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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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復讐は虚しさを伴う

 
前書き
このエピソードは前回の「オラこんな奴嫌だ」の翌日です。

新曲『残念な天空の勇者』にご注目。 

 
(グランバニア城)
ユニSIDE

今日も仕事を終え帰宅の途につく。
帰宅と言っても私の家は城内にあるので、それ程遠い道程ではない。
しかしグランバニア城内には多数の人々が勤めている為、短い帰途でも多くの人と擦れ違う。

そして同じく城に住んでいるとある女性に遭遇する。
そう……今をトキメク歌姫、マリー嬢が前方から鼻歌交じりで歩いてきた。
遺伝子が遺伝子なだけに見惚れてしまう程美しい。
擦れ違う誰もが見とれ振り返る。

更に口ずさむ歌に誰もが聴き惚れる。
美しいメロディー……心躍るリズム……
誰もが聞き入っている……ハズなのだが、何人かがドン引いた表情をしている。何だ?

何故だか解らないが、私もマリー様の歌(歌詞)に注意してみた……
そ、そしたら何と!?
とんでもない歌を歌ってるではないか!


♫残念な 天空の勇者♪
♫少年は 身内が好き♪

♫ずっと想ってた 愛しの妹 腹違い♪
♫貴女の事 好きでいた 結ばれる事を待つ♪
♫不意に 身内以外 結婚する事出来て♪
♫運命さえ まだ知らない 生まれてくる娘♪
♫だけど いつか 気付くでしょう その娘には♪
♫男を惹き付ける程の 美貌がある事♪

♫残念な 天空の勇者♪
♫娘への 疑惑膨らむ♪
♫ほとばしる 熱い想いで♪
♫娘の処女 守り続ける♪
♫この愛を 押し付け生きる♪
♫少年よ 神話になれ♪


あ、あの娘は説教され続けてるのに懲りたりはしないのだろうか?
昨日リュカ様が彼女を貶める歌を歌い我々(彼女の家柄を知る者のみ)にも教えてくれましたが、それの仕返しだろうか?

あまりにも愚弄が酷すぎて顔の筋肉が引き攣る。
ウ~ルポンポンくらいのライトさが丁度良いのに……
この歌を聴いて誰が得するというのだろうか?

「マリー!!」
「あ、やべぇ……見つかった!」
人伝に聞いたのか、直接耳に入ってきたのか、ティミー殿下が怒りを露わに現れた。

羨ましいくらいの巨乳を揺らし、脱兎の如く逃げ出すマリー様。
並の人間であれば一瞬で見逃していたであろう……
だが殿下は並でない。まさに神速だ。

「は、離せ変態ぃぃ!」
「ふざけるなよ。馬鹿にするのもいい加減にしないと、流石に怒るぞ」
いえ……もう大激怒しても良いと思います。

「ふふふ……ガルマ、聞こえていたら、君の生まれの不幸を呪うがいい」
「ガ、ガルマ? 何言ってるの……?」
「君は良い友人であったが、君の父上がいけないのだよ……フフフフ……ハハハハハハ!!」
「マ、マリー……如何した?」

腕を掴まれジタバタしながらもニヤケなが意味不明な事を言う。
何時もながら、この()の言ってる意味が理解出来ない。
これが天才と言う事なのか? 宰相閣下とは違う意味で面倒臭ぇ……

「と、兎も角こっちに来い!」
「いやぁ~ん。痛~い」
微妙な表情の殿下に連れられ、王家のプライベートエリアへと消えていく二人。

今日も説教ですね。

ユニSIDE END



 
 

 
後書き
言わずもがな、
「残酷な天使のテーゼ」のリズムで歌って下さい。 
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