| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十九話 山賊征伐その四

「頭!」
「頭の首が飛んだの!」
「いきなりどうしたんだ!」
「見ての通りや」
 ここで芥川は声を出した、そしてだった。
 姿を現わしてだ、その彼等に言った。
「成敗しに来た、覚悟せえ」
「なっ、忍者!?」
「天狗の忍者か!?」
「姿消してやがったのか!?」
「まさか!」
「そのまさかや、自分等も頭に続けや」
 こう言ってだ、芥川は三光手裏剣を放った、一枚の手裏剣が瞬く間にだった。
 桜の花びらの様に増えそれぞれが意識がある様に動いてだった。
 賊達を攻める、芥川はその中で言った。
「この手裏剣は凄いな」
「一枚の手裏剣がな」
「ああ、それこそ何千枚にも増えてや」
 その乱れ舞う八方向に刃がある手裏剣達を見て言う。
「しかもそれぞれが動く」
「それぞれが一番適格と思う動きでな」
「しかも他の手裏剣と動きを合わせてな」
「これはや」
 まさにというのだ。
「凄い武器やな」
「そやろ、これは最強の手裏剣や」
 まさにとだ、狐も答える。手裏剣達は賊達を切り刻み次々に倒していく。その中で芥川に言ったのだ。
「神具の中でもや」
「そやな、どれだけの敵でも相手に出来るしな」
「そやからな」
「この手裏剣を使ったんや」
 芥川もこう狐に答えた。
「切り札の一つしてな」
「そやな」
「それでや、ここにおる連中は全部倒した」
 賊共の拠点中の拠点である頭の間にいる者達はというのだ。見れば全員既に切り刻まれ血の海の中にいる。
「それでや」
「次はやな」
「この騒ぎでどんどん賊の雑魚が来るが」
「その連中をやな」
「切り伏せつつや」
 そうしてというのだ。
「砦の中を進んでな」
「そうしてやな」
「分身も使う」
 この忍術もというのだ。
「そうしてや」
「賊共をどんどん倒してくか」
「一人が二人、二人が三人になってや」
 そうしてどんどん己自身を増やしていき、というのだ。
「五遁の術も使ってな」
「敵を倒してくか」
「そうしてくわ」
 まさにというのだ。
「それでいくで」
「わかったわ、これであっという間にやな」
「賊共を倒す、そして自分もや」
「妖力や息でやな」
「戦ってもらうで」
「わかったわ」
 まさにと言ってだ、そしてだった。
 芥川は自分が言った通り騒ぎもっと言えば仲間達の断末魔の声を聞いて駆けつけてきた賊達を今度は大通連で次から次にだった。
 流れる様に彼等の前を進み首を刎ね胴を断ち唐竹割りにしていった、その切り方はまさに包丁が豆腐を切る様だった。
 そうして賊を倒しつつ砦を出るとだ、そこに集まっていた賊達に対して。
 狐を向け息を吐かせ妖力を使わせつつだった、分身の術を使いそれぞれの身体で五遁のそれぞれの術の攻めに使うものを駆使して。
 賊達を焼き木の葉で裂き石で貫き水で溺れさせ雷で撃った。逃げようとする賊達は彼等より速く動き追いついて切り倒した。
 そうしてだ、一刻程でだった。
 賊達は一人残らず倒した、狐はここで言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