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夢幻水滸伝

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第七十話 山と海その六

「あっちのA組の」
「ご存知でしたか」
「あいつもこっちの世界に来てるんやな」
「そして瞬く間にあの二国の海を制し」
 そしてというのだ。
「海からです」
「国自体も制圧したか」
「そうです、あの方とあの二国をどうするか」
「それが問題か」
「伊勢そして志摩は大きいです」
 この二国はというのだ。
「豊かでしかも水軍もです」
「おるからか」
「あの二国と彼をどうするかです」
「そうか、ほな東海の坂口が動く前にやな」
「どうするかです」
「もう今すぐにやな」
 それこそとだ、芥川は目を鋭くさせて太宰に応えた。
「あの二国とあいつをどうするか」
「そうです、軍師殿はどうお考えですか」
「吉川は天の星やな」
「天寿星です」
「しかも水軍を使えるか」
「職業は提督で種族はマーマンです」
 このことも言うのだった。
「まさに海の申し子です」
「今うちは水軍はおらん」
 芥川は腕を組みこのことを話した。
「しかし海に面してる国も多い」
「水軍は必要です」
「伊勢と志摩もな」
「では次はあの二国ですね」
「そや、すぐにあいつに使者を送るか」
「そして話し合いをしますね」
「それ次第やな、そして使者は」
 それはというと。
「僕とや」
「うちやね」
 ここで綾乃も言ってきた。
「棟梁のうちがやな」
「そうや、二人で行こうか」
「そうや、神星の僕等が使者で行ってな」
 そしてというのだ。
「吉川とあの二国をこっちに入れるで」
「そうするんやね」
「そうや、これが僕の考えや」
 このことも言うのだった。
「どないや」
「棟梁も使者に」
「そうや」
 太宰に対して問うた。
「それだけの価値があるやろ」
「吉川君と伊勢、志摩の二国に水軍は」
「そう思うけどどないや」
「はい、実はです」
 太宰は芥川の考えをよしとしてからさらに言った。
「ここで若し貴方だけか他の星の人を送ると言えば」
「駄目だししてたか」
「足りないとです」
 実際にというのだ。
「申し上げていました」
「やっぱりそうか」
「やはりです」
 どうしてもというのだ。
「棟梁も行かれるべきです」
「綾乃ちゃんは星の頂上でな」
「はい、しかもカリスマ性もあります」
「人を惹き付けるものがあるからな」
「吉川君程の人物とあの二国、水軍を我々に加えるには」
「綾乃ちゃんは欠かせへん」
「まさにその通りです」
 こう芥川に述べたのだった。
「それしかありません」
「よし、ほなな」
「これよりですね」
「僕と綾乃ちゃんで吉川のところに行くわ」
「留守はお任せ下さい」
 太宰は一言で答えた。 
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