異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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攻撃に向かう
俺の予測。
ルーシーが自慢していた“予知”を引き起こすこの世界のシステム。
それに介入したのだと俺は思ったがそこでルーシーが俺に、
「ユウスケ、予知ではなく、“預言”って言って欲しいの」
「……何が違うんだ? 同じような物じゃないのか?」
「予知は、時空間に作用して“未来”を見るもっと強力で危険な禁忌魔法に分類されるの」
「そうなのか~」
「そうそう、確かに時空間系の魔法で過去干渉や未来干渉の魔法もあるにはあるけれど、それには幾つもの複雑な条件があって……」
「ちなみにその話は長くなりそうなのか?」
「と、いうわけで“預言”は女神であるわ……が、直接その能力をある一定の割合で存在するように授けているから、“(女神が)預ける言葉”になるの」
そういうが俺としては、
「この世界の事象によるデータに基づく予測なら、“予言”とか“予知”の方がいいんじゃないのか?」
「う、で、でもこれは女神が与えた能力なの! これを作った時、『またすごいものを私は作ってしまった』と思ったものです……ではなく」
そこまでの会話は全部他の人に聞こえないように小声で行われていた。
そしてルーシーのこだわりについても分かったのはいいとして、
「時間関係の魔法は後で調べてみよう。面白そうだし。それで、そのルーシーの作ったシステムに介入しているのか? 今回の敵は」
「は! そ、そうだった。そ、そんな事はないと思いたいけれど、それをした方が確実に私たちの……」
「というか、未来干渉だか何だかで未来を見ていたってオチだったりしないよな」
「……特殊能力には確かにそういったものもあるし、ユウスケならそれらはできるでしょうけれど……かなり珍しい能力。それを敵も持っている? ……いえそれはないわ」
そこで思索しながらルーシーがないと断言した。
俺の方を珍しくまじめな顔をしてみている。
どうしたのだろうと思っていると、
「未来予知の能力があるなら、ユウスケをこんな近くまで誘い込むことにはならないと思う。だから知らないと思う」
「なるほど。……俺ってそんな危険人物なのか?」
「だってすごく強いもの。私が自信を持っておすすめできる“異世界人”です」
「それは喜ぶところなのだろうか?」
「よろこんで~、というわけで解析完了。予言にかかわるシステムの機能について調査してみたのだけれど……それでね、変なものも見つけてしまったかも」
そう言ってルーシーが見せてきたのは、宙に浮くように結界らしい魔法に封じ込められた黒い砂粒のようなものだった。
だが俺はこれを見て直感的に理解した。
「これ、俺が昼間襲われたあの人物から感じたものと同じものな気がする」
「……あたりかな。ということは私のネットワークに介入されたってことか。……とはいえそれを調べるのはこれから後ね。わかったところでどうにもならないし」
そうルーシーがため息をついた所で俺は気づいた。
「なあルーシー、さっきルーシーは未来予知で知っているなら俺への攻撃がないのはおかしいって言っていたが、このシステムに介入したなら、俺がここに来るのが分かっていたんじゃないのか? キャサリンだって知っていたし」
「それは、どういう意味?」
「敵は“不完全”な情報しか、介入して得られていない」
そう、推測を口にした瞬間、ルーシーが楽しそうに笑った。
「なるほど……とはいえ、そのうち保護を強化して介入できないようにしてやる。そして、私の自慢のシステムの信頼性を損ねた敵には、報復してやる……」
ルーシーが怖いことを呟いていたが、とりあえず俺はルーシーが女神な事は適当に誤魔化して、敵が知っている情報は、俺への攻撃がないのを考えると不完全なのではといった話をするとアイル神官長は少し笑顔を取り戻し、
「そうですか、まだ戦えるかもしれないのですね。……行きましょう」
そう言って、アイル神官長達は歩きだし、俺達もそれについていく。
やがて道なき道を進み、森の中で何者かが集まっている小さな広場のような場所にたどり着いたのだった。
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