| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第15話:進化の光

賢は見事なまでに正確な射撃に感心していた。

「弾着!!」

「戦果報告っ!!」

メイルバードラモンがエネルギー砲の弾着を確認すると叫び、すかさずキリハが結果の確認を取る。

「敵城塞中央上部に命中!!見張り塔と思われる施設を粉砕!!」

「メタルグレイモンとサイバードラモンのデジクロス体、メタルグレイモン+サイバーランチャー、中々の威力と正確さですね…」

「当然だ。次弾装填っ!!」

「感心してる場合じゃないでしょ賢!何いきなり撃っちゃってんのおーっ!!?」

「大輔やネネさんに当たったらどうすんのよ!!」

キリハの隣にいる賢にツッコミを入れつつ、リリモンがキリハに詰め寄り、サンフラウモンはキリハの頭に噛みついた。

因みにタイキ達とは別行動中でシャウトモン、ブイモンとテイルモン、スパロウモン以外のメンバーは此処にいる。

「ぐっ…鬱陶しいぞ観葉植物共!まあ見てろ!本宮大輔と天野ネネはダークナイトモンにとって失うことの出来んカードだ…何があろうと奴はそれを守る!第二射っ、撃ぇっ!!!」

「「きゃああああああっ!!」」

発射時の余波で吹っ飛ぶリリモンとサンフラウモン。

エネルギー砲は凄まじい勢いで中腹部に向かうが当たる直前で四散した。

「ビームが四散した!!中腹部に強力な魔法盾が張られているぞ!!」

「ふん…これで奴らの居所が知れたな…」

「ええ、さあ…ここからが本番です!!」

「ご…強引ぐまいうぇい…」

「ていうか賢、冷静すぎ…!」

転がっているサンフラウモンとリリモンが隣に立っているキリハと賢にツッコミを入れる。

そして城内にいるダークナイトモンも部下のマミーモンに指示を出す。

「ハーピモン、ゴーレモン部隊を出せっ!!オニスモンにも迎撃させろっ!!正面から向かってくるだと…?そんな寡兵で今更何をするつもりかね蒼沼キリハ君…!」

そして城外では、キリハと賢も敵部隊が出て来たのを確認する。

「キリハさん、僕達が道を作ります。ジュエルビーモン!!」

「了解!スパイクバスター!!」

居合いの要領で槍を光速で横薙ぎし、それによって生じた衝撃波で前方の敵が吹き飛ばされた。

「キリハさん、今です!!」

「全部隊突撃開始!!メタルグレイモン!!ドルルモン!!バリスタモン!!デジクロス!!」

「ランページグレイモン!!」

メタルグレイモンがドルルモンとバリスタモンをデジクロスしたことで、より突破力を増した形態でジュエルビーモンと共に突撃する。

「うおおおおお!!」

「グルルオオオオ!!」

先頭のランページグレイモンとジュエルビーモンが咆哮しながら敵を薙ぎ倒す。

「サイバードラモンは上空のオニスモンを牽制しろ!!奴に介入されればこちらの突破力を削がれる!!」

「ギギィッ!!」

キリハの指示を受け、サイバードラモンはオニスモンに突撃する。

