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レーヴァティン

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第七十三話 出発その十

「実際腐りかけの肉もな」
「食えるしな」
「それはそれで美味いんだよ」
「そうだよな」
「だからな、肉ってのはな」
「新鮮が最高じゃないんだな」
「そうとも限らないんだよ、変色していても」
 新鮮な肉からそうなっていてもというのだ。
「食えるし美味いんだよ」
「そういうことなんだな」
「ああ、それでこの店はな」
 芳直は今度は内臓料理を食べている、豚の内臓を様々な香辛料や香草で匂いを消してかつ味付けもした料理だ。野菜も入れている。
「それがわかってるな」
「それで美味いんだな」
「ああ、そういうことだよ」
「成程な」
「ただ。内臓はな」
 芳直は今食べている内臓についても話した。
「新鮮な方がいいんだよ」
「腐りやすいからか」
「あとじっくり火を通さないとな」
「駄目だよな」
「内臓は虫とかいたりするからな」
「それでだよな」
「危ないからな」 
 だからだというのだ。
「この店はそれもわかっているな」
「肉それぞれの性質がわかっていてか」
「料理しているな」
「ここのシェフは腕がいいか」
「そうみたいだな」
「あとビールもいいね」
 淳二は今それを飲んでいる、泡だっているそれを大きなジョッキに入れてもらっていてごくごくと飲みつつ言った。
「アルコール度も強いし」
「ビールでもか」
「うん、この強さは」
 実際にそのビールを飲みつつ久志に話した。
「八度はあるかな」
「アルコール度がか」
「それ位あるめ」
「ビールにしては強いな」
「そうしたビールもあるんだね」
「それでそのビールがか」
「強くてね」
 そしてと言いつつだ、淳二は久志にさらに話した。
「美味しいよ」
「そうなんだな」
「そういえば皆ワイン飲む方がいいね」
「ああ、確かにな」
 久志も否定せずに答えた、実際に淳二以外の面々は赤ワインを飲んでいる。
「そういえばな」
「痛風になるから?」
 ビールは飲み過ぎるとこの病気になる恐れがある。
「だから?」
「いや、そうじゃないけれどな」
「ただ単にかな」
「何かビールよりも美味い感じがしてな」
「こっちの島だと」
「それでずっとワインだったな」
 今思うと、とだ。久志は芳直に答えた。 
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