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異世界は神皇帝と共に

作者:黒鐡
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第1巻
  新たな仲間×白帝との契約

「将軍からの報告だと実行犯は給仕係と毒見役の二人、バルサ伯爵の屋敷からグラスに塗られてた毒と同じ毒が見つかった。加えてスゥを誘拐しようとした事も自供したから、これにて一件落着だな」

「バルサ伯爵と家族の処遇はどうなる?」

「国王暗殺や反逆罪など余罪がゴロゴロ出てきたので、本人は処刑となり家は財産没収と取り壊しと領地没収となった。全員処刑と言うのはどうかと思うんで、貴族の身分剥奪と国外追放だ。と言っても奴に妻子はおらん、親族も全て獣人差別者だったから丁度よかった。これで兄上の邪魔者はだいぶ減るかと」

ここにいるのはトリストウィン国王、アルフレッド、ユミナ姫・ユエル王妃、シャルロッテが椅子に座りテーブルを囲んだお茶会。で、嬉しそうに話すアルフレッド、他の獣人差別する輩が減ればいいのだがな。

「それにしても一真さんには大変世話になった。余の命を救ってくれた恩人に報いたいのだが、何か希望はあるかね」

「気にすんな。それなら国王の事を呼び捨てでも構わんだろうか?公式の場以外でなら、何せ俺がプトレマイオス神国大公だと言う事を知ってる者は一部しか知らんし」

「それならいいと余も思ったが、公式の場でも一真さんと呼ばせても構わないか?」

「それは勿論構わんが、いいのか?」

「それにしても神の力が実際にある事は初めて見ました。他にも力はあるのでしょうか?」

とりあえず全属性の魔法が使えて、無属性魔法も使えるが正直無詠唱で使ってる事が多い。いくら宮廷魔術師だろうと魔法を極めてるし、将棋もアルフレッドに勧められてやってみたら面白いらしく夢中になってしまったと。

創造の力を目の前で見せるとシャルロッテは部屋から出てしまい、グラスを手に取り創造でトリストウィンのフィギュアが完成した。目の前で作ってみたから細かい所までリアルに出来た。

「これは凄い、最早魔法だけで片付く事では無さそうに思える。似たような魔法を使える者が皇国にいたが」

「魔法ではなく創造の力だ、プトレマイオス神国王である創造神黒鐡の力でもあるが」

「と言う事は創造神黒鐡様を見た事があると?」

「(と言うか本人が目の前にいるだろう)創造の力なら何だって創れる」

王妃と姫のフィギュアを製作してから本人に渡す。互いのフィギュアを見せ合ってたが、今度アルフレッドの分も創ろうと言ったらスゥとエレンにも。すると扉が開いて入ってきたシャルロッテ。彼女は俺に近付き、羊皮紙に書かれた物を目の前に広げる。

「こっ、これが読めますか!?」

「羊皮紙、見た事のない言語で書かれてるが翻訳は可能だ」

「読めるんですね、この言語は古代精霊言語なのですが何て書いてあるか分かりますか?」

「んー・・・・魔素における意味のある術式を持たないデゴメントは魔力をぶつけたソーマ式においてのエドスの変化を・・・・と読めるが理解する事は時間がいる」

「誰も読めなかったのですけど凄い!これで研究が飛躍的に、すいませんがこっちのを読んでもらえますか!?」

「落ち着けシャルロッテ」

読めると言ってもグラサンによる翻訳モードで読んだだけだし、夢中になる事もいいが俺を何だと思ってるのやら。俺の言葉で我に返った宮廷魔術師は赤く顔を染めて俯いてた。

「シャルロッテが古代精霊魔法を研究してると分かってしまうが、俺は言語翻訳者ではない」

「すいません、今までは単語を一つ一つ見つけて解読に当てるとか長い年月をかけても間違った解釈した状態だったのですから。ぜひ解読に協力してほしいです」

「これを使えば翻訳が早くなると思う、このアイテムを使えば読めると思うぞ」

「これですか?ただの眼鏡にしか思えないのですけど・・・・『魔素における意味のある術式を持たないデゴメントは、魔力を・・・・』読める、私にも読めます!」

「それは俺達が持つ翻訳アイテム、もしよければ使ってくれ。古代文明パルテノでも今まで翻訳できない言語を読めるアイテムだ。効果は永久的だけど」

ま、普段使わないアイテムだから使ってくれるなら有難い。シャルロッテは早速研究を始めたいからと部屋から風のように去って行った。

「あの子は夢中になると他の事が見えなくなってしまうところがあってしまってな。魔法に関しては我が国一の才女なのだが」

「あら、そこがあの子のいいところですわよ?」

「喜んでもらえただけでも良しとします。アレは正直言って使用者が余りいなかったもので」

トリストウィンの困った顔を見てクスクスと笑うユエル、それを見ながら冷めてしまった紅茶を飲んでた。さっきからじーっと見られてたのは知ってたが、顔を見ると赤く染まっていたと思えば席から立ち上がり二人に向く。