「彼我戦力差…11対1と言うところか」

「ふん!大将首を取らん限り、生きては帰れんと言うことだな」

「まあ、ここは敵の拠点ですからそれくらいは想定の範囲内ですが。」

「そういうことだ。ランページグレイモンとジュエルビーモンを先頭に長蛇の陣で突入する!!この軸からはぐれればたちまち敵の大軍に飲まれて命は無いものと思えっ!!」

「「了解!!」」

キリハの言葉に賢とジュエルビーモンが力強く答える。

【了解じゃなーい!!お家に帰りたーーーい!!!】

リリモン達の叫びが戦場に木霊した。

「ランページグレイモン!!僕が援護する、思いっ切り暴れてくれ!!」

「おうよ!!俺はっ…俺はこんなっ…大暴れが大好きだーーーっ!!!!」

ジュエルビーモンの援護を受けながらランページグレイモンは前方の敵を吹き飛ばしていき、城内で戦況を見ていたダスクモンが驚愕している。

「ばっ…馬鹿な!?この戦力差で何故こちらが押されるのだっ!!?」

ダスクモンの後ろでダークナイトモンが冷静に分析する。

「敵の長蛇陣に綺麗に分断されて両翼の大半が全くの死兵だ!当然だな…やれやれ…我が軍の烏合の衆っぷりを露呈してしまった形だが…ま…少々時間を稼ぎさえすればよい…一乗寺賢君がいるならば工藤タイキ君達もいるはず…青の軍とあのブイモン達は強制デジクロスの素材として魅力的である…!!」

「だ…駄目よ、今来ては…!もう間に合わない…!!」

「変だなあ…」

キリハ達の戦いに違和感を感じた大輔が思わず呟く。

「?大輔君…!?」

「今はジュエルビーモンとグレイモンの実力差を活かした連携で有利だけど、城の中に入れば挟み撃ちにされちまう。それをあのキリハさん達が気付かないわけが…」

「儀式を続けるぞ!!さあ、シェイドモンよ!!残りのコードを吸収し、コトネへの憑依を完成させ…」

ダークナイトモンが言い切る前に後方の壁が吹き飛び、スパロウモンとネフェルティモンが突入してきた。

「ネフェルティモン!?スパロウモン!?」

「ヒカリ、いたわ!!大輔よ!!」

「大輔君!!」

「ネネーっ!!」

「大輔!!ネネ!!助けに来たぞ!!」

「てめっ…!何してやがる変態野郎っ!!」

シャウトモンの拳がダークナイトモンの脳天に炸裂し、地面に叩き付けられる。

「(な…っに!!?)」

自分に起きたことが信じられず、目を見開くダークナイトモン。

「よう、大輔。悪かった!!遅くなってさ、ほらD-3X」

「サンキュー、ブイモン……」

ブイモンからD-3Xを受け取ると、ヒカリに向き直り、ヒカリは血は既に止まったが、額の傷を見て辛そうにしている。

「大輔君…その…」

「ごめんなヒカリちゃん」

「え?」

言おうとした言葉を遮られて言われた謝罪の言葉にヒカリは目を見開く。

「ヒカリちゃんが風呂に入っているにしては遅すぎることにもっと気付いてれば良かったんだ。それよりもウェディンモン達と暴れていた時にヒカリちゃんが来ないことにおかしいって気付いてれば…危険な目に遭わせて…ごめん…」

