レーヴァティン
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第七十六話 ローマに行ってその二
「ステータスだったから」
「どれだけイギリス人の料理が駄目か、か」
「これでわかるでしょ」
「嫌になる位にわかった」
正もこう言った、そしてローストビーフを食べるのだった。
「イギリスで美味いものを期待するな、か」
「そうなるわ、映画でもそうでしょ」
双葉は今度はイギリス映画の話をした。
「ハリー=ポッターの食事観たでしょ」
「驚く位に粗食だな」
「オックスフォード大学食事無料っていうけれど」
「無料だけにか」
「凄いわよ」
「聞いただけで嫌になるな」
まさにとだ、正はまた言った。
「イギリスの料理については」
「大戦中も酷くて」
第二次世界大戦の話だった、今度は。
「クラッカーとかパンとオートミール缶だけとか」
「栄養バランスも悪そうだな」
見事に炭水化物ばかりでだ、正は即座に思った。
「流石に紅茶は出るだろ」
「あるけれどそれでもね」
「酷いことは変わらないか」
「アメリカ軍の人達が見てこれは酷いって言った位だから」
これは事実として語られている話だ。
「とにかくね」
「俺達の世界ではか」
「ロンドンにいてもよ」
「食いものは期待出来ないか」
「日本でもイギリス料理のお店殆どないじゃない」
欧州ではまずフランス、そしてイタリアにスペイン、ドイツと続くだろうか。欧州の料理といっても色々だが。
「そうでしょ」
「確かにないな」
「ローストビーフはあってもね」
「ビーフシチューやカレーは元々イギリスだがな」
「元はそうでもね」
それでもというのだ。
「日本で食べる方が美味しいっていうし」
「イギリスが本場でもか」
「そう、だからね」
「食わない方がいいか」
「イギリスではどっちもね」
「まずいカレーってそうはないんじゃないの?」
淳二は自分のカレーのイメージから話した。
「流石に」
「イギリスにそれ当てはまると思う?」
「そう言われるとね」
淳二は双葉に言われ自分のその考えを引っ込めた、そうしてこう彼女に言った。
「どうかな」
「そう、イギリスはね」
「とにかくお料理はだね」
「そうした国だから」
「作り手に問題があってだね」
「使う調味料の種類も少ないし」
「お塩と胡椒、お酢とソースとケチャップかな」
淳二はこう考えたが双葉はそくざにこう返した。
「お塩とお酢だけの場合も多いわよ」
「何時の時代のお料理かな」
淳二はかなりお引いた顔になって双葉に突っ込みを入れた。
「一体」
「二十一世紀よ」
「いや、二十一世紀でお塩とお酢だけとか」
「ケチャップあるけれどね」
「胡椒は肉料理には必要だよ」
「使っても無茶な使い方するし」
「それでまずいんだ」
淳二もここでわかった、それも実によく。
「わかったいたけれどね」
「カレーもね」
淳二が言う誰が作っても美味しいそれすらもというのだ。
「期待出来ないわよ」
「本当にえげつない国だね」
「ええ、お料理はね」
「ううん、おいらはまだまだイギリスのことがわかっていなかったよ」
「イギリスは奥が深いのよ」
料理のことでもというのだ。
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