「どうしたユミナ?」

「お父様、お母様。私、決めました。こちらの織斑一真様と結婚させて頂きたく思いますっ!」

「もう一度言ってもらえるか、ユミナ」

「ですから、こちらの織斑一真様と結婚させて頂きたいのです。お父様」

「あらあら」

「一応聞くが理由は何だ?」

「お父様を救って頂いただけではなく、一真様は周囲に笑顔をさせてくれます。アルフレッド叔父様やシャルロッテ様、皆を幸せにしてくれます。そのお人柄もとても好ましく、私はこの人と一緒に人生を歩んでみたいと・・・・初めてそう思えたのです」

「・・・・そうか。お前がそう言うのであれば反対はしない。幸せにおなり」

「お父様!」

何か勝手に話を進められると困るので、仮に一国の姫をプトレマイオス神国大公と結婚させてもいいのかと。するとユミナが認めた理由を話すが、魔眼持ちで人の性質を見抜く力を持ってるらしい。

直感と似てるし今まで外れた事もない、簡単に言うと本能的に良い人と悪い人を見極めるらしい。で、だいたい王家の者の歳は十五までに婚約して決めてるらしい。一夫多妻制なのは知ってたが、問題は一つしかない。

「仮に婚約できたとしても俺は妻子持ちだ、つまり正室がいるから婚約はダメに決まっている」

「何と!一真さんは既に婚約していたと言うのか、見た目でユミナと同じかと思ってたが」

「忘れてると思うけど、俺はプトレマイオス神国大公をしてるが実際は全てを創ったとされている創造神黒鐡の人間体。つまりプトレマイオス神国王、見た目二十代でも中身はこの中でも大御所クラス。普通は神としてこの世界と干渉しないルールだが、俺だけは特例で楽しんでる最中なのでね」

「確かに私や兄上を呼び捨て扱いする事を納得していたが、まさかプトレマイオス神国王本人だったとは。大御所で既婚者、では正室ではなく側室ならどうだろうか?」

「それについては正室の妻から許可もらわないといけないが・・・・たった今許可が出た。側室なら構わないと言っていた、これからよろしくなユミナ」

「はい!よろしくお願いします一真さん」

奏からの許可が下りたので、側室の一人となるが王妃にはしない。既にいるんだし、神国王が俺で王妃が奏と設定でそうしたから。王都からリフレットの宿屋に戻ると何故ここにユミナがいる理由について説明中。

「まさか一真が既婚者だったなんて信じられないわ」

「でも納得する点がありますね。私達の事を何でもお見通しでありますし」

「一真殿が強い事は知ってたでござるが」

「俺がプトレマイオス神国王の事はくれぐれも秘密にしといてくれ、そうじゃないとお前らの記憶を消さなければいけないから」

記憶消去についてはマジだが、俺が大人みたいな仕草を取る事で納得してくれた。

「ユミナ・エルネア・ベルファストです。皆様よろしくお願い致します」

「で?何でお姫様がここにいるのでござる?」

「はい。お父様の命で、一真さんと一緒に暮らす事になりました。一真さんには正室と側室合せてもかなりの数がいるそうですから、花嫁修行と言う事で居させてもらいます。世間知らずでご迷惑をおかけすると思いますが、何とぞよろしくお願い致します」

礼儀正しく皆の前で頭を下げて挨拶するユミナ、俺には既に正室と側室合せて沢山いる事を話すとまずは花嫁修行と言う名目で近くに居る事が一番いい方法だ。ま、護衛も近くに居そうな気がするし、一緒に暮らす事も問題ないし敬語も無しと言う事だ。

「さて、話が纏って早速で悪いがギルドへ向かおう。そして登録をして依頼を熟してみせろ、それが第一試練だ」

「シャルロッテ様から魔法の手ほどきと弓による射撃術を学んでおりました。そこそこ強いです、魔法適性は風と土と闇で召喚獣は三種類しか呼べません」

「弓と魔法、遠距離攻撃は助かるでござるな。一真殿が言う試練をクリアするでござるよ」

まずは実力を見てからになった。まあ俺が発言権あるのは知ってたが、試練と言う形ならユミナの力が見れるし明日ギルドへ行って登録する事から始まる。それとミカさんにユミナの部屋を取ってもらい、皆と食事をして明日に備えて寝る事となった。