頭を下げる大輔にヒカリは首を横に振って大輔の手を握り締めた。

「大輔君のせいじゃないよ、私が油断しちゃったからだよ」

「でも…ヒカリちゃんは俺のせいで…」

「大輔君」

「っ…」

大輔の言葉を遮るように言うと、ヒカリは笑みを浮かべながら言う。

「…助けてくれて、ありがとう」

その言葉に思わず大輔の目に涙が滲んだが、それを強引に拭うとブイモンに向き直る。

「ブイモン、行くぞ!」

「おう!!」

「マテリアルクロス!デジメンタルアップ!!」

「ブイモンアーマー進化、地上最大の希望!サジタリモン!!」

勇気と友情のマテリアルクロスでサジタリモンにアーマー進化させると、ヒカリと目を合わせる。

「サジタリモン!!」

「ネフェルティモン!!」

「「ダブルクロス!!」」

「サジタリモンSM(スフィンクスモード)!!」

デジクロスによってサジタリモンの下半身がネフェルティモンの物に変わり、より強力な聖なる力と飛行能力を手にした状態になる。

「江東流星斬っ!!ちぇすとおお~っ!!」

ゼンジロウがゼンジロウCSを振るい、鎖を断ち斬る。

「あ…あなたは…!」

「ふっ…!ネネさんのピンチと聞いて馳せ参じました…」

「あ…ありがとう。ええと…ツムリデン次郎君!!」

「ハハハ、こんな時にもユーモアを忘れないなんて流石ネネさん!」

「おーい、ゼンジロウさーん。信じたくない気持ちは分からなくはないですけど今のネネさんは素です素。本気で間違えてますよ名前」

「間違いやすいのよねゼンジロウさん」

「orz…」

「………まあ、元気出せよ」

orzの体勢で崩れ落ちるゼンジロウを流石に哀れに思ったのか、サジタリモンSMがそっと肩に手を置いてやった。

「そうそう、いずれ良いことがあるわよ。」

「「紡ぎ・全自動」」

「剣ゼンジロウだ!!」

サジタリモンとネフェルティモンの間違いにゼンジロウはツッコんだ。

「ネネッ!!」

「スパロウモン!?」

「グッ…ム…!?(い…今のパワーはなんだ…!?不意を突かれたとは言え、この私が…一撃で叩き伏せられるなど…!!)」

「おい、ダークナイトモン…よくもふざけた真似しやがったな…ネネさんの心を踏みにじりやがって!!やれ、サジタリモンSM!!」

「お任せ、メテオネイルクラッシャー!!」

サジタリモンとデジクロスしたことで大幅に強化されたパワーとスピードによって繰り出されたサーベルレオモンの爪をコピーした爪はオリジナルにも匹敵する威力を誇る。

「速…」

回避が間に合わず顔面に受け、仰向けに倒れる。

「スパロウモン!私…私…!!」

「何も言わないでネネ!!ネネの苦しみを分かってあげられなくてごめん…!!もう絶対…ネネのことを1人になんてしないから!!待ってて!!コトネを取り返してくる!!」

スパロウモンはコトネを取り戻すために向かっていく。

「………」

「と…とにかくそういうわけだからっ!」

咳払いしながらネネに歩み寄り、手枷を外すアカリ。

「あんたが一人ぼっちで頑張んないといけなかった理由は分かんなくもないけどさ!もうあの馬鹿やお人好しの大輔君に一切合切バレちゃったんだから…観念して私達のこと頼んなさい!!あんたはもう何があっても1人じゃないんだからねっ!!」

