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オズのエリカ

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第十二幕その十

「こうしてね」
「イルミネーションで国を飾って花火をどんどん打ち上げて」
 お空には花火が打ち上げられています、次々と打ち上げられて夜空に大輪のお花を咲かせています。
「そうしてね」
「楽しむんだね」
「そうするわ」
 まさにと言うのでした。
「これからもね、後ね」
「今度は何かな」
「一つ思うことは」
 それはといいますと。
「この湖と森にね」
「イルミネーションがないとか」
「そう思ったけれど」
「じゃあそちらにもイルミネーション飾る?」
 ドロシーがエリカに提案しました。
「そうする?」
「そうね、けれど」
「けれど?」
「お国をイルミネーション、夜空は花火で飾ったのよ」
「それならなの」
「そう、別のもので飾りたいと思ったけれど」
 その様にというのです。
「今ね」
「別のものね」
「何かないかしら」
「その心配は無用よ」
 ここで、でした。オズマはすき焼きを食べつつエリカに笑顔で言いました。
「それも全くね」
「あら、今は私が心配していたのかしら」
「心配というより願いね」
 そちらになるというのです。
「この場合は」
「そうなのね」
「ええ、それでね」
 あらためてお話するオズマでした。
「湖も森も別にね」
「飾ることで考えることはないの」
「ついでに言うと畑の上もね」
 そちらもというのです。
「全く考えることはないわよ」
「というとどうなるのかしら」
「ほら、見て」 
 オズマはまずは湖の方を指し示しました、するとそこには蛍達がいました。
 蛍達は湖の上を飛んでいます、そして彼等は森にも畑の上にも飛んでいてその辺りも照らしています。
 その風景を見てです、エリカは思わずこう言いました。
「お国の外はね」
「蛍達が飾ってくれているでしょ」
「ええ、凄く素敵よ」
 こうオズマに言いました。
「本当にね」
「そうでしょ。だからね」
「考える必要なかったのね」
「ええ、ただ貴女は蛍のことは」
「知らなかったわ」
 そうだったというのです。
「今までね」
「そうだったのね」
「湖に蛍がいるなんて」
 しみじみとして言ったエリカでした。
「そこまではね」
「思わなかったのね」
「見たのははじめてだし」
 エリカはオズマにこうも言いました。
「夜はずっと寝ていたし」
「そうだったの」
「そう、私は基本日中に起きてるでしょ」
「そうね、それで夜はね」
「基本寝ているでしょ」
「貴女は夜に寝る猫よね」
「皆が寝てるし」
 オズの国の皆がそうしているからだというのです。
「それでね」
「貴女も寝て」
「夜はそうして楽しむ様にしているから」
 だからだというのです。
「蛍のことも知らなかったわ」
「そうだったのね」
「いや、これからは夜も起きておくべきかしら」
「そこまでは思わないけれど」
「それでもなのね」
「時々はね」
 こうした祝日はというのです。
「起きて見るのもいいと思うわ」
「そういうことなのね」
「ええ、時々でいいの」
「夜起きているのは」
「それで見ればいいのよ」
「そういうことね」
「成程ね」
 エリカも納得した顔で頷きました。 
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