皆は寝たが、俺は大人なので屋根上にて酒を飲む。相手はヒト化のティアと小型ドラゴンのドライグ、最近やっと二体まで外に出せるようになった。するとスマホから着信音が聞こえる。

「もしもし」

『相棒、また側室を迎えたとはのぅ』

「お前に言われたくねえよ、それより一夫多妻制は知ってたが適性年齢引き下げしたのか?」

『そうなのじゃよ。そっちの世界ではそうなっていて、こちらでの神界におる神々も見たら関心を持っておった』

「神界、お前が俺より一個下の世界神と設定、下級神として狩猟神・恋愛神・剣神・農耕神とか色々いるんだっけか。特に恋愛神は興味津々だとか」

『ワシは人間として下界に降りるとそちらのワシの声と被るから降りれないが、他の神なら問題なく下界へ降りれるはず』

降りられても困るのは俺だ、とりあえず干渉してくるなと言いたいがこちらが知る神々を呼ぶ事も出来る。神召喚なら呼べるが、あちらのドライグと話し終えて酒を飲んでからティアと共に寝た。

起きると俺の中に戻ってたが、俺らはギルドへ向かうけどユミナが着ていた服はここでは目立つのでオーダーメイドで創らせた服を着せている。元はエルゼとリンゼが持っていた服を拝借、長い金髪を三つ編みで一つにして動きやすくした。

オッドアイに関してはここでは魔眼持ちとは限らないようで、見た目だけでエルゼ達と変わらない少女の出来上がり。

「ちょっと気になったんだけどさ、ユミナが一真と結婚したら次の王様って一真になるの?」

「いえ、一真さんは存在さえ知られてないプトレマイオス神国王で王妃は正室がいると聞かされてます。なので例え婚約したとしても一真さんが次の王になるかどうか不明となっています」

ギルドに行く途中で疑問を投げかけたエルゼにユミナが答える。ユミナに弟が出来ればソイツが跡継ぎとなる。アルフレッドのとこに男が生まれてもいいし、俺とは交れない。武器屋熊八に寄って、ユミナの装備を整える事にする。

金はこちらにもあるが、何でも国王から餞別にもらった白金貨五十枚。バラルさんに弓を見てもらい、王都より品揃えは悪くないが質が高いから。何本か選んで弦を引いたりして感触を確かめてた。

『相棒にはハンドガンで充分だな』

『まあな、今回はドライグを出して現場まで運んでもらうぞ』

『お、やっと俺の出番が来たか』

『ドライグを俺らが乗れるぐらいのサイズにして、俺とドライグは見学だ。ユミナがどのくらい戦えるかを見るために』

丈の短い軽めの弓と矢筒と百本の矢をセットで購入、白い革鎧の胸当てとブーツもお揃いで買ってた。賑わうギルドにユミナを連れて行くが、主に嫉妬深い男共からの視線が。三人娘から四人娘を贔屓目に見なくても充分かわいく、女の子達と一緒にいる俺への視線がトゲトゲしい。

「気に入らねえんだよ」

「ちょっとツラ貸せや」

「ほう、俺に用があるのか」

と誘われて行くが、結局のとこショットガンで気絶してもらうのがオチとなった事がある。だからか視線を感じると即ハリセンで叩く事が習慣となってるが、そう考えてる間にユミナを受付嬢に登録を頼んだ。

エルゼ達は依頼書ボードのとこに行き、内容チェックしてる間に登録を済ませたユミナ。一枚の緑の依頼書を手にしてた、キングエイプ五匹となっていて俺と一緒だと二倍の十匹に多くなる。

「キングエイプ、ゴリラのような魔獣で群れを作ってるが知能は高くない。パワーバカなタイプだから要注意。ユミナも大丈夫か?」

「問題ありませんから大丈夫です」

ギルドランクの色と意味を今更ながら知った、黒=初心者・紫=冒険者見習い・緑=冒険者・青=ベテラン冒険者・赤=一流冒険者・銀=超一流冒険者・金=英雄、と上に行くためが難しくなってる。

