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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十三話 アフリカの話その十五

「涼しくなってきましたね」
「そうですね、お風呂から出ましても」
「暑さを感じるのがましになって」
「過ごしやすくなってきましたね」
「そうなってきました」
 実感としてこのことがあった。
「本当に」
「あと少しで本格的な秋ですね」
「彼岸にもなりますしね」
 暑さ寒さも彼岸までという、寒さの場合は関西では東大寺のお水取りまで続くと言われている。
「彼岸を過ぎたら」
「もう完全に秋ですね」
「そうですね、いよいよ秋ですね」
「実りの秋ですね」
「はい」
 僕は小野さんの今の言葉にも頷いた。
「そうですよね」
「ですから私もです」
「シェフだからですか」
「はい、腕が鳴ります」
 笑って僕に話してくれた。
「これからのことを思いますと」
「やっぱりそうですか」
「海の幸も山の幸もありますから」
「本当に豊富ですよね」
「特にです」
 小野さんは僕に笑って話してくれた。
「松茸がありますので」
「あれですか」
「松茸もいいですよね」
「はい、ただあれは」
「匂いがですね」
「結構外国の人には不評ですが」
「そこは料理次第です、一度出したいので」
 松茸を使った料理もというのだ。
「楽しみにしておいて下さい」
「わかりました」
 僕は小野さんに答えた、そしてだった。
 僕達はお風呂から出た、そうしてだった。
 僕は小野さんに食堂でワインを三本そしてナッツやチーズも頂いてから自分の部屋で飲みつつ読んだ、十二時になるまで読んでそうして眠りに入ったがその時はもうワインは三本共空けてしまっていた。


第百九十三話   完


                   2018・6・23 
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