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ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)

作者:蜜柑ブタ
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第二十五話  精神干渉

 
前書き
使徒アラエル編。

アラエルの精神干渉の力に次々にやられる地球防衛軍。だがその中でただひとり…。 

 
 地球には二つの月がやってきた。

 白い月には、アダム。
 黒い月には、リリス。

 アダムは、生命の実を。
 リリスは、知恵の実を。

 それぞれが生命の起源となる果実を持っており、本来なら一つの月しか来ないはずの惑星に二つの月が来たことで、両者は対立する宿命となった。
 彼らがどこからやってきたのかは分からない。
 だが彼らは、使徒を含め地球の全ての生命の起源となった。
 アダムは、自らの眷属である使徒と共に白い月のある南極で眠り、地球には知恵の実を持つ生命で溢れることとなった。
 やがてリリスの子孫である知恵の実の集大成と言える人間という種族がアダムに干渉しようとした。
 生命の実であるS2機関を起動し、自分達の物とするために。
 そして起こったのがセカンドインパクトと呼ばれる大災害。
 ロンギヌスの槍という槍でアダムが砕かれ、卵に還元されたその余波であるという。
 地球はどうしようもないほど破壊され、多くの人類と他の生命も死滅した。
 人類と対立してきた怪獣達も姿を消した。
 それでも生き残った生命は、意地でもこの地球で生きている。
 そんな中、使徒が現れ、サードインパクトの危機がおとずれようと、ゴジラが復活しようと。
 それでも戦い、生き残る。戦うために生き、生きるために戦う。それを繰り返す。





***





 アダムとリリス。

 その存在が、リツコにより開示され地球防衛軍は騒然となった。
 どちらも使徒であるし、しかも地球上の生命の起源であると言うのだから信じられないし、アダムに至ってはセカンドインパクトの元凶ともいえるのだから。
 アダムの卵については、加持の情報によるものだが表向きはゲンドウが隠していたのをリツコが見つけたということになった。
 使徒が第三新東京を目指して行動する理由が、アダムと接触するためであることも明らかになった。
 だが実際には、第三新東京にはアダムはなく、リリスが代わりにいるのであり、アダムは、魚型の使徒(ガキエル)の襲来の時にドイツから運ばれて来たということらしい。魚型の使徒が轟天号を狙ったのは、轟天号が運んでいたのが弐号機だけじゃなく使徒アダムも一緒に運んでいたためだったそうだ。
 こうしてネルフは、隠していたほとんどすべての重要な情報を出したことになる。

「できればMAGIは残しておいてほしいわ。これは私の母の忘れ形見だもの。」

 使徒が第三新東京を目指す理由が分かった以上、ネルフがある意味も失われたも同然だった。
 だが使徒とゴジラの決戦の地としては、第三新東京以外にないため、引き続き最低限の維持を命じられた。
 回収されたアダムは、地球防衛軍の科学研究部で解析をと言う声が多々あったが。

「またセカンドインパクトのを起こしたのかよ。いや、次はサードインパクトか。」

 セカンドインパクトのあの惨状から、アダムに手出しするのは臆され、だがそのままではアダムが成長しサードインパクトの引き金になるということで…。

「なんでまた、俺に?」

 ツムグに一任された。
「おまえがこの手のことには適しているんだよ。」
 と言って、アダムの入ったトランクを渡される。
「そんなこと言って、何をするかはもう決まっているのにさ。」
「こっちだってコレ(アダム)を処分するのは、勿体ない限りなんだ。他の連中が勘付く前にとっととやれ。」
「はいはい。」
 ツムグは、やれやれと肩をすくめて、トランクを開けた。
 胎動する卵を取り出し、そして。

