龍天使の羽撃き
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『あはははは! あははははははは!』
『当たらないの!』
『化け物なの!』
『『リーファお姉ちゃん頭おかしいの!』』
『「最瞬」の名前は伊達じゃないのよ!』
巡航形体のヘルメシエルとライトニングに追われながら笑うのは、[四枚羽]のストライクフリーダム-リベルテだ。
『行け! ドラグーン!』
『不味いの! また加速するの!』
『ドラグーン[ミサイル]来るの!』
ヘルメシエルとライトニングの前方を行くリベルテが全てのドラグーンを放出する。
ドラグーンは一切の射撃をせず、ヘルメシエルとライトニングに迫る。
『仕方ないの!』
『やるしかないの!』
メティとサンディは機体を変形させ、それぞれ片手にライフル、片手にビームサーベルを持ち、突撃してくるドラグーンをいなす。
『頂き!』
リーファは突然機体を回転させ、双子に対して機体を向ける。
腹部に集まる閃光。
そして……
カッ! と光が走った。
『『危ない!』』
メティとサンディは互いの機体を押し合い、間一髪でカリドゥス複相ビーム砲を避ける。
『ありゃ、避けられちゃった…』
反撃のメガライダーの主砲とΩライフルの勢射を涼しい顔で避けるリーファ。
『逃げるのも飽きたし…』
リベルテがビームサーベルを抜いた。
『行くよ!』
『林檎! 突っ込んで!』
『蜜柑! 援護!』
同時に放たれた言葉。
メティがライトニングにビームサーベルを抜かせ、サンディがヘルメシエルにΩライフルを構えさせる。
『さすが灯俊君の所の双子、息ぴったりね』
全速力のリベルテとライトニングが激突。
ビームサーベルが火花を散らす。
『ふふん。剣道四段クラスの実力見せてあげる!』
『年齢せいげんでまだとってないはずなの!』
『兄様からきいてるの!』
『灯俊君…余計な事を…!』
メティはリゼルCのブースターユニットとメガライダーの主砲をリベルテに向ける。
カチッとトリガーが引かれ、リベルテのウィングの一部を貫いた。
『ちょっ!?』
『リーファお姉ちゃんの強みは「剣道家」!
でも! リーファお姉ちゃんの弱みも「剣道家」!
むいしきに「正々堂々」に拘ってるの!
特に!鍔迫り合いのときは!』
怯んだリーファが一時離脱しようとしたが…
『もらった、なの!』
ライトニングを蹴飛ばしたまでは良かったが、そこをヘルメシエルに狙われた。
『『私達は二人で一つなの!』』
リベルテの胸部を、Ωライフルの閃光が貫いた。
「っぶねっ!?」
『ヤッ…ハッ!』
アスナの刺突を必死に避けるカトラス。
「くっそ外れ引いたぜ!」
『あら、どう意味かな葵ちゃん』
「直葉だったらつばぜり合い中にビット一発って話だよ!」
突きだされたルージュの腕にビームが殺到する。
アスナは間一髪で機体を下げた。
しかし持っていた実体剣のレイピアが貫かれた。
「チッ…甘くねぇか…」
ビットから放たれた光がビシュビシュビシュビシュッ! と月面を溶かす。
『ごめんなさいアスナさん! 落とされました!』
『葵おねーちゃん! リーファお姉ちゃんを落としたの!』
『兄様の援護に行くの!』
「頼んだ! ユージオ先輩とアリス先輩を引き剥がしとけ!」
『『わかったの!』』
大出力ビームと残光が迸るエリアへ、ヘルメシエルとライトニングのノズル光が向かう。
「いいのかい、先輩殿。これであの宙域は3on3だぜ。灯俊なら、キリト先輩にギリギリ勝てる」
『そうね。葵ちゃんを倒してキリト君の援軍に行かせて貰うわ』
「上等!」
片方の剣を抜いたバエル・ゼブルが腰のスラスターを吹かしながら、ルージュに突撃する。
対するルージュはイーゲルシュテルンで牽制する。
「 灯俊が作り込んだこいつにそんな豆鉄砲が効くかよ!」
『もうっ!面倒くさい…!』
仕方なくルージュはビームサーベルを構える。
「勝った…!」
バエル・ゼブルが剣を振り上げた所をを、ルージュのビームサーベルが薙いだ。
コックピットのある胸部を真一文字。
「効かねぇなぁ!」
『嘘!?』
「ナノラミネート装甲にビームは効かねぇんだよ!」
『なんてインチキ!』
「勉強不足だったな先輩殿!」
振り下ろされたバエルソードがルージュの右腕を切り落とした。
『まだやれるわ!』
ルージュが後退し、ビームライフルを抜く。
「はっ! ビームは効かねぇんだよ!」
後退しながら何度もビームライフルを撃つルージュと直撃を受けながらも平然と迫るバエル・ゼブル。
『勉強不足はどっちかしら?』
「なに?」
ルージュが放ったビーム。
幾度も弾かれたそれが、バエル・ゼブルを貫いた。
コックピットを貫き、後方へ突き抜ける閃光。
『「最巧」の名前は伊達じゃないんだよ、葵ちゃん』
後書き
マジ明日菜△。
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