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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十八話 ノーヒットノーランその十二

「ああしたことすらが」
「何もかもがね」
「本当に変よね」
「国家体制にしても」
「やってることにしても」
「そんな変な国がいいなんて」
 それこそだ。
「馬鹿か変態さんだよ」
「どっちにしてもね」
「おかしいってことよね」
「そう思うよ、僕は」
 本当に心から思うことだ。
「流石にうちの学校にはそんな先生いないけれどね」
「うちは企業グループのお家が経営してるし」
「義和のお家がね」
「総帥さんあの国大嫌いだし」
 何でも建国当初に初代の首領様の顔を見てこいつはとんでもない奴だと言われたらしい。そもそもこの首領様にしても実は伝説の将軍じゃなくてソ連から来た偽物だったらしい。あの名前も本名ではないとのことだ。
「一族の人でも好きな人いないよ」
「義和のお父さんもってことね」
 香織さんは僕の今の言葉からすぐにこのことを察して聞いてきた。
「そうなのね」
「下品だとか反面教師とかいつも言ってたよ」
「ああ、やっぱりね」
「あの人だと」
 詩織さんは内心血縁があるのかと疑っているせいか妙に思うところがあるといった感じで言ってきた。
「あの国は嫌いそうね」
「そうだよね」
「ああした贅沢もしないから」
「遊ぶのは好きだけれどね」
 お酒に女の人に美味しいものはだ。
「けれど誰かを餓えさせてとかはね」
「しない人ね」
「あれでも人を助けて話が見助かるだから」
 天理教の教えだ、これも。
「お医者さんとして仕事は真面目でね」
「ちゃんと働いて人を助けて」
「お金も受け取ることは受け取っても」
 それで派手に使っていてもだ。
「僕の面倒は見てくれてるし寄付もね」
「してるのね」
「そうしたこともしてるから」 
 人として必要なものは全部持っている感じでだ、捨ててはいけないものは捨てていないと言うべきか。
「あれでね」
「曲がってないのね」
「そうした親父だよ」
 こう詩織さんに話した。
「だからね」
「あの国も嫌いなのね」
「体制の維持の為に国民の人達を餓えさせて軍備増強ばかりで」
 ミサイルもその一環だ。
「拉致はしてたしテロもだったし」
「それじゃあね」
「親父が好きになり理由がないよ」
 どう考えてもあの親父があの国を好きな筈がない。
「個人崇拝も嫌いだしね」
「あの銅像ね」
「そう、でかいね」
 あの国の名物の一つのだ、あの国に碌な名物がないのは気のせいだろうか。
「僕にも俺は尊敬するなって言ってるし」
「自分はなの」
「そう、言ってるよ」
 今だってそうだ。
「自分を尊敬するよりも他のね」
「素晴らしい人達をっていうのね」
「尊敬しろって言うし」
「それじゃあ個人崇拝も」
「大嫌いだよ」
 僕も自分で自分を尊敬しろとか他人に言うのは恥知らずだと思う、そんなことを言う人の何が尊敬出来るのか。 
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