「あーん。」

 一口でいった。

「…うわっ。マっっっっズ!」
 喉と腹を押さえて、ツムグは、嫌な顔をした。
 その後もマズイマズイと連呼しながら涙目。
 アダムを持ってきた人も嫌そうな顔をしている。
「ねえ。吐いちゃダメ?」
「吐くな。そのまま腹に入れてろ。アダムの波動を出さないようにするには、そこ(ツムグの腹の中)が一番なんだとさ。」
「赤木博士が言ったの?」
「使徒にとって、おまえの細胞は天敵だからだとさ。」
「だったら俺の胃袋なりを摘出してそれに入れたら?」
「胃袋程度でアダムの波動を防げたら喰わさないわ。」
「あっ、そう。…うぇ…。」
 もう吐きそうと言わんばかりに、ツムグは気持ちの悪いという顔をした。
 こうしてアダムは、ツムグの腹の中で保管(?)されることになった。

 リリスの方は、とにかくでかいのと、磔にされているのと、地下深く過ぎて運び出せないということで、ネルフの地下に残っている。
 それにまだ現時点で使徒にアダムがリリスだということがバレていないはずなので、引き続き使徒を引き寄せるためというのもあった。


 ところで…。
「ツムグ。」
「なに?」
 尾崎達がツムグを訪ねた。
「ネルフの地下に行ってきたんだ。もう何が言いたいのか分かるよな。」
「ああ。うん。」
「なぜレイちゃんのクローンをすべて焼き払ったんだ?」
 地下にあったレイのクローン体の全てを熱線で焼き払ったことがバレたようだった。
 しかしそれは想定の範囲内であるツムグは、特にリアクションはせず。
「あのままじゃ、あの子が暗殺になりして殺されて、あそこにあるクローンに魂が移ってたかもしれないじゃん。」
 と、悪びれもなく答えた。
「おまえ。」
「あそこの映像は尾崎ちゃん、見たんでしょ? あんなの見せられたら尾崎ちゃんはそのままにしてられる? 誰かに見せたいと思う?」
「……。」
 培養液の中を漂っていたレイのクローン体達の映像を尾崎は超能力で見ている。尾崎は何も言えず押し黙った。
「それとも実験したかった? 音無博士。」
「っ、やめて。」
「そうだよね。分かっててもやりたくない。それでいいじゃん。」
 尾崎達は、ツムグのその態度に怒りを覚えたが、過ぎてしまったことなのでこれ以上の追及はできなかった。



 なおアダムが地球防衛軍の手に堕ちたと知って、ゼーレは、阿鼻叫喚であったらしく、取り返そうと刺客を送ったりしたものの、アダムの所在を掴めず徒労に終わることになるのは別の話である。





***





 そんな中、新たな使徒が出現した。

 サハクィエルに続いて、またも宇宙空間に現れたその使徒は、光そのもののような体をしており、翼を広げた鳥のようにも見える形をしていた。
 サハクィエルの時のこともあり、落下攻撃を警戒していたが、落下攻撃をしてくる素振りはない。
 翼を広げて宇宙空間をバックにそこにいる姿は、これまでの使徒の中で特に美しく神々しかった。

 この使徒の名は、アラエル。鳥を意味する。

「宇宙への攻撃について、前回の使徒(サハクィエル)の時に使用したメーサー砲を使うことを提案します。」
「しかしあれは、あの時に大破したのでは?」
「新たに開発した物がある。」
「轟天号を宇宙に打ち上げるのは?」
「使徒の攻撃方法が分からぬ以上、それは他の艦隊による総攻撃のために取っておけ。」
「モゲラも加えましょう。」
「いい案だ。」
 モゲラは、ゴジラとの戦いで一回大破(※壊したのはツムグ)して以来出番がほとんどなかった。機龍フィアの運用に疑問符を持つ者達はモゲラの活躍に期待を寄せている。機龍フィアが修理中なのもありモゲラを宇宙へ飛ばす案は案外すんなりと通った。
 そして宇宙空間にいるアラエルへの攻撃のため、準備が始まった。
 巨大砲塔を空へ向けて整え、モゲラや轟天号を始めとした艦隊を打ち上げるためのロケットの準備をしていた。
 その時だった。

