八条学園騒動記
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第四百八十五話 若し傍にいたらその五
「七十針縫って骨折五ヶ所の大怪我負ったのよ」
「それ下手したら死んでるレベルだよな」
「そう、出血も凄くてね」
「そんな怪我したのかよ」
「恐竜の突進受けてね」
からかってそうなったというのだ。
「それで入院もしてたから」
「それで親父さんもとお袋さんもアンジェレッタに言ったんだな」
「危ないから注意しろってね」
その様にというのだ。
「そう言われてきたの」
「というかその大叔父さんよく生きてたな」
「今もピンピンして働いてお子さん十二人いるけれどね」
「多いな、おい」
「一族で一番の子沢山よ」
連合は多産を奨励していて子供が多い家庭には税制や福利厚生で様々なサービスが提供される。それで子供を多く持ちたがる家庭が多いのだ。そしてそれが連合の人口をさらに増やせる結果になっているのだ。
「冗談抜きでね」
「十二人もいるとな」
「それで働いてだから。ただね」
「恐竜に襲われて大怪我してか」
「その人も恐竜について言ってるから」
「迂闊に近寄るなってか」
「ヤクザより怖いってね」
怖いものの代名詞のこの連中よりもというのだ。
「漁師と同じ位怖いって」
「ああ、漁師さんは確かに怖いな」
ロザリーもこのことは納得した。
「宇宙船の船乗りの人達も怖いけれどな」
「あの人達恐竜とお魚獲り合うし」
恐竜がいる星ではこうした事態も起こっている、養殖場に来た恐竜もそうだが大砲やレーザーガンで攻撃するのだ。
「若し船にぶつけられたら」
「そこから思いきりふっかけてくるんだよな」
「冗談抜きでヤクザ屋さんより怖いから」
二十世紀の日本の話だが漁場のシマを出せと言ってきたヤクザ者が逆に殺されてしまったという話もある。
「宇宙も宇宙でね」
「ぶつけたら怖いか」
「軍隊の船も避けるから」
これは中央政府軍も各国政府軍も同じだ、連合では軍艦はそうした民間の船に配慮して航行しなければならないのだ。
「ぶつけたら物凄いふっかけられるから」
「修理費をか」
「その船の値段の何十倍ね」
「それ新しい船買えてさらにかなり遊んで暮らせるよな」
「それだけふっかけられるからね」
「怖いんだな」
「その大叔父さんが言ってるのよ」
トリケラトプスをからかって大怪我を負った人がだ。
「大叔父さん宇宙港で働いてて漁師さんに知り合いいるけれど」
「それでどっちも知ってるんだな」
「そうなの、恐竜とも喧嘩して」
「ぶつけたらふっかけるんだな」
「特に軍隊相手はね」
「軍隊は立場弱いからな」
連合ではそうだ、宇宙の航行は民間人の船が有事の時以外は優先されることも中央政府及び各国の法律で決まっている。
「だから余計にか」
「ぶつけたらそれでね」
「金ふっかけられてか」
「ぶつけた船の艦長さんとか士官の人達は」
「クビか?」
「クビにならないしお金も支払わないけれど」
そのふっかけられる修理費は国防費から支払われる。
「始末書を書かされて処分を受けて」
「出世も終わりか?」
「そうなるらしいわよ」
「それじゃあもう機雷だな」
「そうよね、だから恐竜並に怖いらしいわ」
漁師や宇宙船の船乗り達はだ。
「ハンターよりもね」
「恐竜専門のハンターもいるだろ」
「いや、害獣駆除でもね」
それでもというのだ。
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