八条学園騒動記
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第四百八十四話 アーケロンその三
「むしろ虎とかよりもな」
「鬣でね」
「だからな、恐竜だとな」
「そうはいかなくて」
「結構困るんだよ」
こう言うのだった。
「つがいもわからなくて」
「まあ普通にそうよね」
「アーケロンだってな」
「これから観に行くその恐竜も」
「ついでに言うと年齢もわからないからな」
それもというのだ。
「何歳なのか」
「恐竜って結構長生きよね」
「みたいだな、鶴は千年亀は万年って言うけれどな」
「そこまで生きなくても」
「やっぱり相当長生きみたいだぜ」
「人間並とか」
「百歳まで生きる種類あるらしいしな」
このことは生物学的にも確認されている、人類は宇宙に出て恐竜とも遭遇し彼等のことを確かに知ることが出来たのだ。
「どうにも」
「じゃあやっぱりね」
「長生きだよな、恐竜って」
「本当に人間並ね」
「それで大きさもな」
「歳を経るにつれてで」
つまり成長していってだ。
「すげえでかさになるからな」
「三十メートルとかね」
「どれだけでかいんだよ」
その三十メートルについてだ、ロザリーはいった。
「生きものとしちゃ相当だよな」
「そりゃ何百メートルもある生きものもいるけれどね」
「リバイアサンとかな」
ある星の海にいる最大一キロメートルにもなる鯨である、その大きさから聖書の怪物の名前が冠されたのだ。
「あと百メートルの海蛇とかな」
「そういうのいるけれど」
「それでも三十メートルってな」
そこまでの大きさとなると、というのだ。
「やっぱりな」
「滅茶苦茶大きいわよね」
「プテラノドンだってな」
ロザリーは翼竜の代名詞とさえ言われるこの恐竜の話もした。
「翼広げたら七メートルだよな」
「それ位あるのよね」
「でかいな」
「だからいる星じゃ生息地域には迂闊に近寄るなってね」
「言われてるんだよな」
「冗談抜きに攫われて」
人間でもである。
「後はね」
「喰われるよな」
「そうもなるからね」
「迂闊に近寄っていい相手じゃないな」
「大きいだけでね」
それだけとだ、アンジェレッタも言うのだった。
「やっぱりね」
「怖いよな」
「肉食恐竜の餌たりなんて」
「ライオンや虎にやるより危ないよな」
「遥かにね」
それこそとだ、アンジェレッタはまた言った。
「だから機械であげてるし」
「人が近寄るとな」
「飼育員の人自身がね」
「餌になるよな」
「だからね」
「機械に餌をやらせるんだな」
「アーケロンは大人しいけれど」
これから観に行くこの恐竜はだ。
「けれどね」
「他の恐竜はな」
「海だとエラスモサウルスとか」
この首が異様に長い首長竜だとだ。
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