八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十六話 酷い人達その八
「だからね」
「皆が信じて」
「うん、もうね」
「時代劇とか特撮にも出なかったの」
「僕が知ってる限りでは」
この場合は特撮、時代劇だとアレンジして瓦版だろうか。
「いないね」
「そうよね、けれどね」
「悪人過ぎてだね」
「地獄に落ちて」
「その地獄も無間地獄だね」
「そこに落ちるわ、そしてね」
「無間地獄でだね」
「責められるのよ」
そこにいる鬼や地獄の生きもの達にというのだ。
「徹底的にね」
「そうなるね、しかも反省しないし」
このこともかなり重要だ、こうした人達を語るうえで。
「だから何度も同じ悪事働くし」
「それじゃあね」
「罪に罪を重ねてるから」
「その地獄に落ちない筈がないわ」
「日本の歴史でも有数の極悪人達かな」
僕はこうも思った。
「戦後のマスコミや知識人でのそうした人達は」
「日本の歴史の中でも」
「うん、長い歴史の中でね」
本当にだ。
「そうかもね」
「日本の歴史で悪人っていうと」
「結構いるけれどね」
「例えば?」
「蘇我入鹿とか弓削道鏡が有名だね」
どちらも帝位を目指したという、道鏡はこのことは考えてみると結構怪しいとも言われている。蘇我入鹿もそうだろうか。
「あと源頼朝評判悪いね」
「弟さん殺して」
「もうとにかく敵は皆殺しにするから」
粛清するにもそうだった。
「人気ないよ」
「平清盛さんよりも悪いの」
「いや、清盛さんそこまでしないから」
敵をそれこそ子供まで皆殺しにする様なことはだ。
「だから頼朝さんも義経さんも生き残ったし」
「そうなの」
「家臣思いだったしね。家族も大事にして」
平家は身内で殺し合ったのは保元の乱だけだ、その後はもう最後の最後までまとまって身内で殺し合うことはなかった。これは清盛さんがそうしたことを嫌っていたからだ。
「横暴だったいうけれど」
「実はなの」
「横暴でもなかったし」
急な台頭で嫉妬を受けての評価だったみたいだ。
「いい人だったんだ」
「そうだったのね」
「だから清盛さんよりもね」
むしろだ。
「頼朝さんの方がね」
「悪い人なの」
「実際評判よくないし」
今だにだから凄い。
「あの人も。他にもね」
「弟さんを殺しただけでなくて」
「家臣の人達も」
危うい、若しくは駄目だと思った時はだ。
「どんどん粛清していったから」
「何かそう聞くと」
「冷酷な人だよね」
「そう思うわ」
「実際はどうだったか知らないけれど」
歴史でのその行いを見ているとだ。
「冷酷非情な人でね」
「沢山の人を殺して」
「いい人ってイメージはないね」
どうしてもだ。
「あの人は」
「むしろ清盛さんよりも」
「織田信長さんも色々あったけれど」
日本の歴史で一番有名な英雄の一人のこの人も弟さんを殺しているし延暦寺を焼き討ちしたり一向一揆を文字通り殲滅したりしている。
しかしだ、むしろその信長さんよりもだ。
「頼朝さんは陰険なイメージがあるかな」
「陰険なの」
「暗殺も多かったし策謀もあったし」
「そうだったの」
「義経さんを殺した時なんかね」
奥州藤原氏、義経さんを匿っていたその一族を唆して義経さんを攻め滅ぼさせている。そしてその後でその奥州藤原氏を攻めて滅ぼしている。
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