老ガンマンへの心遣い
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第五章
「マックウィーンさん死ぬで」
「生き返られるにしても痛い思いするしな」
「ほんまにドラゴンおったらな」
「全力で倒す」
「そうしよな」
このことを兄妹で誓いつつだった、三人は山に向かった。
その途中何度かモンスターが出た、佐藤兄妹はその都度双子ならではの見事な連携で敵を倒していたがマックウィーンもだった。
拳銃やライフルを出してだった、驚くべき速さと正確さでモンスターの急所を一発で撃ち抜いて倒していた。
ゴブリンの山賊の額を撃ち抜いたのを見てだ、佐藤は彼に言った。
「今の一撃でや」
「どうじゃ、わしの腕は」
「見事や、稲妻の様に抜いてや」
ここでは拳銃を出して戦っていた。
「しかも狙いは外さん」
「わしは百発百中じゃ」
「自分でそう言うだけにやな」
「自信がある、確かにわしは老いぼれじゃ」
自分でもだ、マックウィーンは言った。
「しかしじゃ」
「それでも腕はか」
「毎日鍛えておるのじゃ、だからドラゴンもじゃ」
「拳銃でか」
「急所を撃ち抜いてじゃ」
そのうえでというのだ。
「退治してくれるわ」
「そうするか、ほなな」
「行くぞ、山に」
「そうしよな」
「けど爺ちゃん一人やとな」
香菜も言ってきた、香菜はゴブリンの山賊が変化した金を下馬して拾ったのだ。山賊はゴブリンのもの以外にも十人程いたが全て倒してその変わった金を拾ったのだ。
「ドラゴンやとな」
「うむ、頼りにしておるからのう」
「任せてな」
「今の戦闘でもそうしておるぞ」
「そういうことでな」
「さて、ドラゴンは山の頂上にある洞窟におるという」
老人はこのことも話した。
「ではな」
「洞窟に三人で入ってな」
「ドラゴン退治じゃ」
マックウィーンは今も意気軒高だった、そしてだった。
二人を山に入ってからも案内していった、山の中に入るとキマイラやグリフォンといった強力なモンスター達が出て来たが。
その彼等もだ、三人で倒していってだった。遂に頂上に着くと。
洞窟があったので馬達を入り口に置いて彼等の周りに結界を張って安全を確保してから洞窟の中に入った。
するとだ、すぐにだった。
武装したスケルトンの兵士達が出て来た、だが。
その彼等を見てだ、佐藤はすぐに行った。
「スパルトイやな」
「そやな、スケルトンやないわ」
香菜もすぐに言った。
「この連中は」
「スケルトンは種族や」
この世界でそうなっている、それで言うのだった。
「人で実は透けてるだけで肉体もある」
「そうやけどこの連中はな」
「ガチの骨や、しかもや」
「ドラゴンの骨で出来てるな」
「多分ドラゴンの歯から出て来た」
「スパルトイや」
その者達だというのだ。
「ここにおるドラゴンが出したな」
「間違いなくそうやな」
「よし、これこそじゃ」
まさにとだ、マックウィーンはスパルトイ達を見てそのうえで小躍りせんばかりになって二人に言った。
「ここにドラゴンがおる証じゃ」
「スパルトイが出て来たからな」
「そうじゃ」
ガンマンの服と帽子、それに拳銃で武装している彼等を前にしての言葉だ。
「この連中を倒してじゃ」
「先にいるドラゴンを倒すな」
「そうするぞ、この様な連中はじゃ」
ここでもだった、マックウィーンは拳銃を出した。出した動きが目には見えないまでの速さでそうした。
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