| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百九十七話 読破してその三

「吉本隆明とか」
「もう死んだ人だよね」
「あのオウムを絶賛していたから」
 どう見ても色々な宗教の自分達にとって都合のいい部分だけ切り取ったものでもだ。
「しかもあの教祖もだから」
「あんな胡散臭いのを」
「だからね」
 僕はさらに言った。
「あの人は全く評価していなくて」
「本もなんだ」
「読んでないしこれからもね」
 もう心に固く決めていることだ。
「読まないよ」
「読む価値ないから」
「そんなこと言う人の本とか」
 過去にどれだけ評価されていてもだ。
「たかが知れてるっていうか」
「酷いに決まってるから」
「行き着いた果てがオムじゃ」
 それこそだ。
「読んでも無駄だよ」
「じゃあ小説読む方が」
「吉本隆明読む位なら」
 これは本気で思うことだ。
「コロコロコミックの漫画読む方がずっといいよ」
「子供の雑誌じゃない」
「うん、下品な漫画も多いけれど」
 子供向けの下品ギャグだ、親父が言うには昔コミックボンボンという雑誌もあってこっちも面白かったらしい。
「その下品な中にね」
「教訓があるんだ」
「うん、だからね」
「コロコロの漫画読む方がいいんだ」
「てれびくんとかね」
 あとテレビマガジンもだ。
「読む方がずっといいに決まってるよ」
「実際漫画から得られるものって多いしね」
「そう、特に藤子不二雄先生の作品とか」
 言うまでもなく手塚治虫先生の作品もだ、石ノ森章太郎先生や赤塚不二夫先生の作品も当然その中に入る。
「凄く勉強になるよね」
「何かとね」
「マルクスばかりの学者や吉本隆明なんて」
 それこそだ。
「同じ時代の漫画家さん達の足元にも及ばないよ」
「それじゃあ君も」
「うん、ライトノベルとか漫画をね」
「読んでるんだね」
「ライトノベルの中には小説全部入ってるから」
 僕は最近こう考えている。
「そういうのを読んでるよ」
「哲学書とかは読まないで」
「特に日本の哲学はさっき言った通り」
 哲学というか思想書か、どっちにしても意味は同じじゃないかと思う。
「酷いにも程があるし」
「余計に読まないんだ」
「というか酷過ぎるよ」
 僕は原田君に顔を顰めさせて話した。
「戦後最大の思想家がオウムを絶賛していたとか」
「あんな宗教をね」
「あんな胡散臭い教祖までね」
 本当に行き着いた果てがオウムだとその思想の程が知れる、というか一体何を見てきたんだという話だ。
「そんなのだと」
「小説や漫画の方が」
「ずっといいに決まってるよ」
 そういえば北朝鮮を支持している人が多いのも日本の知識人の世界だ、そんな中だと吉本隆明も戦後最大の思想家なんだろうか。
「本当に」
「じゃあ僕も」
「うん、僕が思うにね」
 こう前置きしてだ、僕は原田君に話した。
「漫画や小説を読む方がいいよ」
「思想書とかよりも」
「戦後の日本のそれよりもね」
「ライトノベルでもいいし漫画でも」
「そう思うよ。まあ漫画も色々だけれど」
 変な漫画もある、料理漫画なのに福島の原発の話を描いた漫画とかだ。医者の親父曰く毎日鼻血出すというか一度でも鼻血出す位放射能を浴びてたらすぐに病院に行って検査しないといけないらしい。
「小説でもね」
「それでもだね」
「思想書よりかは」
 そして哲学書よりだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