八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百九十六話 八条学園の結界その十三
「ヤクザ映画なんだよね」
「裏切り裏切られてデ」
「普通に殺されていくあるからな」
「もう何でもありだからね」
血生臭い話がだ。
「本当にあれはヤクザ映画みたいだよ」
「日本で言えばそれネ」
「そっちの映画あるな」
「ヤクザ漫画とか小説もあるけれど」
「一番近いのは詠がネ」
「そちらあるな」
「実際にそうした映画あるからね」
日本の映画にはだ。
「仁義なき戦いとか」
「裏切り裏切られデ」
「かなり酷い世界あるか」
「もうそこには任侠とかないから」
本当に仁義なきだ、ヤクザ映画はどれだけお金を積まれても出ないと言っていた吉田義夫さんが頂上作戦で出ていたのはヤクザの汚さを描いていたかららしい。
「本当に生臭い欲望剥き出しでね。革命もね」
「実ハ」
「そうした世界あるな」
「権力とか生き残りを求めて」
あと権益もお金も関わるから余計にだ。
「そんなのだからヤクザ映画と変わらないよ」
「何か三銃士の方がましネ」
「革命より奇麗あるな」
「陰謀とかもあってモ」
「ずっとすっきりしているあるな」
「そうかもね、三銃士は読んでいて楽しいけれど」
本当に訳し方とイラストを考えたらライトノベルだ、実に読みやすい。
「けれど革命の時は違うから。ベルサイユの薔薇の後は」
「オスカルさんが死んだラ」
「その後は。あるな」
「オスカルさんなら絶対に死んでいたし」
ロベスピエール辺りに怒って堂々と本人に間違っていると言い切ってその後で背中をブスリか陥れられてギロチンか。どっちもありそうだ。
「いい世界じゃないね、革命の世界は」
「ナポレオンは皇帝になったけれド」
「そうしたものあるか」
「まあナポレオンも色々やった人だしね」
タレーランはナポレオン程危険な謀略家はいなかったというけれどそれは多分嘘だ、どう考えてもタレーランの方が危険な謀略家だ。
「だから生き残れて皇帝になったけれど」
「革命の中では生きられるかどうカ」
「その時点で危ういあるな」
「そうだね、本当にね」
僕は心から思った、フランス革命より三銃士だ。ルイ十四世の頃から種はあったのしてもこの時代の方が読んだり調べたりするにはずっといいと思った。
僕達はこの時から少し話してそしてだった、二人は食堂に飲みに行って僕は一人読書に励んだ。そうしてこの夜も三銃士を楽しんだ。
第百九十六話 完
2018・7・15
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