レーヴァティン
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第七十九話 江戸の街その十
「九パーセント位の」
「普通ああしたお酒はアルコール度三度位っちゃが」
「九パーセントで」
「飲むと一気に酔うっちゃ」
そうなってしまうのだ、そうした酒は。
「飲みやすいから五百三本一気に空けるっちゃが」
「飲むとすぐにですね」
「酔いが回るっちゃ」
「そうなりますね」
「だから好きっちゃよ、このお酒もこの島にはないっちゃが」
「この島だと日本酒か焼酎ぜよ」
また当季が言ってきた。
「こっちも美味いからどんどん飲むぜよ」
「そういうことっちゃな」
「そうぜよ、そして江戸に着いたら」
笑ってだ、当季はその場合のことも話した。
「江戸の酒も飲むぜよ」
「江戸のお酒は味が落ちるたい」
香織が言ってきた。
「土とお水の関係でそうなってるとよ」
「その二つのせいでじゃな」
「そうたい、美味しいお酒もたい」
それにはどうなるか話もだ、香織はした。
「土とお水たい」
「それでこの島の江戸はじゃな」
「その二つがこの世界の都や大坂に比べて落ちるたい」
「それでじゃな」
「お酒の味も落ちるたい」
「それは残念ぜよ」
「それでも飲めないという訳ではないたい」
香織は味は落ちてもとだ、それでもと話した。
「結構美味しいたい」
「美味いぜよ」
「それなりに飲めるたい」
「それなり?」
「まあそれなりに美味しいたい」
そうした味のレベルだというのだ。
「まあうち等の世界の関東より土もお水もいいたい」
関東はローム層であり土も水もよくないのだ、そのせいでどちらもよくないのだ。江戸の町を拓く時水の塩辛さに苦労した話もある。
「だからそれなりたい」
「そうじゃな、では」
「江戸に着いてもたいな」
「飲むぜよ、肴も楽しみぜよ」
そちらもというのだ。
「今から」
「蕎麦とお寿司、天婦羅がいいたい」
江戸はというのだ。
「楽しみにしてるたい」
「その三つじゃな」
「そうたい、まあ三つ共他の場所でもあるたいが」
それでもというのだ。
「味が違うたい」
「本場だけに」
「そうたい」
「ほう、わしは東京の蕎麦とか食うたことがないが」
「この世界の江戸の蕎麦は美味いかとよ」
「なら楽しみにしておくぜよ」
「そういえば蕎麦はあまり食わんわ」
「そうでありますな」
耕平と峰夫は蕎麦について二人で話した。
「決して嫌いではないでありますが」
「食べるのはうどんの方やな」
「そちらでありますな」
「それうちもたい」
かく言う香織もだった、自分から二人に述べた。
「うどんの方をよく食べるとよ」
「大学の食堂でもうどん派主流ちゃうか」
「多分そうでありますな」
「西におるとそうなるとよ」
日本のとだ、香織は述べた。
「西はおうどん、あほの文化圏でたい」
「東は蕎麦、ばかの文化圏やな」
「そうであります」
「日本は東と西で本当に違う」
英雄もこう言った。
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