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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十一話 動物園の熊達その六

「一人では特にね」
「だから水滸伝の豪傑達は」
「強いのよ」
「そうでござるな」
「豪傑なのよ」
 文字通りにだ。
「そうなるのよ」
「左様でござるな」
「ただ、相当に餓えていないと襲ってこないから」
 友奈さんはその獣達の正しい姿も話した。
「安心してね」
「縄張りに入らずにでござるな」
「そうそうね、あと数人で行動していれば」
 単独でなくだ。
「余計に安全よ」
「獣が数を警戒してでござるな」
「襲ってこないから」
 こうした獣はえてして頭がいい、ただし海にいる鮫はまた違う。あの魚は血の匂いに敏感でコップ一杯の水を海にたらしただけでわんさと来るらしい。
「倒すにしてもね」
「数でござるか」
「それを頼むことよ、出て来れば」
 倒そうとしている獣達がだ。
「その時はね」
「左様でござるか」
「ええ、ただその場合は出て来るかどうかよ」
 大人数で獣を倒そうとするならだ。
「こっちが一人で縄張りに入ってしかも相当に餓えていたら襲い掛かって来るけれど」
「大人数ならでござるな」
「襲い掛かって来ないし」
「隠れるでござるな」
「そうなるから」
「獣も賢いでござるからな」
「熊もね」
 今僕達が見ているその獣もだ。
「あと現実の話をもっとすれば」
「むっ、今度は何でござろうか」
「虎の数は少ないわよね」
「実は絶滅が心配されているでござるよ」
 マルヤムさんはお国のこの事情を真剣な顔で話した。
「これが」
「そうよね」
「豹も少ないでござる」
「ヒグマもよ」
「そうでござるか」
「実は絶滅も心配されているの」
 実際に数が少なくなっていて保護も深刻な問題になっているらしい。
「獣害もあるけれどね」
「絶滅の心配もでござるか」
「あるのよ」
「そうでござるか」
「これがね」
「ううむ、深刻な話でござるな」
「だからそうした素手で倒すとかはね」
 それが例え水滸伝の豪傑位強くて可能でもというのだ。
「あまりね」
「してはいけないでござるな」
「保護を考えたらね」
 どうしてもというのだ。
「やれるものではないわ」
「動物の保護も大事でござるからな」
「そうでしょ、本当に」
「マレーシアでも深刻でござる」
 マルヤムさんは腕を組んで友奈さんに話した、勿論僕もその話を横で真剣な顔で聞いている。大事な話だと思って。
「実に」
「だからね」
「そうしたこともでござるな」
「しない方がいいのよ」
「獣害があるなら別でござるな」
 田畑や牧場を荒らされたり人が襲われたりしたらだ、実際に日本でも最近こうしたことが社会問題になっている。 
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