八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十九話 マーマイトとキーウィその十四
「他人に害悪って言って自分は違うって言うのは」
「人は原罪を知れ」
エリザさんはこうした言葉も出した。
「そうなりますわね」
「人のだね」
「キリスト教の考えですが」
「これは自分を謙虚にする考えでもあるね」
「はい」
その通りだとだ、エリザさんは答えてくれた。
「自分の中にある罪を感じる」
「そうしてその罪をどうかする為に」
「人は働き己を磨こうともしますわ」
「そうだよね、僕はその考えはちょっとだけれど」
キリスト教徒でないからだ、人には最初から罪があると言われてもピンとこない。人は最初は完全に真っ白でそこから何かとなると考えている。
「原罪を意識すると」
「自分だけを高みに置くということもですわね」
「ないだろうね、というかもうこんな言葉は」
それこそだ。
「SFでも使い古されてね」
「あまりありませんわね」
「もう昔の言葉だよ」
本当に昔のSFものの言葉になっている。
「だって今言った通りにね」
「人間も自然の一部で」
「文明もそうなんだから」
自然、もっと言えば地球のひいては宇宙の一部だ。
「それで人間こそがってね」
「人間である誰かが言いましても」
「馬鹿だし。それに」
僕はさらに言った。
「そう言う自分が真っ先にってなるから」
「そうしたことを言う人程」
「自分だけが大事だからね」
あの元総理は正直自分のことしか考えていない様に見える、これはあの元総理がいた政党の主な人間全員だけれど。
「そうした人だから」
「エゴイストですわね」
「自己陶酔型のね、そんな奴の言うことなんか」
あの元総理を見てもだ。
「聞くに値しないよ」
「ですわね」
「うん、人間も地球の宇宙の一部だから」
「滅ぶ様なことは」
「しないことだしさせたらいけないよ」
こう二人に話した、ここから僕達はまだ話そうとした。だが。
不意に畑中さんが僕のところに来た、そして僕に思わぬことを言ってきた。話は自然とか大きなことから身近だけれど僕にとって大事なことに移った。
第百七十九話 完
2018・3・8
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