| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百八十七話 鉄仮面その六

「凄く長いんだ」
「じゃあ日本の作家さんもね」
「長編多いんだ」
「東海道中膝栗毛とか里見八犬伝も長いわよね」
「どっちも当時は娯楽小説だしね」
 こっちもライトノベルになるのだろうか、現代だと。
「源氏物語も恋愛小説だし」
「大長編恋愛小説よね」
「貴公子のね」
 帝のご子息にして美男子で頭脳明晰で武芸も出来て教養もあって人格者だ、今思うとそれこそネット小説の無敵主人公だ。
「何か宮廷の女官の人達で人気で」
「続編まだかとか色々言われつつ書いていて」
「じゃあ娯楽小説ね」
「そうなるね、そしてデュマもユゴーもね」
 この人達もだ。
「娯楽小説として書いていて」
「それでよね」
「長くなったってことはあるかな」
「それであんなに長いのなら」
「お国柄で出すんじゃないね」
「読者さんの要望に応えていて」 
 人気が出てだ、作家さんとしては冥利に尽きるだろう。
「それでじゃないかしら」
「そうなるね、確かに」
「まあそれでも長い作品が多い国みたいね」
 美沙さんは持論を述べてから僕の考えも受けた。
「フランスも日本も」
「そうなるね」
「あと赤毛のアンも長いっていうけれど」
「あれもシリーズなんだ」
「アンの少女時代からよね」
「ギルバートと結婚してね」
 それからも続くのだ、赤毛のアンのシリーズも。
「アンの娘さんまで出て来るよ」
「長いわね」
「ちなみに赤毛のアンはカナダだから」
「アメリカじゃないのよね」
「アメリカは若草物語だよ」
 こちらの作品だ。
「これも長いしね、続編もあるし」
「確かジョーが作者さんなのよね」
「そうなんだ」
「アメリカも長編あるのね」
「あそこも娯楽小説凄いからね」
 まさに大衆の国だ、それならば尚更だ。
「続く作品は続くね」
「そうしたお国柄なのね」
「雄の魔法使いなんか作者さんが書いた十四作の他にも」
 ライマン=フランク=ボームが書いた作品はそれで終わったけれどだ。
「他の作者さん達がどんどん書いていたし」
「アメリカはそうしたことがあるのね」
「そうなんだ、この国も長い作品はね」
「長くなるのね」
「そうなんだよね」
「中国もでしたね」
 ここで小夜子さんが言う作品はというと。
「三国志や水滸伝も」
「あっ、どっちも長いね」
「西遊記も長い作品でしたね」
「うん、長いよ」
 出さなかったけれど封神演義も長い、金瓶梅もだ。あと平妖伝という作品も相当な長さとのことだ。
「最近高等部の図書館で隋唐演義を見付けたけれど」
「その作品も長いですか」
「時代で言うと隋の煬帝から唐の玄宗までだから」
「玄宗というと楊貴妃の」
「その人も出るから」
 あと唐の太宗や則天武后といった教科書に出て来る様な人達がこれでもかと出て来る。
「長いんだ」
「そうですか」
「あの国も長編多いね」
「そうですね」
「日本やアメリカやフランスに負けていないね」
「確かに」
「まあ小説が詠まれる国はね」
 それも広くだ。
「読者さんの人気が出たらね」
「どんどん続く作品が出て」
「長編も多くなるね」
「そういうことですね」
「それでも本当にダルタニャン物語は長いよ」
 源氏物語やオズシリーズや三国志に負けていない。
「冗談抜きでね」
「まさかダルタニャンの半生記とはね」
「思わなかったよね」
「しかもダルタニャンって実在人物で」
「軍の高官にもなってるよ」
 出世していってだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