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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十五話 カップリングその六

「実は」
「そうなノ」
「そう、特にある」
「ストレス溜まって死なないノ」
「そうみたいあるよ」
「そこまで弱くないノ」
「そう聞いているあるが」
 僕はこの辺りのことはよく知らない、本当に兎がストレスで死ぬかどうかは。小動物はそれで死ぬというけれどだ。
「どうあるかな」
「ううん、そうなノ」
「ストレスで死んでたら野生ではどうなるあるか」
「そういえば」
「ノウサギはいつも狙われているある」
 森の獣達にだ、狐や狼といった獣達にとっては格好の標的だ。
 しかしだ、それでもなのだ。
「それでストレスで死んでいてはある」
「やっていられないネ」
「そうではないあるか」
「ペットの兎は違うとカ」
「そうあるか?」
「ペットの兎とノウサギは違うんじゃないかしラ」
「どうあるかな」
 何か水蓮さんの方がわからなくなってきていた、本当にこの辺りはよくわからなかった。それでだった。
 二人は暫く兎について話していたけれど結論は出なかった。それで話が止まったところで僕は二人に言った。
「二人共兎も好きなんだ」
「可愛いからネ」
「さっき言った通りあるよ」 
 二人もこう答えてくれた。
「好きある」
「飼いたいと思う時あるヨ」
「確かに可愛いね、兎も」
 実は僕も好きだ、兎は。
「この学園でも初等部とかで飼ってるしね」
「あっ、小学校ネ」
「あそこでもあるな」
「世話係とか決めてね、皆から愛されてるよ。ただね」
「ただっていうト」
「どうしたあるか」
「いや、初等部の兎小屋に」
 その兔達がいる場所にだ。
「実は怪談話あるんだよね」
「それこの学園の常ネ」
「兎小屋にも、あるな」
「そう、あそこにもあって」
 僕も小学校の時に聞いて知っている話だ。
「数えたら一匹多いとかね」
「そうした話があるノ」
「一匹多いあるか」
「それでその一匹がね」
 多いその兎はというと。
「すねこすりっていう妖怪らしいんだ」
「すねこすりっていうとあノ」
「足元にまとわりつく妖怪あるか」
「日本の妖怪の一つね」
「さっきお話に出たスコティッシュフォールドみたいな姿だったあるな」
「あっ、外見似てるね」
 すねこすりの絵もある、その絵と垂れ耳のスコティッシュフォールドは確かに似ている。その頃まだこの猫はいなかったので偶然の一致だと思うにしても。
「そういえば」
「そうあるな」
「言われてみればそうネ」
「うん、スコティッシュフォールドに似てるけれど」
 そのすねこすりはだ。
「兎小屋の中にいるらしいんだ」
「それでこかせるとカ」
「そうした話あるか」
「よくさ、馬鹿がいるよね」
 僕はここで二人に眉を顰めさせて話した。
「小さな生きものいじめて楽しむ奴」
「ああ、いるネ」
「そうした馬鹿は何処にでもいるあるな」
「こうした馬鹿を懲らしめる為にね」
 あくまで噂だ、僕が聞いた。 
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