ゴールドランクの冒険者はこの国にはいないらしい、英雄クラスがそうゴロゴロいる訳がないが俺みたいにランク分けされてない冒険者もいない。とりあえずキングエイプ討伐の依頼書を受付嬢に持って受理される。

「ところでいつものようにゲートは使わないのですか?」

「今回は俺の使い魔で行く事にする・・・・来いドライグ!」

「赤龍帝ドライグは魂を封印されてると聞いてましたが、まさか外に出せるなんて」

「俺の身体を創ってくれた相棒だから出来た事、前代まで出来なかった事を相棒はしてくれたのでね。さて、俺に乗りな」

リフレットから南に位置するアレーヌの川を渡った先にある森、スナイプ・ゼロで行った方がいいかもしれんが今回はドライグに乗って現地にて降ろす。馬車を買うか検討してるみたいだが、我が神国の足は車かバイクなので買う必要性を感じない。

三時間のとこを一時間で到着、空間切断で四人を下ろして俺は上からの狙撃に備える。お、群れを発見したがまだ結構な距離がある。

「森へ入る前に召喚魔法を使ってもいいですか?」

「召喚魔法で何を呼ぶんですか?」

「一真さんは上から見てますから、今回の活躍でどうするかを決めると思います・・・・【闇よ来たれ、我が求むは誇り高き銀狼、シルバーウルフ】」

呪文唱え終るとユミナの影から銀色の狼が五匹、嬉しそうに尻尾振ってるからユミナの番犬かな。

「この子達にも探してもらいます。離れていても私と意思の疎通が出来るので発見したらすぐ分かります」

「じゃ、私らも準備しながら待つとしますか」

「ところで一真さんはいつも離れた場所で見守っているのですか?」

「そうなのよ。あたしらが討伐依頼するといつも離れた場所にいてね、ヤバい時しか助けてくれないのよ」

「剣術も拙者より隙が無いし、何より銃と言う遠距離からの攻撃をしてくるでござる」

何か言われてるがスルー、魔獣と契約すれば習得できる召喚魔法。戦って力を示したり自分の問いに答えろと言ってくる魔獣もいる。そう考えていると見つけてくれたようだが、五匹なのに十匹いるとか。

「十匹・・・・どうする?依頼は五匹だけど」

「一気に殲滅する方がいいと思いますし、もし逃がしたとしても一真さんがトドメを刺すと思いますから」

前衛はエルゼと八重、後衛はリンゼとユミナとして動く。ユミナの弓矢が当たった時に素早く首の頸動脈を斬る八重、突っ込んでくる魔獣をリンゼのファイアストームにて黒焦げになって弱ったキングエイプを前衛組が倒す。

「森の奥から五匹出てきたわよ」

「奥に一匹いますが、恐らく様子見だと思います。何しろ他より大きいみたいですから」

「【ブースト】!」

身体強化魔法発動させたエルゼが懐に飛び込み、腹部を連続で強打してる間にユミナの狼達が襲い掛かる。残り四匹。

「【雷よ来たれ、白蓮の雷槍、サンダースピア】!」

「【炎よ来たれ、紅蓮の炎槍、ファイアスピア】!」

ユミナとリンゼの魔法が放たれた風属性と火属性、二本の槍が二匹のゴリラに突き刺さる。貫かれた事で倒れるが、あと二匹と言う事で俺がドライグの背から飛び降りてスナイパーライフルで頭を狙い撃ち。

「さて、残りはあと一匹か。コイツらのボスと言う事か」

「こんなにデカい魔獣倒した事ないわ、普通なら逃げ出すけど」

「俺の剣一撃で葬ってやるわ、はあああああ!」

「凄い、剣を抜いたと思ったらもう倒してるとは流石一真さんです」

十匹のキングエイプを倒したが、正直狙撃と剣による一刀両断する技術持ちはこの国では俺しか出来ない技。ユミナの影に狼達が飛びこんで消えていくが、ドライグが着地して四人娘を乗せた。

「あの、私、どうでしたか?」

「実力的には問題ないし魔法もなかなかの物、後方支援は助かるわ。一真から見てどう思ったの?」

「四人だけのパーティーなら問題なくランクアップするだろう。ま、俺の出番は後方支援だけだし第一試練はクリアと言っておく。今後も精進するように」

「確かに一真さんの魔法や銃を使えばあっと言う間に片付いてしまうでしょう。出番があるだけマシかと」

キングエイプをの個数確認部位である耳を集めていき、残った魔獣は滅で葬った。パーティーは全員女子で構成されていると思ってるバカ共の牽制として俺がいる訳、気が付いてなさそうなのは気の所為であってほしい。

