八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十九話 マーマイトとキーウィその十一
「可愛いの」
「そうきましたの」
「あとカモノハシには毒がある」
「その爪に」
「だからちょっと注意」
「だからですのね」
「オーストラリアは動物も出せないから」
「そうですの」
「あとUMA軍団とか」
軍団になっている位話が多いのも凄いことだ。
「タスマニアタイガー」
「フクロオオカミですよね」
「日本語にしたら」
「まだいるんですか?」
「どうかしら」
僕の今の質問にはだ、エリザさんは口を濁した。
「どうかしら」
「もういないですか」
「多分」
「そうですか」
「たまに見たって話があるけれど」
「実際はですか」
「どうか」
その真実はというのだ。
「わからないから」
「はっきりとは言えないですか」
「いて欲しい」
エリザさんとしてはだ。
「まだ、けれど」
「もう目撃例はあっても」
「はっきりしたものじゃない」
「そうみたいですね」
「映像の悪いビデオに撮影されていたり」
「そうした風で」
「はっきり言えない、犬かも知れない」
フクロオオカミでなくだ。
「その辺りは不明」
「そうなんですね」
「本当にいて欲しいけれど」
またこう言うエリザさんだった。
「不明」
「いるかも知れないけれど」
「絶滅している可能性も高い」
「残念なことに」
「もう何十年もこう言われているし」
絶滅したんじゃないかとだ、こう主張する人も多いとのことだ。
「日本のカワウソと同じで」
「ニホンカワウソですね」
「絶滅したとか」
「言われています」
もうそうした判定というか認識が下されたとか聞いている、四国の愛媛県の方に僅かに生き残っていたらしいけれど。
「今は」
「そのカワウソと同じで」
「ひょっとしたら」
「絶滅していても」
「おかしくないから」
「そうなんですね」
「オーストラリア人としてはいて欲しい」
エリザさんの言葉は切実だった。
「本当に。けれど」
「いるかどうかは」
「不明。いて欲しい」
「いますよとは言えないですね」
僕はエリザさんに難しい顔で答えた、ニホンカワウソのことではっきり言えないし余計にそうした顔になった。
「このことは」
「そうよね」
「はい、UMAなら」
これが恐竜なり古代の哺乳類なり未知の生物でもだ。
「いますよって結構」
「気楽によね」
「言えますけれど」
それでもだ。
「絶滅しているかどうかは」
「迂闊には」
「はい、言えないです」
どうしてもだ。
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