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オズのエリカ

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第十一幕その八

「あの娘を起こして」
「そうしてですね」
「ティータイムを楽しみましょう」
「わかりました」
 ジョージはドロシーのその言葉に頷きました、そしてです。
 皆で国を見て回りました、その国はエメラルドの都の様に整った街並でそれでいて猫が暗しやすい様になっていてとても清潔でもありました。
 それで、です。アンも十時のティータイムの時にエリカに言いました。
「いい感じじゃない」
「そうでしょ」
 エリカはアンの言葉に胸を張って応えました。
「私が言った通りでしょ」
「ええ、エメラルドの都に似ていて」
「だから参考にしているの」
「そうよね」
「そしてね」
 さらに言うエリカでした。
「猫が暮らしやすい様にアレンジもしているの」
「そうよね」
「だからなのよ」
「ああした街なのね」
「そう、それでこの王宮もね」
「オズマ姫の宮殿を参考にしているのね」
「そう、ただね」
 それだけでなく、というのです。
「この王宮もアレンジしているのよ」
「猫が暮らしやすい様に」
「全部ね、だってあのままだとね」
 エメラルドの都や王宮をそのまま再現したらというのです。
「全部人間の為のものでしょ」
「猫の為のものじゃないから」
「それで根本からね」
 まさにというのです。
「アレンジしてね」
「ああなっているのね」
「そうよ」
 これがエリカの返事でした。
「ずっと言っている通りにね」
「ひょっとして貴女ずっと考えていたの」
「そうよ、エメラルドの都や王宮が猫に一番暮らしやすい場所にしたらどうなるか」 
 エリカは都にいる間にずっと見て回りながら考えていたのです。
「それでね」
「こうした街になのね」
「したのよ」
 まさにというのです。
「ここはこうすればいい、ああすればいいってずっと考えていたから」
「もう頭の中にあって」
「地図にも描いたし」
「再現したのね」
「そういうことよ、もうこれ以上はないまでに」
 まさにというのです。
「猫の為の国になっているのよ」
「貴女が長年考えていただけあって」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「いや、私が想像していなかった細かいところまで」
 そうしたところまでというのです。
「この国は出来ているわね」
「それは魔法の力ね」
 ドロシーがエリカに言いました、レモンティーを飲みながら。今日のお茶はレモンティーでドーナツとビスケット、そしてチョコレート菓子がセットです。
「グリンダの」
「そうしたところまで補ってくれるのね」
「そう、そうしてね」
「イメージを完全に再現してくれたのね」
「エリカの理想にね」
「そうなのね、凄い魔法ね」
 エリカはここでしみじみと思いました。
「グリンダはそんな魔法を使っているのね」
「そうなの」
「いい魔法ね、流石はグリンダね」 
 エリカは感嘆の言葉すら述べました。 
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