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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十一話 動物園の熊達その四

「マレーシアは虎いるよね」
「野生の虎はかなり減ったでござるが」
「それでもだよね」
「まだいるでござる」
「その虎とどっちが強いかな」
 これは今考えたことだ、そういえばシベリアでは虎と熊がいる。ついでに言えば豹や狼やクズリもいる。
「一体」
「ヒグマはそこまで強いでござるか」
「うん、アイヌの人達の間じゃ荒ぶる神だったから」
「自然のでござるな」
「うん、自然の荒々しさを象徴するね」
 まさにだ。
「そうした存在だよ」
「恐ろしい強さでござるな」
「熊は強いよ」
 特にヒグマはだ。
「実際にね」
「そうでござるな、実は拙者はでござる」
「熊好きだよね」
「そうでござる、しかもマレーグマよりも」
「他の熊が好きなんだ」
「そうでござる」
 僕達はツキノワグマのコーナーからマレーグマのコーナーに移った、すると実際に熊としては小さかった。
「それも大きな熊がでござる」
「じゃあこのマレーグマは」
「嫌いではないござるよ、国の熊でござるしな」
 マレーシア、マルヤムさんのお国のだ。
「だからでござる」
「嫌いではないんだ」
「けれどマレーシアで獣といえばでござる」
「虎だよね」
「それか豹でござる」
 こちらの獣もというのだ。
「けれどやはりでござる」
「第一は虎かな」
「こちらでござるな」
 どうしてもというのだ。
「阪神タイガースの如き強さでござる」
「阪神は虎だからね」
「日本では虎は阪神でござるな」
「何といってもね」
 もう日本では完全にそのイメージだ、尚あの虎は当時日本が何処をどうやったらこうなるんだろうというプロセスを経て併合したあの半島にいたチョウセントラだ。
「あのチームだよ」
「そうでござるな、やっぱり」
「うん、ただ今は強いけれど」
「昔はでござるな」
「弱かったよ」
「もうその弱さは」
 友奈さんもここで言ってきた、いつもの無表情な感じで。
「折り紙付きだったわ」
「強さが折り紙付きだったんだ」
「打線が打たなくて」
 実際にこれに尽きたらしい、当時の阪神は。
「全然点が入らなくてね」
「投手陣はよかったでござるな」
「それが伝統だから」 
 本当に何時でもピッチャーはいいチームだ、ただ最低限に抑えても打線が打たないので負けるので弱く見えるだけだ。
「その頃でもよかったの」
「先発から中継ぎ、抑えまでもが」
「特に中継ぎがよかったわ」
 弱い時代の阪神の中継ぎ陣は中継ぎ課と呼ばれて個性的な技巧派投手が揃っていた。
「先発もそこそこだったし」
「では打線でござるな」
「あまりにも打たなかったから」
 攻撃時間の短さは凄かったらしい。
「勝てなかったの」
「そうでござるか」
「それで昔の阪神はね」
「虎でもでござるか」
「弱かったの」
「今とはえらい違いでござるな」
「ええ、今もカープには負けるけれど」
 毎年優勝していても苦戦はする。 
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