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クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
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第39話:新たなデジクロス

ダークタワーをデジモンに変える女の存在を知り、賢が加わることで6人メンバーとなったので3人1組になって、ダークタワーを破壊する班と復興作業をする班に分かれてやっている。

復興作業は先代メンバーが暇になれば手伝ってくれる。

並行世界冒険組はただいまダークタワー破壊の真っ最中で賢は破壊する予定のダークタワーの1本に触れた。

「以前の僕なら…デジモンカイザーだった頃なら、このダークタワーについて何か分かったかもしれない…けど……今の僕には…これがどういった仕組みになっているのか……全く分からない…」

「戻りたいのか?デジモンカイザーに?」

「いや、そう言う訳じゃないよ大輔。あの時の僕は、自分でも分からない程頭がスッキリしていて……何でも分かる気がしたんだ……でも、一番大切な事が分かっていなかった……」

「……賢君…」

「ごめん、早くダークタワーを破壊してしまおう。」

話を打ち切って、ダークタワー破壊に専念する。

「ところで賢君、大輔君」

「「?」」

「デジクロス…もう少し増やしてみない?」

「ヒカリちゃん?増やすってどういう意味だ?」

「ほら、今までエクスブイモンをベースにしてデジクロスしてたけど、スティングモンをベースにしたらどうなるのかなってずっと思ってて…」

「ふむ…確かに今まで考えたことなかったね…スティングモンベースのデジクロス体…」

「パイルドラモンになるだけじゃないのか?」

「分からないよ?もしかしたら全く別のデジモンになる可能性だってある」

「もしかしたらホークモン達ともデジクロス出来るかもしれないじゃない?」

「じゃあ、京達呼んで、色々試してみるか?」

「うーん…まずはスティングモンとエクスブイモンで試してみようよ!!」

ヒカリの提案に頷き、スティングモンとエクスブイモンをデジクロスさせるためにD-3Xを構えた。

「「スティングモン!!エクスブイモン!!ダブルクロス!!」」

スティングモンをベースにしたデジクロスを試してみることにした大輔達であった。

「ディノビーモン!!」

スティングモンがベースとなったことで昆虫の性質が色濃く出たディノビーモンへと姿を変えた。

「ディノビーモン!どうだ、パイルドラモンの時と比べて?」

「そうだね…パイルドラモンよりもスピードに特化した形態のようだ。」

スティングモンベースであるためか、主な人格はスティングのようだ。

ディノビーモンは近くのダークタワーを見つめ、残像が残る程のスピードで接近し、エクスブイモンの爪で破壊した。

「おお、速え速え」

ディノビーモンのかなりのスピードに感心する大輔。

「パワーのパイルドラモンにスピードのディノビーモン。戦略が広がるね…」

以前、究極体への進化を試してみたのだが、インペリアルドラモンのDMとHDMへの進化は不能だった。

色々考えたが、向こうとこちらとの一番の違いであるダークタワーが原因かもしれないと賢が言っていたので取り敢えずダークタワーを全て壊したら試してみようということに。

「うん、京さんにも頼んでみようかな?」

「そうだね、同性の方が頼みやすいし、やりやすいかもしれない」

「んじゃあ、余り者ってことでタケルと伊織のパートナーでデジクロスやってみるか?」

ヒカリと京のパートナーのデジクロスはヒカリが出来るとしてタケルと伊織はどちらもノーマルD-3なので、デジクロスは大輔か賢、ヒカリが手伝わなければならないだろう。

「ディノビーモン、あっちの塔もぶっ壊すぞ」

「分かった。」

新たなデジクロス体を得た大輔達はダークタワーの破壊の勢いが増していくのである。

それなりの数を破壊して、今日はこれくらいにしようと帰りの準備をしようとした時である。

ヒカリのD-ターミナルにメールが入った。

D-ターミナルを開き、メールの内容を確認するヒカリ。

「…大変!!近くに異変が起きて、暗黒のパワーが増大しているんだって…」

「マジか?」

「タケル君達も既に向かってるみたい。急ぎましょう!!」

「「分かった」」

ディノビーモンに乗り、暗黒のパワーの増大地点に向かうのであった。

到着したのは、かつて活動をしていたデジモンカイザーの要塞が墜落した場所。

そこで暴れていたのはオオクワモンで必死にエンジェモン達が応戦していたが、やられるのは時間の問題だろう。

しかしパイルドラモン以上のスピードを持つディノビーモンはエンジェモンが吹き飛ばされる直前にオオクワモンを弾き飛ばした。

「お待たせ」

「遅いじゃない馬鹿ー!!」

