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戦国異伝供書

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第二十五話 天下の政その二

「変えていく」
「そうしていかれますか」
「これは天下統一の後でな」
 こう平手に話した。
「行っていく、まずはな」
「天下泰平の基盤をですか」
「固める一環としてな」
「織田家として領国全体を治めていきますか」
「検地も刀狩りも行いな」
「左様ですか、では」
「うむ、暫く政に専念する」
 戦をせずにというのだ。
「七年位になるか」
「そして天下の土台を確かにしますか」
「餅で言うと今はついておる」
 その段階だというのだ。
「後はこねてじゃ」
「そして口にする」
「食うまで行う、よいな」
「わかり申した、そう思うと大変ですな」
「暫しな、先の幕府の様な大乱は起こさせぬ」
 応仁の乱から今に至る戦国の世にはというのだ。
「だからな」
「ここはですな」
「しかと治めるぞ、皆の力を使ってな」
「わかり申した」
「それで五郎左と猿じゃが」
 丹羽と羽柴の話もだ、信長はした。
「あの者達には特別に命じておるが」
「安土と大坂のことですな」
「それぞれ城を築かせておるが」
「いや、どちらの城もです」
 平手は信長にどうかという顔で述べた。
「恐ろしいまでのです」
「巨城になっていてじゃな」
「まだ縄張りの段階ですが」
「そうじゃな、しかしな」
「この二つの城は、ですな」
「江戸の方は竹千代に築かせておるが」
 信長は東国の話もした。
「それぞれわしの天下の統治の要になる」
「殿は基本安土におられますな」
「うむ、そして大坂にもな」
 この地にもというのだ。
「城を築き西全体を治める要とする」
「そして東国は江戸ですか」
「あの地に巨城を築かせ」
 そうしてというのだ。
「あそこからじゃ」
「東国を治めまするか」
「そうする、あと名護屋と彦根、伊賀と姫路それに広島にも城を築く」
 そうした場所にもというのだ。
「元からある城は広く大きくしてじゃ」
「天下を治める要地にしますか」
「そう考えておる、あと会津じゃ」 
 この地にもというのだ。
「大きな城を築くぞ」
「会津ですか」
「そうじゃ、伊達家は仙台にやったが」
「あの家への付城ですか」
「そして奥羽を治める要としてな」
 東国のこの地域のというのだ。
「江戸城だけでなくじゃ」
「あそこにもですか」
「伊達家の居城だったが築きなおす」
 広く大きくするというのだ。
「そして伊達家を抑えてな」
「奥羽の政の要としますか」
「そうする、そのうえでな」
「天下を万全に治めますか」
「そうしていく、あと爺よ」
 今度は平手自身に言う信長だった。
「お主最近茶はどうじゃ」
「はい、今もです」
「楽しんでおるか」
「そうしております」
「ならよい、ではな」
「これからもですな」
「わしも楽しむからな」
 だからだというのだ。 
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