おもちゃは素敵
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第二章
「そう思ったよ」
「そうですか」
「うん、それじゃあね」
そのお客さんは自分が買いたいものを買って帰った、このお客さん以外にもだった。
多くのお客さんが千沙都を見て中学生酷い時は小学生とさえ言った。千沙都もこのことが気になっていてだ。
それでだ、時折店長にこのことをぼやいた。三十代の女性の店長だった。
「私子供に見えます?」
「それを言うとね」
店長はこうした時いつも千沙都に困った顔になって答えた。
「千沙都ちゃん小柄で童顔だから」
「それで、ですか」
「悪いけれどね」
これが返事だった。
「ここから先は言わないけれど」
「そうですか」
「けれどね」
「けれど?」
「仕事はしっかりしてるから」
だからだというのだ。
「私はいいと思うわ」
「子供に見えてもですか」
「別にね」
「そうなんですね」
「大事なのはね」
店長は千沙都にさらに話した。
「千沙都ちゃんがどういった娘かよ」
「外見よりも」
「子供に見ても性格いいし」
それでというのだ。
「接客もいいしお仕事も出来るから」
「だからですか」
「私としてはね」
店を預かる者としてはというのだ。
「別にいいのよ」
「そうですか」
「千沙都ちゃんがいい娘だから」
そしていい店員だからだというのだ。
「それでいいわ、それでおもちゃね」
「またカード入りましたね」
「最近色々あるけれど」
カードゲーム、そしてカードの種類もというのだ。
「全部ね」
「覚えないといけないことは覚えて」
「店員は売るだけじゃないから」
カードについてもというのだ。
「子供さんが聞いてくるでしょ」
「よく聞かれます」
実際にとだ、千沙都は店長に答えた。
「だからですね」
「そう、私達もね」
店で働く人間もというのだ。
「ちゃんとね」
「覚えてですね」
「売っていかないといけないから」
「覚えていきます」
こう店長に答えたのだった。
「そちらも」
「女の子でもね」
「カードは商品だから」
「覚えてね、ゲームソフトもあるけれど」
「スマホのゲームがかなり増えてますけれど」
「今もおもちゃ屋の主力商品だから」
それでというのだ。
「そちらもね」
「勉強してですね」
「覚えておいてね」
「わかりました、本当にですね」
「覚えることはね」
「多いですね、おもちゃ屋も」
「プラモデルもあるし」
こちらもというのだ。
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