自分を指差しながら言うアカリ。

その言葉に今まで張り詰めていた糸が切れたかのように涙が流れ落ち、ネネはアカリに抱きついた。

「も…もおお~しっかりしてよお~っ!!ちょ…調子狂うじゃないの~!!」

サジタリモンSMが猛攻を仕掛けるが、ダークナイトモンはそれを捌いている。

「サジタリモンとネフェルティモンのデジクロス体なのに!?」

「多分、デジクロス体としての強さはパイルドラモンより少し弱いくらいなんだ…完全体相当のサジタリモンがベースなのに…」

「コトネッ!!」

後少しでスパロウモンはコトネの元に着く。

「ムッ…させん…!!」

それに気付いたダークナイトモンはサジタリモンSMを弾き飛ばし、スパロウモンの前に立ちはだかる。

「どけえーっ!!」

スパロウモンとシャウトモンがダークナイトモンに向かっていく。

一方、城外で暴れまわっているキリハと賢達は。

「ジュエルビーモン!!最後の1体だ!!」

「うおおおお!!」

城門前の最後の1体を殴り飛ばして気絶させると、賢はキリハに報告した。

「キリハさん、城門前の敵を全て撃破しました。」

「うむっ!潜入組から連絡は!?」

「ヒカリさんからメールが来ました。大輔とネネさんは解放出来ましたが、ダークナイトモンの激しい抵抗を受け、ネネさんの妹さんは未だに捕まっ…」

賢が言い切る前に上空が照らされた。

思わず上を見上げると、オニスモンが口から破壊光線であるコズミック・レイをサイバードラモンに放っていた。

サイバードラモンはそれを軽やかにかわすが、光線は凄まじい威力で山をいくつも消し飛ばした。

「ちょ…!!?無茶苦茶強いじゃないあのオニスモンって奴!!」

「じゃが、サイバードラモンとやらも上手くあしらっておる!!適度に攻撃して注意を引きつけ…それでいて無謀な突進は一度も仕掛けとらん!!」

「い…以外にクレバーな奴なの?」

サンフラウモンがサイバードラモンのジェネラルであるキリハに尋ねる。

「ああ見えて並みのデジモンより遥かに高い知能を持っている。思考のシステム自体が我々と大きく異なっているために意志の疎通は困難だがな…」

「意志の疎通が困難だと言うのなら、どうやって仲間にしたんです?スカウトしようにも会話が出来ないんじゃ…」

「奴も俺達同様、強者を求めてデジタルワールドを彷徨っていてな。グレイモンが目をつけられて、まあ、戦いになったわけだ」

「…で、三日三晩2人してどつき合っていたらな?なーんか自然にお互いの言いたいことが分かるようになっとったんだ…」

「ふーん、馬鹿と天才は紙一重ってことかしらねー」

賢の質問にメイルバードラモンとランページグレイモンが答える。

それを聞いたリリモンは失礼なことをサラリと言い放った。

「天野ネネの妹は未だに捕らえられているか…ダークナイトモンめ、必死だな。ならばこのまま突入し、我らの手でダークナイトモンの首を取ってやるまでのこと…!!」

「やるのかキリハ…!!」

「正面から乗り込むの!?大丈夫?こういうのって罠とか待ち伏せとかあるもんじゃないの!?」

「その点は問題ないと思うよ。ランページグレイモンの火力を考えれば」

「火力?……まさか」

「こういうことだ。取って置きの挨拶だ。」

ランページグレイモンが城門に向けて全兵装を展開し、それらを解放した。

「ギガテンペスト!!!」

城門前にいた気絶しているデジモンと待ち伏せしていたデジモン達を吹き飛ばした。

「ごめん下さい…というわけだ。」

「なるほど…これが拠点突撃時の挨拶……勉強になりますよキリハさん」

「賢、お願いだから悪い影響を受けないで…」

サンフラウモンが懇願するように言うと次の瞬間に数体のレアモンが現れた。

「ま…まだ出て来るのぉ!?」

「ふん!数だけはうじゃうじゃと…!!」

突如、ドルルモンとバリスタモンが分離するとそれを見た賢はジュエルビーモンと共に着地した。

「キリハさん達は先に行って下さい!!僕は後続の敵を食い止めつつ、サイバードラモンと共闘してオニスモンを撃破します!!ドルルモンとバリスタモンは後続の敵を食い止めつつ後退するんだ。」

「ど…どうしたのよ!?みんなで一緒に行けばいいじゃない!!」

サンフラウモンの疑問に答えたのはドルルモンである。

「戦場で一番怖いのはな、敵に包囲されることなんだ。支援もない状態で四方八方から攻撃を受ければどんな強者でも耐えられん!!ダークナイトモンとの決戦には1体でも強力な戦力が必要だ。大輔達と合流した時に邪魔になる敵兵を1人でも減らさんといかん!!この狭い城内は足止めにはピッタリなんだ!!」

「それにオニスモンを撃破すれば奴は逃げるための手段を失い、戦力も大幅にダウンする。確実にダークナイトモンを追い詰め、倒すにはこちらも多少のリスクを負わなくてはね」

