異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う
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新商品、お試し中-5
こうして、ルーシーとエリカに美味しいと認められたので、このプリンアラモードはメニューに加えることにした。
新しいメニューをお客さんは楽しんでくれるだろうか?
そう俺は思いながら自身の分を食べ上げる。
甘い物を食べるとそういえばお茶のようなものも恋しくなる、そう俺が思ってルーシーとエリカに、
「お茶が飲みたい人はいるか? 最近、自動で中の掃除もしてお茶も入れる魔道具を作ったからそれを使ってみようと思うんだが」
「あ、私も飲みたい。お茶は何でもいいや。エリカはどうする?」
そこでルーシーはエリカに問いかけるが、ややぼんやりしたような様子のエリカは、
「……何でも構いません」
「わかった」
そう俺は返して、早速お茶を淹れに向かう。
せっかくなので時間を止めて、お茶を淹れてすぐに戻ってくる。
相変わらずエリカはぼんやりしているようだった。
そしてルーシーはお茶に口をつけて、
「うん、香りが良くて美味し~。これで十分かな」
「じゃああのセッティングで構わないか。エリカはどうだ?」
「とても美味しいです」
相変わらずぼんやりとしたように答える。
どうやら貴族令嬢であり、魔法について知識がある分、“現在の状況”の異常さに衝撃を受けてこうなってしまっているらしい。
だが、彼女の兄はこんな風ではなかった気がするが、と俺が思っているとそこである人物が現れた。
だから俺が声をかける。
「“マダおじさん”、どうしたのですか?」
「いや、何、少し早めに出来ていたりしないか様子を見に来たのだよ」
「明日くらいにはできると思います。一通り材料がそろったので」
「そうかそうか。じゃあ明日来させてもらうよ。……喫茶店はお休みか」
「はい、今日は新メニューの開発日ですから」
「そうなのか? この前のグラタンは美味しかったから楽しみにしているよ」
「はい。ただ今回はデザートなんですよ」
「そうなのか? だったら、娘を今度連れてくるか? 妻もそういったものが好きだしな」
「よろしくお願いします」
そう俺は返して、“マダおじさん”はさっていった。
それを見ながら俺は、
「じゃあ早めにスコップを作っておくか。……今ここで作ってしまってもいいか」
というわけで、先ほどしまった“魔王の核”とその他材料を俺はこの場に呼び出した。
テーブルの上にぼとぼとと落ちてくる、金属の塊など。
硬くて魔力を通しやすく増幅しやすく軽くて……といったような複数の要素を勘案すると、これらの材料が必要だったのだ。
後は……これらを目的物の形になるような形に魔法を組み立てて、その魔法にこれらの材料を“通す”。
結果として、大きなスコップが一つ完成した。
これを明日渡しに行けばいいだけだ……そう俺が思っていると、エリカが更に青い顔になりながら、
「な、何、これ。魔道具作りもさることながら、この金属だって……あの、“マダラ金属”やらなにやら……これで、かつて凶悪な魔王を倒したと言われている伝説の剣ビスドールと同じものが作れる……そもそもこんな簡単に加工出来るものでは……いったいどうやって?」
「あ~、それは俺の特殊能力によるものなので俺はよく分からない。でも出来るから、そういうものだと割り切って、俺は深く考えないことにした」
「……」
その俺の説明に、考えるのが嫌になったのかエリカは、机の上に頭を乗せてうつ伏したまましばらく微動だにしなくなったのだった。
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