レーヴァティン
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第八十五話 護民官その七
「後はな」
「さらにですね」
「ローマからどんどん攻めていってな」
「島の統一ですね」
「そうしていこうな、ローマの周辺を手に入れて」
そうしてというのだ。
「そこからどんどんな」
「勢力を拡大していき」
「島を統一するぜ」
久志は夕子に自分のこの考えを話した。
「その次の一歩がな」
「今の選挙ですね」
「ああ、やってくぜ」
まさにと言ってだ、実際にだった。
久志は選挙戦を進めていった、彼等の世界の選挙戦術をそのまま踏襲し自分の名前を政策を主張していった。
その中でだ、彼は確かな手応えを感じつつ仲間達に言った。
「政策の評価が高いな」
「そうね、あんたの掲げてるね」
双葉は久志にこう答えた、一同は今は夜なので拠点にしている久志の屋敷で酒を楽しんでいる。肴はソーセージとクラッカーそれにチーズだ。
「政策の評価が高いわね」
「ギルドの利益を保護してな」
「雇用の確保、常備軍にね」
「税制の軽減な」
「ちょっとローマの今の税率は」
「高いな、特に平民階級にな」
これが久志達の見たところだった。
「これだとな」
「平民の人達が疲弊するから」
「道理で商業が賑わっていてもな」
「お金の周りが今一つな筈ね」
「ちょっと街の収入を税収にな」
それの平民階級からのだ。
「頼り過ぎだな、もっと商業を回して」
「そうしてね」
「やっていった方がいいからな」
「だから平民階級については」
「ああ、税制を軽減してな。後な」
久志はさらに話した。
「もっとな」
「公共事業もね」
「しないとな、結構裏通りとかがな」
そうしたところを見るとだったのだ。
「荒れてるからな」
「そこも整理して」
「トイレだってな」
ここで言うトイレは公共トイレである。
「もっとな」
「増やすべきね」
「ああ」
こう言うのだった。
「そこで人も雇って」
「工事の人夫として」
「そうして街を整えて雇用も確保して」
「お金も動かす」
「そうしていくってのがな」
「私達の政策だけれど」
「これもな」
久志は考える顔のまま述べた。
「こっちの世界じゃな」
「あまりないというか」
「やってないな」
「ケインズの政策は」
良太が言ってきた。
「中世ではないので」
「その発想自体がか」
「この世界は中世の欧州と似ている様で違いますが」
「そうした経済学はないか」
「はい、ですから」
久志が言う公共事業を行いインフラを整えると共に雇用を経済を活発化させるという政策はというのだ。
「これはです」
「かなり斬新だって思われてか」
「注目もされその細部を検証されて」
「そのうえで好評か」
「そうかと」
良太は久志に話した。
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