ドルルモンと賢の言葉を聞いたキリハは伊達にドルルモンがタクティモンの片腕と呼ばれていないことを、賢が大輔のデジクロスパートナーであることを再認識する。

「(あのタクティモンに片腕と呼ばせ、本宮大輔の相方なだけのことはあるか…!)フッ…精々奮戦するがいい…!!生き残れたなら我が部下に迎えてやらんでもないぞ!?」

「ごめんだね!お前さんの指揮はピリピリして肩が凝りそうだぜ!!」

「今は大輔の相方で満足していますので、僕も遠慮します!!(大輔は僕を救ってくれた…今度は僕が大輔を助ける番だ!!)」

「スパイクバスター!!」

即座にジュエルビーモンは槍を横薙ぎに振るい、前方の敵を一掃する。

「バリスタモン!!ドルルモン!!デジクロス!!」

「バリスタモンSR!!シクステッド・ストーム!!」

賢がバリスタモンとドルルモンをデジクロスさせ、バリスタモンSRの一斉掃射で入り込む敵を薙ぎ倒す。

「賢!!ココハ俺達ニ任セテ、ジュエルビーモンハ、オニスモンヲ!!」

「分かった!!」

オニスモンの元に突撃するジュエルビーモン。

ジュエルビーモンの接近に気付いたオニスモンが光線を放ってくるが、それをかわしながら槍で一閃する。

オニスモンの体に僅かな傷を刻んだ。

「やっぱりそう簡単には倒せないか」

賢は知らないが、オニスモンは賢達の世界では究極体に分類されるデジモン。

賢はタクティモン以来となる格上との戦いに身を投じることとなった。

「スパイクバスター!!」

槍を光速で突き出し貫通力の高い衝撃波を繰り出すが、オニスモンの体に僅かな傷がつくだけ、オニスモンはジュエルビーモンに光線を放とうとする。

「さて…ジュエルビーモンの攻撃じゃ、奴の体に僅かなダメージしか与えられない……体…?そうだ…ジュエルビーモン!奴が光線を放った直後に、奴の体内に!!」

「分かった!!」

オニスモンが必殺技を放つ。

ジュエルビーモンはギリギリで回避して、口からオニスモンの体内に侵入した。

「はああああ!!」

ジュエルビーモンはオニスモンの体内で何度も拳を繰り出し、苦痛のあまりオニスモンが悲鳴を上げる。

「流石の伝説のデジモンも、体の内側はどうしようもない!!行け、ジュエルビーモン!!」

「スパイクバスター!!」

体内で槍を光速で突き出し、それによって生じた衝撃波でオニスモンの背が内側から吹き飛ぶ。

背が吹き飛んだオニスモンは絶命し、落下していく。

オニスモンを撃破した賢はヒカリにメールを送り、そしてヒカリは自身のD-ターミナルにメールが来たことに気付き、確認する。

「みんな!!賢君とジュエルビーモンがオニスモンを倒したわ!!」

「何だと!?出鱈目を言うな!!オニスモンがそう簡単に…」

城の外を見遣ったダークナイトモンが見た物は、背が吹き飛び、絶命して落下していくオニスモンの姿。

「馬鹿…な…!?」

「俺達の力を甘く見たな紳士さん!!メテオネイルクラッシャー!!」

「ラウディロッカー!!」

サジタリモンSMとシャウトモンがダークナイトモンを殴り飛ばす。

「(どっ…どういうことだっ…!!?サジタリモンはともかく、シャウトモンは単体ではバグラ軍の地方司令官にすら敵わないレベルのデジモンのはず…そんな奴が…何故私にこれほどのダメージをっ…!?そ…それに…奴の体から溢れ出している金粉のような光の粒は何だ…!!?本当にあれは“シャウトモン”というデジモンなのか…!!?)」

「大輔君、あれは!?」

「ヒカリちゃんにも見えるか!?あれは進化の光だ!!シャウトモンは進化しようとしてるんだよ!!」

「進化…そうか、強い決意があいつを変えようとしている…!今までのシャウトモン以上の何かに…進化しようとしているんだ!!」

「馬鹿なことを言うな!!一度ある姿に生まれついたデジモンがその性質を大きく変えることはない!!皆、その分を守り、限られた可能性の中で死んでいく…それがデジモンと言うものだっ!!」

