| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十六話 受験が終わってその二十

「変な笑顔だったり、あと人に対する態度を見ていても」
「自分以外へのそれも」
「はい、すぐに手の平返ししたしさっきまで仲良かった人をとんでもなく冷たい目で見ていたり他の人の色々吹き込んでいたり」
「それ全部駄目でしょ」
 人間としてです、何か阿波野君は悪質な人と結構出会ってきているんじゃないかとも思いました。どれも最低の人じゃないでしょうか。
「それこそ」
「色々吹き込む奴は数ヶ月前に相手におべんちゃら言ってそれでしたね」
「いや、それ人間としてどうなのよ」
「こうした連中は信用出来ないと思います」
「何か相当な人じゃないと矯正出来ない人達ね」
 阿波野君が嫌うのも当然かしらとも思いました。
「どの人達も」
「僕が思うにどんな宗教でも哲学でも救えない人いますよ」
「それはないわ」
 私は阿波野君の今の言葉はすぐに否定しました。
「どんな人でも救われるから」
「そういえば教典でも書いていましたね」
「そうでしょ、どんな人でもなのよ」
 このことはしっかりと言いました、例えもうこれはどうしようもないとしか思えない様な人でもです。
「救われるから」
「そうなんですか」
「その人が救われたいって思って心から信心したらね」
「その人次第ってことですか」
「そう、だからどんな人でもよ」
 救われると阿波野君に言いました。
「それはね」
「そうなんですね」
「勿論阿波野君も救われるし」
「先輩もですね」
「ええ、真面目に信心したらね。だから私はね」
 阿波野君に強い声で言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