八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十三話 涼しさその五
「義和様も今宵はです」
「あったかくして寝ます」
「そうされて下さい」
「今日はお酒も飲まないで」
こちらも控えるつもりだった、何か今日は気分でもないし。
「ゆっくりと寝ます」
「是非共」
「それで身体を養生します」
「では」
畑中さんは僕の言葉ににこりと笑って頷いてくれた、そうしてだった。
実際にお風呂にもじっくりと入ってベットの掛け布団も厚めのものを出してもらってかけてからだ、僕は自分の部屋にその掛け布団を持って入った。
そうして寝るまで今日の復習やこれからの予習をしていたらだ、丁度やろうと思っていたところまでやってからだった。
携帯に親父から電話がかかってきた、それで出るとすぐに言ってきた。
「もうそろそろ寒くなってきただろ」
「わかるんだ」
「長い間暮らしていたからな」
神戸、この街にだ。
「だからある程度だけれどな」
「わかるんだね」
「それで今日は医者としても親としてもな」
「暖かくしてだね」
「寝ろって言うつもりだったんだよ」
「それで電話かけてきたんだ」
「ああ、それでどうしてるんだ?」
「畑中さんに言われたよ」
もうとだ、僕は親父に返した。
「それで厚い掛け布団出してもらってね」
「それで寝るか」
「そのつもりだよ」
「そうか、流石畑中さんだな」
畑中さんのことには完全に信頼している言葉だった。
「あの人がいてくれるからな」
「もう言ってもらってね」
「用意してるんだな」
「それでお風呂にもじっくり入ったよ」
このことは毎日にしてだ、今日は昨日よりもそうした。
「そうしたよ」
「ああ、それはいいな」
「お風呂に入るとね」
「あったまるからな、俺だってな」
「イタリアでもだね」
「毎日入ってるぜ」
このことは親父らしかった、親父は風呂好きでそれが僕にも影響したと思う。
「ユニットじゃない風呂の部屋に住んでるしな」
「ユニットバスね」
「あれは駄目だからな」
お風呂場とトイレが一緒になっている場合はだ、これは僕もだ。
「そこに住んでるしな」
「ヨーロッパとかアメリカはそっちなんだよね」
「あれはな」
どうしてもという返事だった。
「俺は駄目だしな」
「僕もだよ」
「何か違うだろ」
「おトイレはおトイレだよね」
「風呂場は風呂場でな」
別々の部屋であるべきだ、僕達は二人共こうした考えだ。
「そこはな」
「日本みたいにね」
「分けるべきだろ、だからな」
「そうしたお部屋にだね」
「こっちじゃ少ないけれどな」
特にホテルではだ、もうお風呂場つまりバスルームとおトイレが一緒の部屋になっているのが大抵だ。
「そうした場所に住んでてな」
「お風呂にもだね」
「毎日入ってるぜ」
「そうしてるんだね」
「それであったまってな」
「身体もだね」
「癒してるぜ」
こう親父に話した。
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