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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十二話 芥川の作品その十一

「よく言われているけれど」
「うん、毒の塊とも言われているよね」
「よくね」
「けれどこれ位はね」
 流石にと思う。
「いいんじゃないかな」
「麻薬と違って」
「うん、麻薬と煙草の違いは然程じゃないともいうけれど」
 そしてお酒ともだ。
「それでもね」
「煙草はなのね」
「まだいいんじゃないかな」
「そうなのね」
「結構色々な作家さんが吸ってたし」
 太宰のゴールデンバットもだけれど芥川も一日百本は吸っていたらしい、二人共結核を患っていたが肺にいい筈がない。
「三島由紀夫だってね」
「あの人も吸ってたの」
「そうでしたか」
「写真に残ってるよ」
 その煙草を吸う場面がだ。
「流石にスポーツ選手で吸う人は少ないみたいだけれど。歌手でもいるし」
「喉には駄目でしょ」
「けれどオペラ歌手でもいたよ」
「いや、喉に悪いし体力も減るし」
 美沙さんはオペラ歌手が長時間舞台で演じつつ歌うので体力を相当に使うことから僕に言ってきた。
「絶対に駄目でしょ」
「それでもいたよ」
「そうなの」
「パヴァロッティも長い間吸ってたらしいし」
「あの人もなの」
「うん、そうだよ」
 マリア=カラスのライバルと言われたソプラノ歌手レナータ=テバルディも長い間吸うことを止められなかったらしい。
「そうした人もいたよ」
「そうだったの」
「中にはヘビースモーカーでお酒は飲む、夜遅くまでどんちゃん騒ぎはするとかね」
「そんなオペラ歌手の人もいたの」
「それも凄い歌手だったんだよ」
 テバルディとも共演していてカラスとも噂があったテノール歌手ジュゼッペ=ディ=ステーファノだ。
「大人気のね」
「オペラ歌手なのに煙草かなり吸っていて」
「流石に全盛期は短かったらしいけれど」
「それは当然でしょ、煙草は身体に悪いから」
「オペラ歌手で吸っていたらね」
「というか歌手やスポーツ選手は」
 それこそと言う美沙だんだった。
「吸わない方がいいでしょ」
「体力が落ちるからね」
「どうしてもね」
「それはそうだよね」
「桑田さんは絶対に吸わないんでしょ?」
 美沙さんは元巨人のこの人の名前を出してきた。
「そうでしょ」
「そうらしいね」
「そこまでしてこそね」
 まさにというのだ。
「スポーツ選手でしょ」
「そう言われているけれどね」
「それでもなの」
「吸う人もいるから」
 スポーツ選手でもだ。
「だから煙草はね」
「麻薬みたいに絶対とはなの」
「僕は言えないよ」
 どうにもだ。
「そこまではね」
「そうなのね」
「麻薬は本当に論外だよ」
 身体と心への害が洒落になっていない、だから僕もこう言う。
 けれどだ、煙草についてはだ。
「まだ麻薬程酷くはないと思うから」
「だからなのね」
「まだいいと言われるのですね」
「吸うのはその人の考えでいいんじゃないから」
 煙草についてはだ。
「吸う吸わないわ」
「義和としてはそうなの」
「煙草については」
「うん、子供の頃パイプ吹かすのを見て」
 シャーロック=ホームズなりがだ、あと時代劇で煙管を吸う場面も結構いいものだと思って観ていた。
「恰好いいと思ってたしね、今の巻き煙草も」
「吸う場面がなの」
「恰好いいとですか」
「映画とかで観てるとね」
 今の映画でそういう場面はかなり減ったけれどだ。 
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