サラリと言う大輔に叫ぶ京。

「すみません、ちょっと距離があったものですから…」

「いやいや、別にいいわよ気にしなくて」

「「京さーん、態度変わりすぎ」」

ヒカリとタケルが大輔と賢への態度の変わりようにツッコむ。

「ふざけてる場合ではないでしょう!!どうするんですか!?このままではあの要塞が爆発します!!」

伊織はふざけているような雰囲気に怒声を上げる。

「簡単だ。あの要塞を粉々に吹っ飛ばす!!」

「そんなこと出来るんですか?」

「出来るさ、このパイルドラモンならな!!」

D-3Xが光り輝き、ベースがスティングモンからエクスブイモンに変わるとパイルドラモンに切り替わる。

そして大輔はヒカリと賢を見遣る。

「ヒカリちゃん、賢!!エンジェモン達のデジクロスを!!パワーがありそうなアクィラモンとアンキロモンをベースにしてみよう!!」

「分かった、京さん。やりますよ」

「え?やるって何を?」

「アクィラモン!!テイルモン!!デジクロス!!」

アクィラモンをベースにし、テイルモンとデジクロスさせるとアクィラモンの飛行能力とテイルモンの格闘能力と俊敏性を合わせたようなデジモンが誕生した。

「シルフィーモン!!」

「う、嘘ー!?アクィラモンとテイルモンが合体したー!?」

「アンキロモン、エンジェモン…デジクロス!!」

賢がアンキロモンとエンジェモンをデジクロスさせると、アンキロモンのパワーと装甲、エンジェモンの聖なる力を宿した土偶のようなデジモンが誕生した。

「シャッコウモン!!」

「アンキロモンとエンジェモンが合体した!!」

「よし、デジクロスはしっかりと出来るようだ。後は任せたよ高石君、伊織君。」

デジクロスはさせたが、デジクロス元のデジモンはタケル達のパートナーのために後はそれぞれに任せる。

「全員、パイルドラモンに乗り込んでくれ。パイルドラモンを先頭に一気に要塞を突入して破壊する!!遅れたら姉貴の暗黒物質食わすからな!!」

「みんな!!迅速な行動を心掛けるように!!」

【了解!!】

それを聞いたタケルの言葉に全員が頷いた。

「それじゃあ、行くぜーっ!!」

「はい!!」

「ま、待って欲しいだぎゃー!!」

パイルドラモンを先頭にシルフィーモンとシャッコウモンが追従する。

しかしシルフィーモンはともかくシャッコウモンはそんなにスピードがあるわけではないので距離を離されていく。

仕方がないのでパイルドラモンがワイヤーを伸ばして強引に引っ張っていく。

「痛っ!!痛だだだだっ!!痛いだぎゃあ!!ぶっ!?口の中に砂が…っ!!」

「大輔さん、シャッコウモンが…シャッコウモンが引き摺られています!!」

伊織の言う通り、シャッコウモンが地面に引き摺られていた。

「今は時間がないから、少しくらいの痛みは我慢してもらう。」

「す、少しどころじゃないがやあ!!」

見る見るうちにシャッコウモンの白銀のボディが砂まみれになっていく。

「…はっ、オオクワモン、子供らをやっておしまい!!」

合体したデジモン達に呆気を取られていた例の女はオオクワモンに指示を飛ばし、要塞に向かっているパイルドラモンに突撃させたが…。

「邪魔だ!エスグリーマ!!」

スパイクを出し、オオクワモンを薙ぎ払う。

「シルフィーモン!!シャッコウモン!!今だ!!」

「トップガン!!」

「ア、アラミタマ!!」

賢が叫ぶとシルフィーモンの放ったエネルギー弾、そして何とか起き上がったシャッコウモンの光線がオオクワモンに炸裂してオオクワモンを容易くデータ粒子にした。

「うおおおおお!!」

パイルドラモンが要塞の壁を破壊して一気に動力炉があった場所に辿り着いた。

「到着だな」

「ひ、酷い目に遭っただぎゃ…」

「どうした?デジクロスして大して戦いもしていないのにそんなボロボロになって?」

「誰のせいだぎゃあ…!!」

疑問符を浮かべているパイルドラモンに、今なら怒ってもいいんじゃないかとシャッコウモンは思った。

「今はそんなことはどうでもいいだろ」

「どうでもいいって…」

大輔にサラリとどうでもいいと言われたシャッコウモンはショックだった。

「この要塞を粉々にぶっ壊すんだ。デジクロスの完全体なら出来るはずだ!!」

「任せろ大輔。今の俺達にこれくらいのことは余裕だ。行くぞ!デスペラードブラスター!!」

「トップガン!!」

「アラミタマッ!!!!」

パイルドラモン達、デジクロス完全体が要塞を吹き飛ばしていく。シャッコウモンだけエラく気合いが入っていたが。

必殺技を連発し、要塞内部を破壊して外に出ると内部から空に向かっていくつもの光の柱が伸び、少しの間を置いて巨大な要塞が轟音と共に吹き飛んだ。

これで、このデジタルワールドに存在していたデジモンカイザーの痕跡はダークタワーを除いて消滅したのであった。 
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