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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十話 翌朝に話したことその十五

「巻き添えもね」
「普通だったんだね」
「十字軍なんかそうじゃない」
「ああ、アルビジョワ十字軍だね」
「南フランスのね」 
 これもアルトネ君の国のことだ。
「あそこは元々フランスじゃなかったけれど」
「あの戦争でフランスになったんだよね」
「その時物凄い数の人が犠牲になったけれど」
「百万位だよね」
 歴史の授業で先生が言って驚いた、当時のフランスの人口が一千万いるかどうかわからないのに南フランスだけでそこまで犠牲になったのだ。
「確か」
「正確な数字はわからないけれどね」
「それだけの人が殺されたんだ」
「もう異端とされた人達だけじゃなくてね」
 本来はカタリ派だけを攻める為の十字軍だったのにだ。
「それこそね」
「カトリックの人でもだったね」
「皆殺せばいいって言ってね」
 よりによってバチカンから派遣された司祭が十字軍の指揮官に言ったのだ、もうそこには狂気さえ感じる。
「神があの世で見分けるからって」
「つまり誰でもだよね」
「そう、殺せばいいってなって」
「実際に殺して」
「百万も死んだから」
 それでというのだ。
「欧州の戦争は日本みたいにはいかないよ」
「徹底的に殺し合うんだね」
「相手も死にもの狂いになるからね」
 どうせ殺される、降伏が許されないならだ。それならば相手も徹底的に殺しにかかってくるのは当然の流れだ。
「だからね」
「当時のフランスはなんだ」
「凄い状況になったんだ」
「それがあの虐殺で」
「ユグノー戦争だったんだ」
「戦国時代より血生臭かったんだね」
「その元を作ってしまった人なんだよね」
 カトリーヌ=ド=メディチという人はだ。
「ノストラダムスではちらっと出て来るだけだけれど」
「そんなに重要な人なんだよね」
「うん、だからね」
「ノストラダムスよりも」
「この人の方が歴史的に重要だよ」
「そうだよね」
「これ欧州の他の国でもそうだし」
 欧州全土に知れ渡り影響を及ぼした事件であり内戦だからだ、当然イングランドや神聖ローマ帝国、スペイン、オランダ等の国々も反応を示した。
「よくも悪くもね」
「有名人だね」
「ちなみに夫婦仲は悪かったみたいだけれど」
「王様がずっと愛人に夢中で」
「ディアヌ=ド=ポワティエにね」 
 この人も歴史的に有名な人だ。
「二十歳年上のね」
「二十歳差って凄いよね」
「全然老け込まない人だったらしいね」
「そうみたいだね」
「それでその人に夢中で」
「奥さんの方を振り向かなくて」
 そのカトリーヌ=ド=メディチをだ。
「夫婦仲は」
「悪かったみたいだよ」
「そのことも日本ではね」
 とにかくノストラダムスがメジャーでだ。
「知られていないんだよね」
「王様が予言通りに死んだことは有名でも」
「そうなんだよね」
 王妃様や愛人の人やその後のフランス情勢のことはだ。
「考えてみたらノストラダムスはどうしてフランスのこと予言しなかったのかな」
「サン=バルテルミーの虐殺とかユグノー戦争とか」
「その後で王朝途絶えたしね」
 ヴァロワ朝が途絶えてブルボン朝になった、その三銃士とベルサイユの薔薇の王朝だ。 
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