ!?」
「きゃああああ!?」
「危ない!!」
賢が2人を突き飛ばす。
スナイモンの鎌は賢に直撃はしなかったが、勢い良く吹き飛ばした。
「ぐっ…」
「大丈夫!?」
「は、はい…」
「ど…どうして、僕を助けたんですか…?僕はあなたを信用しないで、避けてばかりいたのに…」
「理由なんて無い…僕が助けたいと思ったから助けただけだよ…さあ、伊織君と京さんは下がって…」
ふらつきながらも立ち上がり、戦おうとする賢を見て京はゆっくりと伊織に振り返る。
「ねえ伊織?あんたはあの姿を見てもまだ賢君がカイザーのままだと思う?彼を信用出来ないの?」
「…………」
伊織は何も言わない…否、言えないのだ。
自分と京を体を張って助けてくれた賢に伊織は何と言えばいいのか分からない。
「伊織、いい加減素直になりなさいよ。変に意地張ったって全然意味ないわよ。今のあんた、自分が認めたくないことから目を逸らしてるだけだわ」
「っ…僕は…」
「伊織、あんたも本当は気付いてるんじゃないの?今の賢君は前の賢君じゃないって…」
「でも僕は彼がしたことは…」
「前の賢君の罪ばっか見るんじゃなくて今の賢君を見なさいよ!!何時までもウジウジしてんじゃない!!」
伊織の腕を引っ張って賢の元に。
「京さん?」
「賢君、デジクロスよ!!ディグモンとシュリモンをデジクロスして!!このままじゃ負けるわ!!」
「でも、伊織君は…」
チラリと伊織を見遣る。
伊織が自分を嫌悪しているのは知っている。だから彼とのデジクロスは無理ではないかと思った。
「……やりましょう一乗寺さん…」
「伊織君…」
「借りは…返します…」
「分かった、君と京さんの力…借りるよ…」
「そうはさせないよ!!」
D-3Xを構える賢の姿を見たアルケニモンは妨害しようとするが。
「ヘブンズジャッジメントアロー!!」
サジタリモンKMの矢がスナイモンを貫き、そのままアルケニモンに迫ってきたため、アルケニモンはそれを回避しなければならず、妨害は出来なかった。
「ジュエルビーモン!ディグモン!シュリモン!デジクロス!!」
「ジュエルビーモンDS(ドリルスライサー)!!」
ジュエルビーモンの左腕がディグモンを模した大型のドリルとなり、背中に巨大手裏剣を装備している。
「ドリルファング!!」
左腕のドリルを高速回転させ、スナイモンの体に風穴を開けると、残りのスナイモンは巨大手裏剣を投擲して薙ぎ払う。
「強い…!!」
「スパイクバスター!!」
ジュエルビーモンの放った衝撃波がアルケニモンとマミーモンに迫る。
「うわああああ!?な、何で雑魚2体のパワーを足しただけで…」
「足し算じゃないんだよデジクロスは!!デジクロスは絆の力なんだ!!」
吹き飛ばされていくアルケニモンとマミーモンを見て、サジタリモンKMはヴァーミリモンを吹き飛ばすと、すぐにデジクロスを解除、退化させた。
「よーし、ウィザーモン!!お前が修理してくれた奇跡のデジメンタルを使わせてもらうぜ!!デジメンタルアップ!!」
「ブイモンアーマー進化、奇跡の輝き!マグナモン!!」
「う…っ!?」
ロイヤルナイツの守りの要、マグナモン降臨。
あまりの眩い光にアンデッドのマミーモンは苦しむ。
マグナモンは即座に自身の状態を確認する。
あれだけボロボロだった奇跡のデジメンタルを使用可能にするウィザーモンの技術力は大したものだが、完璧とは言えずに、最大技のエクストリーム・ジハードと次点で強力な技であるシャイニングゴールドソーラーストームが使えなくなっているのだ。
しかしそれ以外の技は使える。
「これで終わりだ!ぶっ飛べ馬鹿コンビ!プラズマシュート!!」
両肩・両腰のアーマーから発射されたミサイルと掌から放たれたプラズマ弾がアルケニモンとマミーモンに炸裂した。
「「うわああああああ!!?」」
ミサイルとプラズマ弾を受けたマミーモンとアルケニモンは放物線を描いて吹き飛び、ヴァーミリモンと残りのスナイモンは瞬く間に消滅したのであった。
「どうも、ありがとうございました」
「え?」
いきなり礼を言われた賢は目を見開く。
「今回大きな借りを作ってしまいました。いつか必ず返させて頂きます」
「え?借り?何のことだい?」
「ほら、あの時…私と伊織を助けた時のことを言ってるのよ賢君…」
「あ、そうなんですか…別に気にしなくてもいいのに…」
京に説明されて気にしなくていいと言うが…。
「駄目です。いつか必ず、お返しします」
「…分かった」
そして今日は現実世界に戻ることにした大輔達。
伊織は祖父と向かい合い(チューチューゼリー片手に)、人生の先輩である祖父に尋ねてみることにした。
「お祖父様…相談があるんですけどいいでしょうか?」
「おお、伊織。何じゃ?わしに答えられるなら何でも答えてやるぞ」
伊織の真剣な表情に祖父の主税もまた表情を引き締めた。
「僕の知っている人に…内容は言えませんが、悪いことをしてしまった人がいるんです。今、そのことを償っている最中なんですが、僕はその人のことを絶対に許さないと思ってました…でも…」
「………」
主税は黙って孫の次の言葉を待つ。
「大輔さんやみんながその人を仲間として受け入れていくのを見て、絶対に許さないと思っていたその人に助けられて…僕はどうすればいいのか分からなくなってしまいました…。」
主税は孫の悩みに気付くと笑みを浮かべながら口を開いた。
「確かに悪事は許されぬことじゃ」
主税の言葉に伊織は顔を上げた。
「お主の真っ直ぐな性格もあってその者を余計に許せない気持ちは分かる。じゃがな伊織…その者は自身のしたことを心底悔いて償っている最中なのじゃろう?世の中には“罪を憎んで人を憎まず”と言う諺もある。感情のままにその者の償いたいと思う気持ちやその者の行動まで否定してはいかん…」
「お祖父様…」
その言葉に伊織は思わず俯いてしまった。
「人が罪を犯すのは、そのような結果になってしまうまでに、それなりの事情があったりもする。お主はまず、そこから学ばねばならんな…大丈夫じゃ、お主はわしの孫で浩樹の息子なのじゃからな」
「…はい!!」
「では…」
主税は美しい輝きを放つ月を見上げながら月見チューチューゼリーを楽しむのであった。
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