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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十四話 遠くなったものその七

「時代が違うから」
「仕方ないと言えばそうなりますね」
「そうなるわね、しかし軍服が萌えのセーラー服とかになるのも」
「ガテン系と思われていた袴もですね」
「世の中わからないわね」
「全く以てそうですね」
「ええ、時代が変わればね」
「何でも変わるわね」
 裕子さんはこう言った、しみじみとして。
「じゃあね」
「じゃあ?」
「いや、もう一つ思ったことは」
 ここでこうも言った裕子さんだった。
「さっき詰襟の話したけれど」
「はい、詰襟も元は軍服です」
「よく見たら普通の五つボタンの詰襟って」
 最もオーソドックスな形の学生服はというのだ。
「あれって帝国陸軍の軍服よね」
「はい、デザインは同じですね」
「そうよね」
「色が黒であるだけで」
「映画で高倉健さんが軍服を着ておられてね」
 今度はこの人の話が出た。
「戦前の陸軍さんのね」
「それを御覧になってですか」
「同じって思ったけれど」
「その通りですね、本当に」
「七つボタンの制服もね」
 八条学園でもある制服の一つだ。
「あれは白の詰襟と一緒でね」
「はい、帝国海軍の軍服ですね」
「予科練よね」
「今は航空科学生や曹候補学生の方々の制服だとか」
「どっちにしろ軍服よね」
「その元は」
「何かこう考えていったら詰襟はセーラーは軍国主義だとか言って嫌う先生がいるけれど」
 こうした先生が本当にいるのが日本の凄いところだ、制服に何の軍国主義があるというのだろうか。
「それ言ったらブレザーだってそうで」
「着られる制服がなくなりますね」
「制服全廃しろっていうのかしら」
「いえ、そうした先生は」 
 ここでこう言った早百合さんでした。
「北朝鮮は大好きなので」
「あの国の軍服を再現した制服ならなの」
「いいのでしょう」
「あそこの軍服はないでしょ」
 それこそとだ、裕子さんはその眉を瞬時に顰めさせて言った。
「幾ら何でも」
「デザインが悪いですね」
「何か妙にバランス悪くない?」
「帽子と肩章が大き過ぎて」
「無茶苦茶変に見えるのよね」
「制服には制帽はないですが」
 昔は学生帽があったけれどだ。
「それでもですね」
「あの帽子も酷いし」
「そうしたものを見ていきますと」
「日本軍の軍服の方が遥かにましね」
「それに昔の日本は軍国主義と言われていましても」
 そうした先生が変な呪文みたいに唱える言葉だ、何でも七十年以上唱え続けているらしい。カルト教団みたいだ。
「北朝鮮の方が遥かにですから」
「先軍政治だからね」
「比較になりません」
「そうよね」
「核兵器も開発していますし」
「麻薬に拉致に工作員にね」
 殆ど悪質なヤクザ屋さんいやテロリストだ、伊達にテロ支援国家に認定されている訳ではないということか。
「無茶苦茶だから」
「そう考えていきますと」
「日本の方が遥かにましね」
 戦前の日本の方がだ、戦前の日本は確かにヒロポンつまり覚醒剤があって煙草屋さんでも売っていたけれど合法だった。阿片は禁止していく為にあえて国家の専売にして吸引を許可制にして以後の許可は出さない様にしてじっくりと廃止していっていた。 
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