タイキ達の言葉をダスクモンが否定し、タイキ達に突っ込んでいく。

ダスクモンの剣をゼンジロウが弾いてくれた。

「そんな風に決めつけなくたっていいだろ!!」

「ゼンジロウ!!」

「人間だってデジモンだって…強くなろうと頑張ってりゃ変わることがあってもいいじゃないか!!」

「その通り!!」

「ギギィ!!」

「ガッ!!?」

賢と退化したワームモンを乗せたサイバードラモンがダスクモンを蹴り飛ばす。

「賢、やったな!!」

「ふふ、まあね…サイバードラモンはダスクモンの相手を頼めるかい!!?」

「ギィ!!」

起き上がり、再び向かってこようとするダスクモンをサイバードラモンが迎撃する。

シャウトモンがダークナイトモンを蹴り飛ばし、スパロウモンはコトネの元に。

「コトネッ!!もう大丈夫だからねっ!みんなで一緒にこんな所から早く出よ…」

「スパロウモン!!後ろ…ぐはっ!?」

サジタリモンSMがスパロウモンの後ろに現れたデジモンに気付き、叫ぶがダークナイトモンに弾き飛ばされた。

「えっ…!?きゃんっ!!」

デジモンはスパロウモンを弾き飛ばす。

「ツワーモンか…!?」

「ネネさん、何だよあのデジモンは!?」

「し…知らないわ!あんなデジモンが配下にいたなんて…!!」

「Hey殿下!!だらしないネ!!」

ツワーモンと呼ばれたデジモンはダークナイトモンに愛用の槍を投げ渡す。

「応!!ネネの監視にお前の存在を伏せておいたのがここで役に立つとはな…!」

今まで使っていた武器を口で咥え、愛用の槍を受け取る。

「(そうだっ…このような雑魚にかかずらって立ち止まっておるわけにはいかぬ…!!)トリーズン・ヴォーテクス!!」

ダークナイトモンの周囲から闇の波動が噴き出し、シャウトモン達を弾き飛ばす。

「うわあああ!?」

「がっ!!ぐがあっ!!?」

「ぐあああああ!!!」

石版に叩きつけられたシャウトモンを右肩のブレードで抑え、スパロウモンを槍でもう1つの石版に叩きつけた。

「スパロウモン!!」

「シェイドモン、コトネを確保しろっ!!残りのクロス・コードは後で吸収すればいいっ!!青の軍と奴らを迎え撃つために今は早急に強制デジクロスの力が必要なのだっ!!」

オニスモンが撃破された今、サジタリモンSM達とまともに戦える存在はダークナイトモンのみ、このままでは数に押され、敗北してしまう。

ダークナイトモンの命令に従い、シェイドモンはコトネの元に向かう。

「だっ…駄目え!!コトネーーーッ!!!」

ネネが駆け出した次の瞬間、壁が吹き飛んでメタルグレイモンが現れた。

「キリハさん!!?」

「奴だ!!引き裂けぇ!!」

メタルグレイモンがシェイドモンをトライデントアームで引き裂こうとするが…。

「ヌウウオオオオオ!!!」

ダークナイトモンがメタルグレイモンに体当たりを喰らわせ、妨害した。

「ぐあっ!!」

「キリハ君!!?」

キリハはそれによって地面に落下し、メタルグレイモンは地面に叩きつけられた。

「チェックメイトだ!!闇の勝利だっ!!行けぇ、シェイドモン!!」

「ギイィ!!」

「くそ、間に合わねえ!!」

大輔達が走り出すが、とてもではないが間に合わない。

その時、ネネは自分のXローダーが反応していることに気付く。

「(まさかっ…!?)しっ…シェイドモン!!天野ネネ!!強制デジクロス!!!」

「ネネさん、何を!?」

それを聞いた大輔達が驚愕する。

「なあっ…!?馬鹿な!何を血迷ったことを…!!!」

ネネとシェイドモンに異変が起きた。

人間とデジモンのデジクロスが…始まったのである。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