 柔らかく眩しい光を、アラエルが地上に向けて発し始めたのである。

 それが巨大砲塔を整備していた地上班に降り注ぐと……。
 突然彼らは頭を抱えて苦しみだした。工具を投げるように手放し、高台にいた者は高台から転がり落ちるなどの被害が発生した。
「なんだ!? 何が起こっている!?」
「あの光か…! これがあの使徒の……っ!?」
 地上で待機していた部隊にも光が降り注ぎ、彼らも漏れず苦しみだした。
「うわああああ!」
「やめろぉぉぉぉ!」
「いやだ、イヤダ! イヤダーーー!」
「見るなミルな見るな! 俺の心に入って来るなーーー!」
「やめてくれぇぇぇぇぇ、入って来るなぁぁぁぁ!」
 口々に泣きながら叫ぶ彼らの声から、アラエルの攻撃方法が分析できた。
「精神干渉!? それがあの使徒の攻撃か!」
「物理攻撃でもなんでもなく、精神そのものに直接攻撃してくるとは…、いったいなぜ…?」
「ともかくあの光に…、っ!? まずい、光がこちらにも来ているぞ!」
「退避! 退避! 建物内へ逃げろ!」
「あの光に触れるな!」
 光に触れずにすんだ他の部隊が大急ぎで建物内へ逃げ込んでいった。
 アラエルの光は、やがて場所を移動し、地球防衛軍の基地の方へと向かってきていた。
「使徒の光が基地に! 基地に応答願う! あの光に触れるな! 触れたら精神を侵されてしまう!」
 想像を超えた使徒の攻撃に、現場も基地も騒然となった。

 地上で待機していたミュータント部隊にも、光は降り注いだ。
 精神系の超能力で体性があるはずのミュータント達ですら、アラエルの強力な精神干渉に負け、頭を抱えて苦しみだす。
「クソぉぉぉぉ!」
 頭を抱え、悔しさをぶちまける風間。
 このまま全員アラエルにやられてしまうかと思われたが。

 ところが。

「風間! みんな!」

 なぜか尾崎だけは光の中で普通に活動できた。
「やめろ、やめてくれ! みんなの心を犯すのをやめてくれ!」
 尾崎は、遥か彼方にいる使徒に向かって叫んだ。
 尾崎には、何をされているのか理解できていた。だが彼はアラエルの精神干渉で苦しまなかった。
 風間は、地面に転がりながら尾崎だけが光の中で立っている姿に、驚きを隠せないでいた。
「な…んで…、おま、え、だ…け…。」
 風間は、目の前が暗くなる中そう呟いた。





***





 訓練校の外向きにある廊下をアスカは歩いていた。
 訓練校から凄まじい警報音が鳴り響きだす。

『緊急事態! 緊急事態! 生徒は館内に避難せよ! カーテンを閉め光を入れるな!』

「な、なんなのよ?」
 アスカは、放送の意味が分からなくて立ち止まってしまった。
 外の光がしっかりと入って来る廊下で。
「とにかく館内に入らないと…。」
 館内に急いで戻ろうとした、その時。
「キャア!」
 見えない壁に当たって転倒した。
「なに!? なんなのよ!?」
 起き上がりながら館内への出入口を見ると、光る壁のような物がアスカの行く手を遮っていた。
「なによこれ!? まさか、ATフィールド!? なんでこんなところに!?」
 アスカは、壁を叩いたり押したりしたがATフィールドはなくならない。
 ならと逆方向に移動しようとすると、またATフィールドが発生し阻まれた。
 アスカは、ATフィールドに閉じ込められてしまった。
「なんなのよ!? 何が起こってるの!? 使徒!? こんなところで…っ。」
 アスカがうろたえていると、ふと視線を感じて後ろに振り向いた。
 別の外付け廊下から、誰かがアスカを見ていた。
 訓練校の生徒ではない。
 遠目に見ても分かる銀髪だった。
 アスカが茫然としていると彼女にあたたかな光が降り注いだ。
「い…、いやああああああああああああああああ!?」
 頭を抱えて悲鳴あげて倒れるアスカ。
 別の廊下に立っていた銀髪の人物は、アスカがアラエルの光に当たったのを見届けると、ニヤリと笑ってその場からいなくなった。





