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サボテン

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第一章

               サボテン
 柳翠は名前の通り緑が好きだ。
 それで家にも緑を多く置いているが友人は彼女の家の中を見ていつも彼女自身に対してこう言っていた。
「緑があるとね」
「気持ちいいですね」
「ええ、目がね」
 身体のこの部分にというのだ。
「落ち着くわ」
「そして目だけでなく」
「心もね」
「はい、ですから私も好きなんです」
 翠は友人に微笑んで答えた。
「緑が」
「植物だけじゃなく」
「色もです」
「じゃあ好きな宝石は」
「エメラルドです」
 緑に輝くそれだというのだ。
「何といっても」
「やっぱりそうですよね」
「見ていて落ち着きますし」
 エメラルドを見てもというのだ。
「ですから」
「そうよね」
「とにかくです」
「緑が好きなのね」
「そうです、食べるものよ」
「ううん、植物もなのね」
「はい、それに」
 翠は友人にさらに話した。
「色自体が」
「だからお部屋のカラーリングもなのね」
「緑にしています」
 この色で統一しているというのだ。
「まさに」
「そうなのね」
「そうです、落ち着いて落ち込んでいる時も」
「その時も緑の中にいると」
「徐々にでも」
 これは翠の感性からの言葉だ。
「癒されるので」
「そうなのね」
「一度貴女もです」
 友人に優しい微笑みで話した。
「緑に囲まれてはどうでしょうか」
「そうしているとなの」
「はい、落ち着いて」
「落ち込んだ時も」
「癒されます」
「そうなのね、じゃあね」
 それならとだ、その友人は翠の言葉に頷くものを感じてだった。
 試しに自分の部屋にサボテンを置くことにした、それを翠に話すと翠は友人にこの時も優しい微笑みで述べた。
「いいことですよ」
「サボテンもいいのね」
「はい、サボテンも緑色で」
 それでと言う翠だった。
「植物なので」
「いいのね」
「いいことです」
「それじゃあね」
 友人は翠がいいと言ったのでそれでだった。 
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