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レーヴァティン

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第七十五話 霧の都その九

「真実である」
「信じられないことでもな」
「そうなるである、そしてである」
「ああ、その魔術師がな」
「また勝ったである」
「そうだな、それであのベヒーモスはどうなるんだ?」
「倒れたので蘇生の術で蘇らせられてである」
 そうしてとだ、男は久志の今の問いにも答えた。
「そしてである」
「また闘わさせられるか」
「この闘技場にいればそうなるである」
「まあ闘技場にいたらそうなるか」
 闘技場にいるモンスターは寿命まで闘わさせられる、例え死んでもだ。そして人間も抜けるだけの金を払わないとずっといることになる。
「花形としてやっていくにしても」
「人間も人気が出てもててもである」
 そして多くの報酬が得られる様になってもだ。
「やはりである」
「金を払わないとな」
「ここにいるである、他の場所に行きたいなら」
 それが例え別の街の闘技場でもだ。
「払うものを払う」
「それがルールだな」
「そうである」
 こう久志に話した。
「しかしあの魔術師は」
「もうそんな額は稼いでるか」
「間違いなくそうである」
 既にというのだ。
「しかしどうもである」
「いたくているんだな。闘技場に」
「そうであろう、しかし貴殿」
 男はここで久志をじっと見て言ってきた。
「見たところ相当な腕の持ち主であるな」
「わかるかい?」
「いい体格と剣を持っているである」
 その二つを見てわかるというのだ。
「それではである」
「相当な腕だってか」
「思ったであるがどうであるか」
「自信はあるな」
 笑ってだ、久志は男に答えた。
「さっきのベヒーモスだってな」
「一人で、であるか」
「勝てる自信がな」
「ふむ。ではである」
 男は久志のその言葉を聞いてだ、その目を鋭くさせてそうしてから久志に対してあらためて言った。
「貴殿も参加するである」
「闘技場にか」
「そうするといいである」
 こう言うのだった。
「これから」
「ああ、それじゃあな」
「そうするであるか」
「そうしてみるな」
 実際にとだ、久志は男に笑って答えた。だがまずはだった。
 魔術師と会う方が先だった、それで仲間達と共にだ。
 闘技場に飛び入りの枠でエントリーへの参加をしてそれが認められてから魔術師の控室に言った。すると。
 魔術師は丁度帽子とローブを取ってラフな格好で椅子に座って紅茶を飲んでいた。久志達はその前に出たが。
 すぐにだ、魔術師はその久志達を見てこう言った。
「外の世界から来たのね」
「ああ、わかるか」
「ええ、オーラが違うから」
 身体から出ているそれがというのだ。
「だからわかったわ」
「そうか、オーラか」
「皆強烈なオーラね、私と同じ位」
「自分と同じ位強いからか」
「わかったわ、そしてね」
「ああ、俺達が来た理由もわかるな」
「遂にその時が来たのね」
 紅茶を飲み続けつつだ、魔術師は久志に言った。見れば黒く長いやや癖のある髪の毛をポニーテールにしている。億二重で切れ長の黒い瞳で睫毛は長く眉は細く奇麗なカーブを描いている。白い細面は唇はピンクで小さく身体は一五七程ですらりとしているが胸はかなり目立っている。その彼女が言うのだ。 
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