戦国異伝供書
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第二十三話 東国入りその十三
「やはり一番大事なのはじゃ」
「伊達家ですな」
「あの家が向かってきますから」
「だからですな」
「ここは」
「そうじゃ、攻めてじゃ」
そのうえでというのだ。
「勝つぞ」
「はい、それでは」
「すぐに大軍を率いてですな」
「奥羽に向かいますな」
「いや、大軍を率いることも考えたが」
それでもと言う信長だった。
「兵達も疲れておるな」
「はい、都の乱を収め本願寺を降し」
「西は毛利を降してです」
「東では武田、上杉、そして北条でした」
「多くの戦を経て長く歩いてきました」
それでとだ、家臣達も述べた。
「疲れが溜まっていることは事実」
「そのことは否定出来ませぬ」
「多くの兵がこれで終わったと思っています」
「ここでさらに動けるか」
「そうなりますと」
「そうじゃ、だからまだ動けて元気のある兵だけでじゃ」
そうした者達を集めてというのだ。
「そのうえでな」
「伊達家との戦に入りますか」
「ここは」
「そうされますか」
「そうじゃ、お主達には来てもらう」
主な家臣達にはというのだ。
「そしてじゃ」
「伊達家を破りますか」
「あの独眼龍を」
「そうしますか」
「そうする、では行くぞ」
こうしてだった、信長は主な家臣達とまだ士気の高い精兵達だけを率いてそのうえで今度は奥羽に向かった。そのうえで伊達家と戦うのだった。
第二十三話 完
2018・10・23
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