***





 アラエルからの攻撃は、基地にも降り注いだ。
 なにせただの光のように見えるそれ。
 天から降り注いでいるので建物内へ逃げ込む以外で防ぎようがない。しかも少しでも浴びたら忽ち精神を犯される。

 そんな中で尾崎だけが精神干渉を受けなかった。

 風間達を建物内へ運んでいたが、自分のいる部隊の半数程度しか運べず、極度の精神干渉で生命維持すら危ぶまれる状況となり心肺停止に陥る者達が続出してしまった。
 建物内へ逃げ込んだ他の部隊が、風間達に心臓マッサージをしている尾崎を見つけ、尾崎だけがなぜかアラエルの光の攻撃に耐性があったことが判明した。

「カイザーとしての神経構造の違いでしょうか?」
「重要なことは精神干渉をされなかった、大事なのはそこよ。」
 音無が強く言った。
「この状況をどう打開するか…。相手は宇宙空間にいて、しかも強力な精神干渉を行って来る…。」
「接近戦も遠距離戦もできませんよ。」
「うう…、どうしたら…。」
 誰もが頭を抱える状況だった。


 そして。


「それでまた俺に?」
 ツムグに意見を仰ぎに行くことになった。
 レリエルの時もだが、ツムグに意見を求めることに良い顔をする者は少ない。
 ツムグが出す言葉がほぼ100パーセント当たることだけに頼りたくないのだ。
 機龍フィアが修理中なため部屋で待機していたツムグに、使徒の映像が映されたパソコンを見せた。
「なんか随分と思い切ったことするなぁ。」
「どういうことだ?」
「こいつ(アラエル)、人の心を理解しようとしてるって感じだ。別に攻撃のために精神干渉をしてきてるわけじゃないってこと。」
「なんだと!? 使徒が人の心を!?」
「使徒にしてみりゃ人間って、自分達にはない知恵の実を持つ存在じゃん。だから知りたくなったんじゃないかな。知恵の実がもたらした心ってモノを。自分達が勝てば心ってのを手に入れるんだし。事前調査?」
「攻撃が目的じゃないのか…。奇妙なことだ。」
「こいつに弱点はないのか? どうやったら倒せる?」
「そーだねー。」
 ツムグが勿体ぶるように足をブラブラさせる。
「ちょっと協力してもらおうか。」
「は?」
「赤木博士に連絡して。エヴァンゲリオンを動かしてもらおう。」
「なんだと!?」
 驚く彼らに、ツムグは、ニッと笑った。


 ツムグが示したことは以下の通りだ。
 ターミナルドグマにあるリリスを磔にしている槍…、ロンギヌスの槍というものがあるので、それを使いたい。
 引っこ抜くのには現時点でエヴァンゲリオンが最適なので、現在動かせる零号機に抜いてもらうこと。
 エヴァを動かすためにファーストチルドレンであった綾波レイに協力が必要なこと。

「……。」
「レイちゃん、無理しなくてもいいんだよ?」
「いいえ。私、やります。」
 招集されたレイは、承諾した。
「ツムグは、一体何を…。」
 尾崎もそれに同行することを命じられた。