召喚魔法について興味持ったが、今はギルドで提出する耳を空間に入れてからリフレットへ帰還。しばらく他の討伐もやってたらしいが、基本的に俺はノータッチなので見てるだけが多い。

「闇属性の召喚魔法は魔法陣を描いて対象を召喚させる事、だったかユミナ」

「はい。ただ何が召喚されるかは全くのランダムでして、魔力や術者本人の質などに左右されるとも言われていますが事実かどうかは分かりません」

宿屋の裏庭で地面に大きな魔法陣を描いて、複雑な紋様をスマホで見ながら描くのは何時振りだろうか。チョーク一本も魔石の欠片を圧縮して作られたらしい、召喚した魔獣と契約出来たら成功だけど。

「ドライグがいるから余程の事が無い限り襲ってこないはずだが、上位魔獣とその配下もセットなのはお得だな」

「条件が満たされなければ召喚したモノは去ってしまい、二度と同じ人物の前には現れません。契約のチャンスは一度だけ、契約無しでは魔法陣から出れないようなってますから大丈夫でしょう。召喚者が中に入る場合は別、戦って実力を見せろと言う個体もいますから」

「とりあえず呼び出してみよう・・・・」

『・・・・我を呼び出したのはお前か?』

完成した魔法陣の前に立ち、闇属性の魔力を出すと爆発的な魔力が生まれて霧が無くなると一匹の白い虎がいた。鋭い眼光と威圧感、爪と牙とビリビリした魔力の波動を感じるが当たりを引いたらしい。

「この威圧感、白い虎・・・・まさか『白帝』・・・・!」

『ほう、我を知ってるのか?』

「俺の相棒に向けてその言い草は何だ、いくら神獣と言えどその程度の眼力と魔力浴びてもノーリアクションだからな」

『・・・・まさか二天龍の片割れとも言われた赤龍帝ドライグ様か?』

「召喚できる中で最高クラスの四匹の内、西方と大道の守護者にして獣の王と言われた神獣相手にも動じないのも驚きました」

『赤龍帝ドライグ様の相棒、まさか創造神黒鐡様でしょうか?』

「そうだ、そしてお前と契約するために呼んだ。魔力の質と量を見せなくとも俺の目を見れば分かるだろ?」

俺は大天使化をして、目だけオッドアイのにして神の力を発すると白帝だろうと関係ない。俺の魔力は無尽蔵にあるから、例え枯渇するぐらい使ってもすぐ回復してしまう。

『織斑一真様、我が主に相応しい御方とお見受けしました。どうか私と主従契約をお願いします』

「相棒の魔力を測ろうとしないで済んだな。魔力量は無限にあり枯渇すらしない、今頃魔力を籠めてたらお前は気絶してたぞ」

「確か名前が契約の証となるんだっけ?この世界にお前が存在する楔となる・・・・ここは琥珀と名付けるのがいいのかもしれん」

『こはく?』

「これが虎でこれが白、横にあるのが王と言う意味。王の横に立つ白き虎と言う事だ、あとドライグの事は呼び捨てで構わんよ」

『まさに私に相応しい名前、ありがとうございます。これからは琥珀とお呼び下さい、主とドライグ。それとお願いが、こちら側に存在する事を許可願います』

「通常ですと術師がこちらに呼び出して、存在を保つためには術者の魔力が必要になります。存在し続ければ魔力が切れてこの世界から消えてしまうのが普通、ですが一真さんのように魔力が無限大にあれば常にこちら側で存在しても問題はありません」

「だがその姿は勘弁だ、ドライグのように小さく出来る事は可能か?」

『可能でございます』

琥珀の姿が変わりデカい虎から少し大きい猫になった。ドライグのように喋れるし、戦う時だけデカくなればいい。可愛さで持ち上げると猫そのまんまだと思ったら俺の手から琥珀を奪い取った。

「きゃーっかわいい!」

『ちょっ、こら離さんか!何なんだお主は!?』

「自己紹介が遅れました、私はユミナと申しまして一真さんの側室候補となっております」

『主の奥方!?・・・・側室候補と言う事はまだ奥方ではなかったか』

その通りだと念話で言うと猫のようにナデナデしまくるユミナ、抵抗を止める琥珀だったが更に追い打ちとしてエルゼ達が来てさっきと同じようにナデナデが三倍だ。俺に助けを求められたが、ペルペルやドライグもああなった事もあるのでその内収まるから我慢しろと。 
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