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永遠の謎

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666部分:エピローグ 至高の救いその四


エピローグ 至高の救いその四

 城だ。そしてその中に青があり金がある。どの部屋も美麗でしかも清らかだった。
 その部屋も見つつだ。王は言うのだった。
「私が思い描いていた通りだな」
「それも当然です」
 今は王の少し後ろにいる騎士がだ。王に答える。
「この城は陛下が主になられるべき城なのですから」
「そうだな。だからこそだな」
「はい、ですから」
「この城は私そのものなのだ」
 そこにまで至るというのだ。
「だから。この城はだ」
「はい、陛下の思い描かれるものになるのです」
「ではこの城において」
「これよりお願いします」
「その場所のことはわかっている」
 それはだ。もうだというのだ。
「ではそこに行こう」
「既に皆待っています」
 この城にいるのは王と騎士だけではないというのだ。
「陛下に仕える彼等が」
「王は仕える者がいて王となる」
 王だからこそだ。誰よりもわかっていることだった。
「だからこそだな」
「その通りです。それではです」
「彼等とも会おう」
「そして即位の儀式を」
「あの二つもあるのだな」
 王は前を見ながら騎士に問うた。
「私が持つべきあの二つのものが」
「無論です」
「そうだな。あれがなければな」
「この城がある意味がありません」
 騎士も言うのだった、
「あの二つのものを守護する城なのですから」
「だからこそ城の名にもなった」
 王は今度はその城の名も口にした。
「聖杯城、そのままな」
「それがこのモンサルヴァートです」
 騎士もだ。城の名を言葉に出した。
「陛下のおられるべき城です」
「そうだ。ではあの二つを手にしてだ」
「陛下は玉座に座られます」
「私が座るべき。定められた玉座」
 王はまた言った。
「儀式を行いそのうえで」
「お座り下さい」
 こう騎士と話した。そしてだった。
 王は廊下を歩き終え広間に出た。そこは城の中にある吹き抜けの部屋だった。
 一階に騎士達が円形にだ。中央を囲んで集っている。そして二階にも。
 三階にもいる。四階にもだ。天界に続く。白い光が差し込むその吹き抜けの広間の中央はだ。一段高くなりそこに白銀の壇があった。そしてその上にだ。
 白く神秘的な輝きを放つ杯があった。その古の杯こそが。
「遂に私はあの杯を見た」
「あれこそがです」
「わかっている。聖杯だな」
「はい」
 その通りだとだ。騎士は王に一礼して述べた。
 そしてだ。その王の傍にだ。
 一人の老騎士が歩み寄って来た。そのうえでだ。
 頭を下げたうえで王にあるものを両手で差し出した。それは。
 槍だった。巨大な刃を持つやはり白銀に輝く槍だった。その槍をだ。
 王は手に取った。そのうえで右手に持った。そしてだ。
 老騎士に顔を向けてだ。こう問うたのである。
「卿がだな」
「私のことを御存知でしたか」
「グルネマンツだな」
 この名をだ。彼に問うたのである。
 
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