 そしてネルフにで放置されていた零号機を起動。
 ターミナルドグマへは、ロープに捕まって零号機を降下。
 目の前にしたリリスの姿に、零号機に乗っているレイは、苦しげに眉を寄せた。
『レイちゃん?』
「…大丈夫です。」
 昇降機からターミナルドグマに降りた尾崎からの通信に、レイは、そう答えた。
 最低限の整備しかされていないため零号機は、若干動きがぎこちないが、リリスに突き刺さっているロンギヌスの槍に手をかけた。
 一気に引き抜かれると、リリスの下半身が一瞬にして再生した。
『足が生えた!?』
『落ち着いて。リリスの下半身が再生しただけよ。』
 尾崎と共にターミナルドグマに降りたリツコが言った。
『…リリスは、死んでいるんですか?』
『……魂がないのよ。』
 リツコは、少し合間を置いてそう答えた。
「……。」
 その会話を聞いていたレイは、複雑な心境になった。
『それで、一体ここからどうするんだ?』
 通信機でツムグに繋ぐ。
『ロンギヌスの槍に触ってみて。』
『は? 触るって…、何の意味が…。』
『時間ないんだから、ちゃっちゃやろうね。』
『…分かった。』
『レイ。ロンギヌスの槍をこちらに。』
 疑問が残るが言われたとおりにするしかなく、零号機に乗るレイにロンギヌスの槍を尾崎の所に近づけさせた。
 目の前にしたロンギヌスの槍は巨大で、とてもじゃないが尾崎がもてるはずがない。
 ツムグが言うのだから何かがあるの間違いないがそれでも疑ってしまう。
 時間もないので恐る恐るといった様子で尾崎はロンギヌスの槍に手を触れた。
『っ、なっ!?』
『えっ!?』
 次の瞬間、ロンギヌスの槍が白く光るとあっという間に縮小し、尾崎が持てる大きさになってしまった。
『槍が…、小さくなった!』
『これは! どういうことかしら?』
 リツコもこれには驚いている。ロンギヌスの槍にそんな機能があることを初めて知ったのだ。
『その槍はね、自由に大きさを変えられるんだ。それ投げればあの使徒は倒せるよ。』
『投げるって…。宇宙まで届くわけ…。』
『届くよ。あの使徒を倒したいって気持ちを込めればね。その槍は意志に反応する。』
『…分かった。やってみる。』
 尾崎は通信機越しに頷いた。
 リツコは、ロンギヌスの槍を持っている尾崎と小さくなったロンギヌスの槍を交互に見て、何か考え込んでいた。



 第三新東京の大地に出た尾崎は、ロンギヌスの槍を持ち直しながら空を見据えた。
 遥か空の彼方、宇宙にいる使徒アラエルはいぜんそこに存在する。
 アラエルの光が第三新東京に降り注ぐ。まるで尾崎が出てくるのを待っていたかのように。
 尾崎は、槍投げ選手のように構え、そして。
「いけえぇぇぇぇぇ!!」
 恐ろしい速さで投げ放った。

 ロンギヌスの槍は尾崎の手を離れるとその大きさを変え、どんどん巨大化し、やがて大気圏を突破した。
 そして、アラエルに命中。
 アラエルは、真ん中から引き裂かれるようにロンギヌスの槍に貫かれ、宇宙空間で散滅した。
 アラエルを滅したロンギヌスの槍は、そのまま宇宙空間を飛行し、やがて月に到達した。

「や…やった?」

 尾崎は、アラエルの光が消えたことで使徒の消滅を感じ取った。



 こうして使徒アラエルは、殲滅された。





***





「尾崎君!」
「美雪。」
 基地に帰還した尾崎を音無が出迎えた。
「風間達は?」
「風間少尉は意識が戻ったらしいは。他の人達はまだ治療中よ。」
 そう会話していると、風間が少し足を引きずりながら尾崎のところへやってきた。
「風間、無事だっ…っ!?」
 風間の無事を喜ぶ尾崎を、風間はガッと殴った。
「…チッ。」
 舌打ちをした風間は、踵を返し、去っていった。
「風間…。」
 頬を抑えた尾崎は、去っていく風間の背中を見つめることしかできなかった。 
 

 
後書き
アラエルの撃退方法は、これ以外に思いつきませんでした。
また椎堂ツムグがロンギヌスの槍を邪魔だと判断したので、使わせたという理由もあります。

風間は強いですが、神経構造上は、他のミュータントと同じ。なのでカイザーの尾崎と違うのでアラエルの精神干渉に耐性がなかったのです。 
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