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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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納得いかない事がある。それがこの国だ!

(グランバニア城:中庭)

ある晴れた昼下がり、グランバニア城のプライベートエリアにある中庭で、この国の宰相と上級メイドが紅茶を飲みながら談笑している。
いや……談笑という言葉で合っているのかは疑問だが。

「納得いかねー……絶対に納得いかねー!」
「うるさい宰相閣下であること。今に始まった事じゃないでしょ」
何かに納得してない宰相閣下が、偶然出会(でくわ)した上級メイドに紅茶を用意させ愚痴っている。
昼休みと3時の休憩の間の為、この二人以外は見当たらない。

「ふざけんなよ、馬鹿にされる歌を大勢が歌うんだぞ! そんな目に遭ってみろ」
「私は好きですけどね……『ウ~ルポンポン』って(笑)」
現在、城の内外で宰相の事を面白可笑しく歌う子供らが多数居る。その事への不満だろう。
因みに、その歌を生み出したのは宰相閣下の彼女の一人だ。

「ウルポンって呼ぶな!」
「皆さんに好かれてるとは思わないんですか?」
歌の内容次第だが……

「思うわけねーだろ!」
「小さいわぁ~」
断っておくが“器”の事である。

「何だと~!?」
「あぁ小さい。これだけ小さいと、アレも小さいんでしょうね。だから姫様は大丈夫だったのね」
今度は下ネタだ。

「それでは俺がお前の歌を広めてやろうか!」
「わ、私の歌!?」
不機嫌を絵に描いたような顔の宰相に、不気味な事を言われ戸惑う上級メイド。

「少し前にリュカさんが歌ってるのを偶然聞いちゃったんだ(ニヤリ)」
「へ、陛下が私の事を歌ってたんですか!? へ、変な歌じゃ無いでしょうね?」
宰相閣下を馬鹿にする歌を歌った女の父親だ……正直不安しか無いだろう。

「今から歌ってやるから、お前が判断しろ」
そう言うとご自慢の記憶力を披露するように、以前に聴いた国王の歌を歌い出す宰相閣下。
歌唱力は、可も無く不可も無くってところだ。


♫白くきらめく Triangle Cloth(トライアングル クロッチ)♪
♫そよ風になびく Every Time(エブリ タイム)♪
♫私の中の Passion Libido(パッション リビドー)♪
♫ひと嗅ぎだけで Fall in Love(フォリンラブ)♪
♫甘い香り 頭に被れば 今夜♪
♫秘密めいた 私の扉が開くよ♪
♫純白 Panty(パンティー)♪
♫マジ 手に入れた♪
♫白い色に光る♪
♫美し Panty(パンティー)♪
♫マジ 興奮する♪
♫日の光あびて We Get You(ウィ ゲッチュー)♪
♫Mysterious Girl(ミステリアス ガール)♪


「最低。お前やっぱ最低!」
「俺が作った歌じゃ無い! リュカさんが作ったんだよ」
激しく白い目を向けられ、慌てて言い訳する宰相閣下。

「作ったのは陛下でも、歌い広めようとしてるのは閣下でしょ!」
「そ、そうだが……で、でもこれで俺の気持ちが解るだろ!」
その為にこんな歌を広めようと言うのだろうか?

「でも陛下は、この歌が誰を表しているのか明確にしてないじゃない。でも閣下はそんな事に関係なく、歌を広めようとしてるじゃないですか! やっぱ最低」
歌の内容が酷い所為か、それを伝えた宰相への批難が止まらない。

「やっぱ納得いかねー!」
「閣下が頬を膨らましても、全然可愛くありませんから。それはリュリュ様の専売特許ではありませんか?」
不愉快さがぶり返した宰相閣下は、両頬を膨らませふて腐れる。まるでリュリュ姫のように……

果たして宰相閣下に幸せは訪れるだろうか?
それは誰にも解らない……なんせこの国はグランバニアなのだから。



 
 

 
後書き
キャッツ・アイの替え歌だよ。
 
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